とんま天狗は雲の上

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パリ五輪アジア最終予選(女子)第2戦 日本vs.北朝鮮

 いよいよ運命の最終予選第2戦。北朝鮮側の応援席は先に3000席完売。日本以上に盛り上がっている。第1戦ではなかなか攻撃が機能せず、特に後半は押し込まれた日本。だが、負ける訳にはいかない。選手たちの熱い気持ちに期待した。

 日本の布陣は3-4-3。田中美南をトップに、右WG藤野、左WGに上野真実。長野と長谷川をボランチに並べ、右WB清水、左WB北川。CBは右から、高橋、熊谷、南。GKは山下。初戦、北朝鮮の強力なCFに対し、熊谷を下げてCBを3枚にして対応。ボランチは所属チームでもアンカーを務める長野と長谷川を並べた。3-4-3の布陣は昨年、W杯で活躍した布陣。まずは守備から。熊谷をアンカーに上げる4-3-3は、もう少し弱い相手の時に取ればいい。

 対する北朝鮮も、第1戦と同じ3-4-3。スンヒャンシムをトップに、右WGホンソンオク、左WGチェクンオク。ボランチにはジュヒョシムとリハクを並べ、右WBにリミョングム、左WBウィジョンシム。CBは右から、リヘギョン、パクシンジョン、リクンヒャン。GKはパクジュミ。第1戦から2枚を代えた。

 開始4分、CHジュヒョシムがミドルシュート。7分にもスローインからのこぼれ球をCHジュヒョシムがミドルシュートを放つ。第1戦の後半のイメージか、このゲームでは序盤から北朝鮮が積極的に攻めてきた。日本も10分、左WG上野の縦パスからCF田中がシュート。12分には左WG上野がミドルシュートを放っていく。日本はパスをつないで北朝鮮の隙を伺うが、北朝鮮の寄せが早く、奪ってはカウンターに持ち込もうとする。だが、3バックにした日本の守備は堅い。

 22分、北朝鮮はCHリハクのFKをCHジュヒョシムがヘディングで落とし、日本が処理にもたついたこぼれ球をCBパクシンジョンが落としてCBウィジョンシムがシュート。DFがブロックするが、やはり北朝鮮にゴール前で人数をかけて攻められると、怖い。それでも25分、日本はCF田中がファールで止められて得たFKを左WB北川が蹴り込むと、CB熊谷とDFが競り合って左サイドに流れたボールを左WG上野がヘディングで折り返す。CF田中のヘディングシュートはバーにはね返されるが、そこにCB高橋が詰めてシュート。日本が先制点を挙げた。

 27分、右WBリミョングムがドリブルで持ち上がり、ミドルシュートを放つと、日本も34分、右WG藤野がミドルシュート。36分には左WB北川がミドルシュートを放つ。その後も反撃する北朝鮮。38分、CHリハクのFKをCHジュヒョシムがヘディングで折り返すと、こぼれ球をCHジュヒョシムがシュート。これはDFがブロック。北朝鮮の攻撃に対し、日本も複数人で寄せ、しっかり守る。それでも45分、右WGホンソンオクが右サイドを上がると、クロスを受けたCHリハクが中へパス。左WGチェクンオクがヒールシュート。コロコロとゴールに転がっていく。だが、GK山下が飛びつき、ライン上にあったボールを掻き出した。ファインセーブだ。前半はこのまま、日本1点リードで折り返した。

 後半も北朝鮮が必死に攻めてくる。2分、左WBウィジョンシムのクロスをCFスンヒャンシムが受けて、反転からシュート。GK山下が飛びあがってキャッチした。ナイスセーブ。3分には左WGチェクンオクがミドルシュートを放つが、これはCFスンヒャンシムに当たってしまう。日本も8分、左WG上野が仕掛けて、落としを左WB北川がクロス。CF田中のヘディングシュートはポスト右に外れた。

 その後も互角の展開。お互いよく攻め、よく守る。すると18分、日本は上野に代えて、左WGに清家を投入。すると20分には右WB清水のクロスに左WG清家が走り込んで、シュート。わずかにポストの左に外れた。21分、北朝鮮はジュヒョシム、スンヒャンシム、チェクンオクを代えて、CFキムキョンヨン、左WGキムヒヨン、CHミョンユジョンを投入する。ロングボールを主体に攻め込む北朝鮮。第2戦で活躍したCFキムキョンヨンが怖い。しかし、日本の3バックが機能し、CFキムキョンヨンを自由にさせない。

 26分、日本は右WG藤野の縦パスを受けた左WG清家がドリブルで持ち上がり、シュート。そして31分、右WG藤野の落としからCH長野が右サイドにパスを送ると、駆け上がった右WB清水がDFの股下を抜いて前に出てクロス。これに右WG藤野がヘディングシュート。日本が追加点を挙げた。これで勝利に一歩、近づいたと思った36分、今度は北朝鮮が反撃する。CHリハクのスルーパスに左WGキムヒヨンが抜け出し、滑り込んだCB高橋、詰め寄ったGK山下の上を抜くシュート。北朝鮮が1点を返した。リハクのスルーパスに対し、GK山下の飛び出しが遅く、どうするかと思ったら、その後でGK山下が飛び出し、CB高橋とカブってしまった。いっそ飛び出さず、ゴール前で待ち構えていた方がゴールは防げたのではないか。やや残念な失点ではあった。

 その後は42分に北朝鮮が右WGホンソンオクをハンジンホンに交代すると、日本も44分、北側と田中に代えて、CF植木と左WB古賀を投入。日本は、守備陣がシンプルに遠くへクリアボールを蹴り出すと、前線の選手たちも前の方でボールをキープし、1点差を守ろうとする。ロングボールも蹴り込ませず、そのままタイムアップ。2-1。日本が勝利し、パリ五輪出場を決めた。

 この結果を信じてはいたが、しかし厳しいゲームでもあった。そもそも技術力などでは日本の方が上。だが、北朝鮮の選手たちは、寄せも早く、球際は強く、そしてよく走る。気持ちの強さがよくわかる。だが日本の選手たちもそれを上回る気持ちを見せた。勝てて良かった。次はパリ五輪。北朝鮮の選手たちの気持ちも加え、強い気持ちで戦ってほしい。金メダルも夢じゃない。