とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

北朝鮮とのつきあい方

 アメリカのクリントン国務長官から始まった米朝の非難合戦が面白い。基本的にはクリントンの言うとおりだと思うが、理屈をわきまえない駄々っ子にどう対応していくのか。その大人の対応に興味が掻き立てられる。
 衆議院選挙に向けて国政に関わる争点に対する立候補予定者へのアンケートや世論調査の結果が新聞紙上を賑わせている。その項目の一つに北朝鮮対策があるが、制裁強化が圧倒的な支持を得ている。私はこれが理解できない。
 江川紹子のブログ「Egawa Shoko Journal:タブー化する拉致問題」でも取り上げられていたが、今、日本では北朝鮮の言い分を少しでも認めたり、調整的な対応・言動をすると総叩きにあう風潮がある。しかしそれで本当に解決するのか。それとも、解決はアメリカや中国、若しくは北朝鮮の自壊という形で北朝鮮自らがもたらせてくれるので、それまで今の硬直的な姿勢・関係を継続していくことが必要だ、という考えだろうか。
 確かにそうした考え方もあるかもしれないが、江川紹子が紹介しているイギリスの「ネイチャー」誌では、非科学的かつ硬直的な日本の姿勢に対して疑義を呈している。6か国協議に参加していない欧州諸国の論評など影響ないと判断していいのか。
 「真実を明らかにする」というのは江川紹子がブログの最後に書いた目的だが、たとえ真実でなくてもいい、しかし国益に適う外交を展開してほしい。私にはそれが制裁強化だとはとても思えないのだが、誰かその理路を明確に示してくれないだろうか。それともこれは重要な国家秘密(佐藤優のいう「インテリジェンス」)で外には決して出せない事柄だろうか。少なくともマスコミがこの点でさまざまな見解を披露するのはかまわないと思うのだが、単に思考停止に陥っているだけなのか。