とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

ユベントスの強さ、ミランの脆さ。実にイタリアらしいサッカー。

 セリエA、首位決戦。勝点では1点下回りながらも1試合ゲーム数が少ないユベントスミランはホーム、サン・シーロで何としても勝ちたい一戦。だが、イブラヒモビッチが3ゲームの出場停止中。ボアテングもケガで欠いて万全の体制とは言い難い。
 序盤は互角の膠着状態。お互い出足がよくパスカットの応酬を繰り返す。だが、次第にミラン・ペースになってきたかなと思った15分、ユベントスのCBボヌッチが信じられないミスパスロビーニョが受けてノッチェリーノにパスすると、そこから豪快なミドルシュート。これがボヌッチに当たってコースが変わり、ネットに吸い込まれる。GKブッフォン、一歩も動けず。
 さらに25分、CKからトップ下エマヌエルソンが上げたクロスをCBメクセスがヘディングシュート。これはGKブッフォンがブロックしたが、はね返りをムンタリがヘディングシュート。ブッフォンがゴールから掻きだすが明らかにゴールラインを割っていた。だがノーゴールの判定。ブッフォンが投げたボールを受けて左SHエスティガリビアが独走。シュートはミランのGKアッビアーティが横っ飛びセーブ。あっという間の1分間だった。
 だがこれでユベントスは救われた。28分にはCKからの流れの中からチアゴ・シルバがミドルシュート。31分、ユベントスピルロミドルシュートユベントスの攻撃は必ずピルロから組み立てられる。33分にはピルロの正確なFKをキエッリーニがヘディングシュート。だが、DFと競り合い、ゴールに入らない。
 前半はミランの方が出足も早く積極的。特にファンボメルが効いている。42分にはチアゴ・シルバのFKがDFにはね返されたこぼれ球をファンボメルミドルシュート。これは枠を外れた。
 後半早々、ミランはパトに代えてエルシャーウィ。ユベントスはエスティガリビアに代えてペペを投入する。ゲームは相変わらずミラン・ペース。ユベントスピルロからのパスがことごとくはね返され、チャンスを作ることさえできない。
 それでも23分、ピルロが左に流したパスから左SBキエッリーニがDFに裏側にグラウンダーのクロスを入れると、クアリアレッリが飛び込む。GKアッビアーティがナイスセーブ。それまでクアリアレッリはほとんど目立っていなかったが、このプレーでGKと交錯し、マトリと交代した。
 34分、ピルロの縦パスからブチニッチが倒れながらスルーパス。マトリがギリギリ飛び出しシュートを決めるが、これがオフサイドの判定。前半のノーゴール判定のお返しか。ユベントスの勝利はこれで遠のいたかと思った。
 だが38分、右SHに入ったペペの速いクロスにビダルが飛び込み、その裏でマトリが見事なボレーシュート。ついにユベントスが追い付いた。その後はユベントスは守りに入り、44分にはビダルがレッドカード退場。さらに守りを固めたユベントスのゴールをミランはこじ開けることができず、そのまま首位決戦は1-1のドローで終わった。
 プレミアリーグとは違い、お互い守るべきところは守り、攻めるべきところは攻める、リアリスティックなゲーム。だが、アウェイで後半に追い付くユベントスの強さは本物だ。逆にミランはケガで主力選手を数人欠いていたのが響いた。実にイタリアらしい勝負に徹したゲームだった。