とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

J1リーグ第34節 名古屋グランパス対湘南ベルマーレ

 最終節を残して12位マリノスまで降格プレーオフの可能性がある壮絶な状況となったJ1リーググランパスの最終節の相手はベルマーレ。優勝を飾った時の相手でもあるが、それよりも2年前、同じ瑞穂競技場で最終節にベルマーレに敗戦。J2降格が決まった相手でもある。グランパスのパスをつなぐサッカーに、厳しい寄せからカウンターで走るベルマーレのサッカーは相性が悪い。ゲーム前から嫌な結果を想像した。それでも引き分ければ、15位サガンの相手は3位アントラーズサガンが負ける可能性は高い。また、13位ジュビロの相手は優勝したフロンターレグランパスが引き分けなら、得失点差でジュビロの上に行く可能性もある。とにかく引き分け以上。それを願ってゲームを観戦した。

 グランパスの布陣は3-4-3。和泉を左CBに、秋山が左WBに入る。相馬が右WBに入る前節と同じ先発陣。対するベルマーレも同じ3-4-3。GK秋元の前に右から山根、坂、大野の3バック。石川と金子がボランチで並び、右WB岡本、左WB杉岡。そしてFWは山崎をワントップに、右FW菊地、左FW梅崎。ベルマーレは引き分け以上で残留決定。前節レッズを破り、勢いがある。

 序盤はグランパスが攻めていった。7分、右WB相馬のFKのクリアをCH小林がミドルシュート。しかしベルマーレが前からプレスをかけていくうちに次第にベルマーレがペースを握り出す。12分、右WB岡本のクロスに左WB杉岡がヘディングシュート。18分、左FW梅崎のFKのクリアからCB坂がミドルシュートを放つ。そして19分、CHエドゥアルド・ネットの苦し紛れのパスを左WB杉岡がカットすると、左WG梅崎がスルーパス。CH金子が走り込んで、クロスに右FW菊地俊介がシュート。ベルマーレが先制点を挙げた。

 グランパスも20分、CB丸山のフィードに左FWシャビエルが抜け出して、GKと一対一。だがシュートはミス。26分にも左WB秋山のクロスにCFジョーがヘディングシュート。グランパスは長いボールをCFジョーに出していくが、収まらない。前に急ぎ過ぎて攻撃の形が作れない。すると37分、ベルマーレが見事なカウンターを繰り出した。左WB秋山と左CB和泉がワンツー。和泉の縦パスに秋山が走り込んだところを右CB山根がカットすると、CF山崎がポストとなって収め、左FW梅崎とのパス交換から前に進むと、左FW梅崎がスルーパス。これに右CB山根が走り込んでいく。たまらず飛び出したGKランゲラックが倒してしまう。PK。これを梅崎が決めて、ベルマーレが追加点を挙げた。

 その後も前半はベルマーレ・ペース。39分、左FW梅崎のCKにCB坂がヘディングシュート。41分にも梅崎のCKからCF山崎がボレーシュートを放つが、何とかDFがブロック。グランパスはイライラが募るばかり。前半は2-0で折り返した。

 するとグランパスは後半頭、相馬に代えて右SH前田を投入。布陣も和泉を右SB、秋山を左SBに下げて、4-4-2に変更。玉田を左SHに下げた。だがベルマーレの勢いは止まらない。1分、CF山崎のキープから右WB岡本が抜け出し、クロスに左FW梅崎がシュート。後半序盤はグランパスがパスをつないで攻めていくが、すぐにベルマーレのペースになっていく。6分、CF山崎がミドルシュート。9分にもCF山崎のポストプレーから左FW梅崎がクロス。右SB和泉がクリアをもたついたところで左WB杉岡が奪ってミドルシュートを放つ。CF山崎が効いている。

 グランパスも後半から出場の右SH前田が積極的にプレー。13分右SH前田のクロスにCFジョーがヘディングシュートを放つも、ポストの右。ジョーはDFにつかまれていたとアピール。14分、CHエドゥアルド・ネットの縦パスをCFジョーが落とし、左SH玉田が受けると、右SH前田のスルーパスに玉田が走り込んで、GKと一対一。だがシュートは弱く、GK秋元がキャッチした。決定機が決めきれないグランパスサガンジュビロのゲームも動かない。このままではグランパスが16位、プレーオフ進出となってしまう。

 覚悟の気持ちも持ち始めた22分、左SB秋山がクロスを入れると、PA内でジョーが倒れる。すると飯田主審がPKを指示。どうやらジョーをCB大野と左WB杉岡で倒したという判定。13分のアピールが効いたかな。このPKをジョーが決めて、グランパスが1点を返した。しかしまだ負けているグランパス。必死に2点目を取りに行く。しかしベルマーレの運動量は衰えない。25分には左FW玉田からCB石川がボールを奪うと、そこからの流れから左FW梅崎が左に展開。左WB杉岡のクロスにCB中谷のクリアがあわやオウンゴール。GKランゲラックがファインセーブを見せる。GKランゲラックがいなければグランパスはもっと早く降格が決まっていたことだろう。ランゲラックが防いだゴールは数えきれない。

 そして30分、右SB和泉がPA内にアーリークロスを送ると、CB坂の手に当たる。またもPK。これをジョーが決めて、グランパスが同点に追い付いた。それでもまだ、サガンジュビロもゲームが動かない。引分けではプレーオフ出場となるグランパス。だがベルマーレも負けては降格の恐れがある。お互い負けられない状況になってきた。35分、FWシャビエルの縦パスをCFジョーが落として、左SH玉田がシュート。だが枠を捉えられない。40分、右SH前田のクロスのクリアをFWシャビエルがボレーシュート。だがベルマーレのDFが身体を張ってブロック。終盤はグランパスが一方的に攻め込んだが、ベルマーレが最後まで守り切った。2-2。ゲームはドローで終わった。

 このままならグランパスが降格プレーオフへ出場。サガンアントラーズスコアレスドローに終わった。ジュビロフロンターレは後半33分、ジュビロが先制したが、38分にフロンターレが同点に追い付く。そしてアディショナルタイム4分、家長のクロスにCB大井が痛恨のオウンゴールジュビロ敗戦。この結果、12位マリノスから16位ジュビロまで勝ち点41で並び、順位は得失点差で決まった。グランパスがギリギリの15位。ジュビロが降格プレーオフに回ることになった。まさに前代未聞。壮絶なJ1残留争いだった。

 もう1試合あるかと思ったグランパスの今シーズンもこれで終了した。しかしひどいシーズン。先日のFOOT×BRAINでは小西社長、清水マーケティング部長によるマーケティング戦略を高く評価していたが、この結果は観客動員数に対してあまりに恥ずかしい。結果良しとしないで、どうしてこんな成績しか残せなかったのかとしっかりと反省し、分析してほしい。風間監督のサッカーができるだけの人材が揃っていない。または風間監督一人にまかせ過ぎ? 楽しい攻撃も必要だが、守備の構築も不可欠だ。営業的には観客動員数やグッズの売り上げかもしれないが、サポーターは内容よりも勝利を望んでいる。来季に向けてフロントにはしっかりとしたチーム作りに臨んでほしい。