とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

アントラーズ小笠原 常勝チームのメンタリティ

 首位グランパスを勝点差8で追うアントラーズグランパス・サポーターとしては残り5試合で追いつくのは無理と思いたいが、前節も気迫の勝利でグランパスを破り、今節は4位フロンターレとの戦い。フロンターレも勝てばアントラーズと勝点が並び、ACL出場圏の3位に一歩近づくだけに勝ちたい一戦。と思ったが、勝利への思いはアントラーズの方が一歩上だった。フロンターレ側としてはアクシデントのせいと思いたいだろうが。
 立ち上がりから両者攻め合う互角の戦い。アントラーズは細かいパスをつなぎ、フロンターレ・ゴールへ攻め込む。5分、新井場が野澤とのワンツーから抜け出し、クロスに遠藤が走り込みシュート。一方のフロンターレはカウンター主体の速い攻め。7分、森のクロスに矢島がヘッド。その後、伊藤、伊野波とミドルシュートを打ちあうが、なかなかゴール前には入っていけない。
 しかし20分、フロンターレは左SBに入った伊藤から大きくサイドチェンジのパスを楠神が受け、ジウトンをかわして前進。クロスに矢島が合わせると、シュートはバーに当たるが、はね返りをヴィトール・ジュニオールがきっちり詰めてゴール。鮮やかに先制点を挙げた。
 その後も21分、パスミスを拾ったジュニーニョがドリブルから矢島にわたしシュートを打てば、アントラーズも22分、遠藤がミドルシュート。さらに23分、遠藤のクロスにマルキーニョスがシュート。24分にはそのマルキーニョスミドルシュート。さらに28分、小笠原のクロスを岩政が逸らすと、中田が戻し、岩政がシュート。しかしGKがはね返す。
 そして38分、中盤右から蹴った野澤のFKが逆サイドの最も遠いところにフリーで待ち構えた中田に合ってゴール。同点に追いついた。結果的にこの同点ゴールが大きかった。
 フロンターレはその後42分、伊藤のクロスをヴィトール.Jrが戻し、矢島とDFが競ったこぼれを再びヴィトール.Jrがシュート。ロスタイムにはヴィトール.Jrのドリブルからクロスに矢島がヘディングシュートをするが、枠を外した。
 フロンターレは前半、岩政ともつれて頭を強打したGK相澤に代えて、後半からJ初出場の杉山を投入。これが最終的な結果に大きく影響した。
 後半は立ち上がりからアントラーズが攻撃。2分、クロスに遠藤とDFがもつれると、5分にはジウトンのクロスにGK杉山が目測を誤り、あわやゴールに入りそうになる。その後、ゴールキックなどでようやく杉山も落ち着くと、6分にはジュニーニョタッチライン際からシュート。さらにCKに伊藤がヘディングシュート。11分、GK曽ヶ端のゴールキックをヴィトール.Jrが拾ってロングシュート。13分、ジュニーニョのクロスに矢島がシュートとフロンターレが攻撃にかかる。
 しかし勝越し点は思わぬ形で訪れた。17分、中盤の深い位置から出した小笠原の長いスルーパスに野澤が走り込むと、森がカバー。さらにGK杉山も飛び出し、3者がもつれた間をボールは杉山の股間を抜けてゴールに転がっていった。
 この得点でフロンターレは21分、楠神、稲本に代えて小林、谷口を投入。前線を強化。一方、アントラーズはそれまでの膠着状態の中、大迫を用意していたが、急遽、青木に変更。守備の強化を図る。
 しかしこれでフロンターレは全く攻めることができなくなってしまった。憲剛とDFを残して全員前線に上がってしまい、中盤がなくなる。ここをアントラーズの中盤が支配して、逆に再三のピンチを招いてしまう。33分、小笠原のミドルシュートはGKがクリア。38分には小笠原の長いFKを中田が戻し、途中交代の佐々木がシュート。
 結局、その後、フロンターレは見せ場を作ることができないまま、アントラーズが時間もうまく使ってゲームをコントロール。負けない強さを感じさせ、フロンターレを一蹴。グランパスを追いかける貴重な勝利を挙げた。
 ゲーム後、小笠原のインタビューは全く勝利を喜ばない厳しいコメント。確かにそのとおり。グランパスアルディージャ相手に勝利を挙げて、残り4試合で勝点差8はかなり厳しい。しかしフロンターレとは勝利へのメンタリティの差を感じたのも事実。やはりアントラーズは侮れない。