とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

ミラン対レッチェはイタリア・サッカーの例外?

 次節チェゼーナが戦う相手は、昨シーズン3位のACミランピルロロナウジーニョネスタチアゴ・シウバアンブロジーニセードルフにパトとさすがの名前が並ぶ。対するレッチェは昨シーズンセリエBで首位。今シーズン、チェゼーナらと共にセリエAに昇格した。
 チェゼーナASローマを相手に守備を固めつつ、カウンターを繰り出す戦法でドローを勝ち取ったのに対して、レッチェミラン相手に果敢に前からプレスをかけて、互角に渡り合う。もちろん主導権はミラン。10分、ロナウジーニョのパスにアントニーニがシュート。12分にはチアゴ・シウバミドルシュート。14分にはピルロロングフィードにパトが走り込みシュート。そして16分、セードルフからボッリエッリ、アンブロジーニをつないでパトが抜け出し、角度のないところからアウトにかけた鋭いシュート。あっさりと先制点を挙げた。
 23分にも、アンブロジーニから右サイドを破ってパトがクロス。ボッリエッリが落としてセードルフロナウジーニョがふわっとDFの頭を越えるパスにセードルフが走り込んでシュート。これはGKがセーブするが、直後のCK。ロナウジーニョからパトがわずかに角度を変えて、集団の中、ボッリエッリが詰めると、こぼれ球をチアゴ・シウバが押し込み、追加点を挙げる。
 さらに28分。スローインからアンブロジーニのパスをボッリエッリがボレーシュートすると、その直後、ロナウジーニョからのノールックパスにパトが抜け出しシュート。あっという間に3点目。
 レッチェはプレスをかけ、奪ったらパスをつないで攻めようとするが、上位チーム相手には無謀な戦法。ピルロセードルフに絡めとられ、ネスタチアゴ・シウバにパスカットされ、ボールをつないだかと思ったら相手ボールになってディフェンスに追われる。
 ロナウジーニョが気持ちよさそう。34分、大きなフェイントで2人を抜くと、ドリブルからミドルシュート。39分のスルーパスはパトが身体の後ろでヒールシュート?。ピルロのスルーパスセードルフがシュートをすれば、43分にもロナウジーニョのスルーパスにパトが走り込む。
 前半で3点差をつけ、ハーフタイムにはイブラヒモビッチの入団披露イベントを行ってすっかり気が緩んだ感のあるミランに対して、後半に入りレッチェも少しがんばり出した。13分、グロスミュラーのクロスにコルヴィアがヘディングシュート。
 しかしそれも長続きしない。15分にはパトのクロスにロナウジーニョがポストに入ってセードルフがシュート。16分にはボッリエッリをインザーギに代えると、19分、ロナウジーニョのスルーパスインザーギが抜け出してGKの頭を越えるループシュート。これはポストに当たるが、いつしかすっかりミラン・ペース。24分には再びロナウジーニョのサイドチェンジのパスにパトがシュート。GKがセーブ。
 レッチェは9分、ピアッティを投入。25分、ピアッティの落としをグロスミュラーがシュート。26分、アンブロジーニに代えてガットゥーゾレッチェも32分、チェバントン投入。39分、ガットゥーゾロングフィードインザーギが抜け出すがGKがクリア。41分、チェバントンがシュート。そして45分、ガットゥーゾが31分にパトに代わって入ったボアテングからのパスに抜け出し、戻したところをボアテングがDFと競ってこぼれ球をインザーギがシュート。ダメ押しの4点目。セリエA10-11シーズンの開幕を告げるオープニング・イベントは4-0の一方的なゲームで無事ミラン・ショーを閉幕した。
 レッチェはたぶんイタリアらしからぬ、下位チームらしからぬサッカーを展開したのだろう。ミランも、ピルロガットゥーゾからのロングフィードも見られたが、基本的に細かいパスをつなぎ、両SBが上がって、ロナウジーニョが左サイドから中央で自由にパスを操る。FWはイタリアらしく、ループや流し込むようなシュートを好むが、堅守速攻のチームが多い中で、テクニックを駆使したこれぞミランというサッカーを展開した。その結果の4-0。
 今シーズンはミラン・チャンネルとしてミランを中心とした中継放送を数多く見られるようだ。成績はベテラン揃いで多少不安なところもあるが、楽しいサッカーを見られるならそれもいいだろう。とりあえず次節チェゼーナ戦。ここでまずはイタリアらしいサッカーが見られるのではないか。長友の活躍に期待したい。