アルディージャはけっして弱いチームではない。イ・チョンス、ラファエルは攻撃的だし、藤本主税に上田が加わった中盤も昨シーズンより厚みができた。東とキム・ヨングォンがU-22に選出され、それがどうかと思ったが、金澤と村上が埋めて遜色がなかった。
グランパスは中2日で疲れがあっただろうか。それはアルディージャも同じはずだが、前節0-5の大敗の反省もあってか、前半から積極的に攻撃をしてくる。1分、ラファエルがミドルシュートを放つと、3分、ダニルソンが中盤でトラップを上田に奪われ、ラファエルから右SBの渡部へ。クロスをDFが弾いたところを上田がミドルシュート。GK楢崎が何とかセーブする。
グランパスも7分、田中隼磨のクロスを闘莉王がヘディングシュートするがGK正面。アルディージャも11分、主税のスルーパスにラファエルがシュート。GK楢崎が抑える。23分にはラファエルからイ・チョンスがシュート。増川がブロック。28分には青木がミドルシュート。DFが弾くと村上がミドルシュート。さらにイ・チョンスがミドルシュート。とにかくアルディージャが積極的にシュートを打っていく。グランパスは中村が負傷で20歳の磯村が先発。落ち着いてプレーしていたが、積極的とは言い難い。中盤をアルディージャに支配される。
30分、上田からラファエルがミドルシュート。31分にもラファエルのミドルシュート。33分には磯村がボールを奪われ、ラファエルがドリブルからシュート。グランパスは守備一辺倒。37分、玉田がドリブルで上がりシュート。アルディージャの中盤がようやく空きだした。
40分、隼磨のクロスをGK北野が弾くと、逆サイドから阿部がクロス。玉田がダイレクトで技ありのヒールシュート。わずかに外れる。45分にも阿部からのクロスに小川が走り込むが、うまく合わず。これで終わりかと思ったロスタイム。ケネディのポストプレーから藤本が右に流し、磯村がミドルシュート。DFの右を巻きポスト際に飛び込むナイスシュート。J初ゴール。玉田が左サイドを走り込んだフリーランニングが効いていた。
しかし前半は内容的にはアルディージャ・ペース。ハーフタイムでストイコビッチ監督からカツが入ったか、後半立ち上がりはグランパスが見違える動きを見せる。3分、阿部のクロスにケネディがヘディングシュート。そして7分、藤本がドリブルでPA内まで進入すると、CB坪内がたまらずファール。PKをケネディが決めてグランパスが2点差に突き放した。
17分には左サイド玉田がドリブルで前進、藤本をポストに玉田がシュート。調子が出てきたかなと思ったが、20分、ピクシーが磯村をブルザノビッチに代えてからまた受け身になってしまった。
21分、左SB村上からの縦パスを青木が受けてキープ、上がってきた村上に流し、クロスをGK楢崎が弾いたところを青木が詰めて押し込む。アルディージャが1点を返す。この頃から雨が次第に強くなってくる。ブルザノビッチはキープはできるが、ボランチとしての危機察知能力は皆無。藤本が下がってダニルソンの隙間を埋めるが、アルディージャが前半の勢いを取り戻してくる。30分、小川に代えて千代反田を投入。5バックにして守備を固めるが、問題は中盤。そこを自由に使ってアルディージャが攻めてくる。イ・チョンスのラフプレーでダニルソンがイエローをもらったのも痛かった。
32分、上田のクロスにラファエルがヘディングシュート。35分にはアルディージャが石原を入れて得点を狙ってくる。37分、右SB渡部がミドルシュート。GK楢崎がナイスセーブ。41分、上田がミドルシュート。45分、上田のFKは右ポストに当たり、はね返りが左ポストも叩いてはね返っていく。ロスタイム4分。ロスタイム2分にはダニルソンがカウンターで長駆前進するが、シュートは枠外。この時間を利用し、三都主を投入。しかしこれがまた裏目に出た。ロスタイム3分、三都主のバックパスをイ・チョンスが奪ってクロスを青木がシュート。土壇場で同点に追いつかれた。
三都主を責める気はない。ブルザノビッチ投入の意図もわからなければ、5バックもいかがなものか。選手交代のミスが最後に三都主に現れたという感じ。勝てるゲームを采配ミスで落とした。もっとも内容は完全にアルディージャ・ペース。まあ、引き分けるべくして引き分けたと言うべきか。次節セレッソ戦の巻き返しに期待したい。
