とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

キリンチャレンジ杯 日本 対 ボリビア

 強化試合の2試合目。コロンビア戦では微妙な判定で敗れた日本だが、それよりも問題は無得点だったこと。このボリビア戦では先発メンバー11人を全員入れ替えてきた。布陣は変わらず4-2-3-1。ワントップには鎌田。香川をトップ下に入れて、右SH宇佐美、左SH乾。小林と橋本のダブルボランチ。DFは右SB西、左CB安西。CBに畠中と三浦が入り、GKはシュミット・ダニエルが先発した。対するボリビアは4-4-2。

 開始3分、右SH宇佐美がミドルシュートを放つ。ボリビアは比較的自由に日本にボールを持たせ、ゴール前を固めてカウンターを狙う形。そこで日本はパスをつないで攻めようとするが、普段からやり慣れていないせいか、連携が悪く、なかなか攻撃が形にならない。OH香川と左SH乾がボールを持って崩そうとするが、そこにはボリビアの守備も厚く、うまくつながらない。21分、細かいパスのつなぎでボリビア・ゴールに迫り、右SH宇佐美が縦パスを入れると、これがCBフシーノの手に当たり、PA手前でFKを得る。が、CH小林のFKは壁に当たってはね返された。

 23分にはCF鎌田の落としから右SH宇佐美がサイドチェンジ。左SH乾が切り返してミドルシュートを放つが、GKランペがナイスセーブ。ボリビアは30分、右SHレオナルド・バッカがミドルシュートを放つ。これがボリビアの初シュート。42分にはCKの流れから、いったんはね返されたボールをゴール前にクロス。左SHロドリゴ・ラマージョがヘディングシュートを放つが、ポスト右に外れた。日本は44分にも左SH乾がミドルシュート。だがこれも枠を捉えられない。前半はスコアレスのまま折り返した。

 後半頭にボリビアは左SHロドリゴ・ラマージョをチュマセロに交代。開始1分、左SH乾がカットインからミドルシュートを放つが、OH香川に当たってしまう。その後も攻める日本。13分にはCB畠中の縦パスを左SH乾がスルーパス。CF鎌田が抜け出すが、GKランペの飛び出しも早く。シュートはGKにセーブされた。

 結局、新しいメンバーでは連携が悪く、結果が出ず。17分、左右のSHを下げて、右SH堂安、左SH中島を投入する。さらに24分にはOH香川に代えて南野、CH小林に代えて柴崎。さらに28分、左SB安西を佐々木に交代する。左SH中島は交代直後から積極的にドリブル突破を試みて、ボリビアのDF陣を撹乱する。足元へのパスを要求することが多かった右SH宇佐美に対して、堂安は裏への抜け出しを試みる。全体的に動きもアグレッシブで大きくなり、ボリビアDFを揺さぶって、ゴールの期待が高まる。

 そして31分、ボリビアの中盤でのパスミスを拾った右SH堂安がドリブル。OH南野につないで、南野が左に流すと、左SH中島が切り返しからDFの股下を抜くミドルシュート。これが決まり、ようやく日本が先制点を挙げた。すると33分には左SH中島がミドルシュート。バーを叩く。はね返りからOH南野がミドルシュート。さらにCF鎌田の落としからOH南野がシュートを放つが、GKランペがセーブ。35分には左SH中島の縦パスに抜け出した右SH堂安がクロス。CF鎌田がヘディングシュートを放つが、わずかに合わず、枠には飛ばない。

 さらに38分、CF鎌田に代わって鈴木武蔵が入ると、41分、左SH中島のパスに左SB佐々木が走り込み、クロスにCF鈴木武蔵がヘディングシュート。44分、右SH堂安の縦パスをOH南野が落とし、左SH中島のパスに右SH堂安がゴール前に迫る。これはGKランペにクリアされるが、続く中島のCKから左SB佐々木がミドルシュート。45+2分には左SH中島のヒールパスに左SB佐々木が走り込み、クロスにCF鈴木武蔵。だが合わない。結局、追加点はなかったが、このままタイムアップ。1-0。日本が勝利した。

 正直、FIFAランキング60位のボリビアにはゴールラッシュを期待した。しかし前半守備を固めたボリビアを個人技だけでは崩しきれずに無得点。香川と乾はよくボールを持って何とか打開しようとはしていたが、足元につなぐパスばかりが目立ち、ボリビアの守備を崩すことはできなかった。一方、左SH中島のドリブル突破は破壊力があった。そしてそれに呼応してOH南野や右SH堂安がうまく動く。やはりこの3人の連携は際立つ。CF鎌田も3人が出場した後の方が、動きがわかりやすかった感じ。ボランチも小林よりも柴崎の方が前への積極性が見られた。先発組でよかったのはCH橋本と左SB安西。安西は縦の抜け出しが際立っていたし、橋本は何といっても相手のチャンスを潰す予測と守備がよかった。右SB西はベテランらしいプレーに終始して、アグレッシブさが見られなかった。

 結局、終わってみればいつもの3人ばかりが目立つ結果となった。森保監督からの具体的な指示もなかったのだろうが、新しく招集された選手にとっては経験を積んだ以上の結果はなかった。このままでいいのか。長期に合宿ができるコパ・アメリカでの成熟を期待したい。