とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

なでしこカップ、ジェフレディースの頑張り。

 なでしこリーグは前半が終わり、現在はなでしこカップが行われている。5チームずつ2つのグループに分かれ、総当たり。上位2チームが決勝トーナメントに進出。第3節のTV中継はINAC神戸ジェフレディース。Aグループは他にレッズレディース、アルビレックスレディースと福岡アンクラスジェフレディース福岡アンクラスに続いて弱いと目されるが、このゲームではINAC相手に非常によく奮闘した。
 ジェフレディースと言えば昨シーズンまで丸山桂里奈が在籍していたが、スペランツァFC大阪高槻へ移籍後は知ってる選手もいない。どうせ大差のゲームになるだろうと思いながらTVを観始めた。案の定、前半7分、澤のスルーパスにCFゴーベル・ヤネズが抜け出してシュート。早々とINACが先制する。
 しかしそこからジェフレディースががんばる。また左SB細川のキックが多彩で正確。15分、長いFKにCM保坂が合わせ、ヘディングシュート。GK海堀が何とかファインセーブ。しかし直後の16分、CKから戻ったボールを細川がクロスを入れると、ファーサイドに待っていたCM柳井がヘディングシュート。これがコースよく決まってジェフレディースが同点に追いつく。さらに17分にはCBに入った高良からボールを奪った保坂がそのまま前進。あわやと思ったが、GK海堀にセーブされた。
 それでも同点に追い付いた後も、ジェフレディースのプレスは激しく速い。加えてボールを奪うとピッチの横幅を使った幅広い展開。INACがほとんど攻めることができない。33分、細川のFKは枠の外。ロスタイム2分、柳井の縦パスを保坂が受けて、キープから横パス。筏井がフリーだったが、シュートはわずかにポストの左。決定的チャンスだっただけにこれが決まっていれば結果は大きく変わっていたかも。惜しい。
 後半に入ると、中盤を支配できなかったINACが南山に代えて田中明日菜を投入。加えて攻撃陣が積極的に前に出てくる。3分、大野が右に流し、近賀のクロスに川澄が走り込んでシュート。サイドネットにつかまる。さらに4分、川澄からゴーベル・ヤネズがポストになって、近賀がシュート。そして7分、ショートCKからチ・ソヨンがクロスを入れると、田中とDFが競って、こぼれ球を澤が収めてゴーベル・ヤネズにパス。シュートは一旦ブロックされるが、もう一度蹴り込んでゴールを決める。INACが勝ち越し。
 こうなると速いプレスに自由自在なパス回しも戻って、INACがペースをつかむ。ジェフは18分、GKを交代。身長187CM。五輪バックアップメンバーに選ばれた山根がゴールマウスに入る。男子正GK川島よりも背が高いと言っていたが、確かに。
 34分、高良からのフィードに抜け出した高瀬のシュートをセーブ。42分には高瀬からチ・ソヨンのスルーパスに川澄が抜け出すが、浮き球のシュートを手を伸ばしてブロック。高さを見せつける。一方でキャッチングに不安定さを見せる場面もあり、まだ成長過程。
 45分にはチ・ソヨンのスルーパスに大野が抜け出すと、PAの外まで飛び出て、でもシュートが手に当たる。大野がハンドをアピールするが、審判は取らない。温情。いや不可抗力という判定。だが未熟なことには変わりない。そしてロスタイム2分、近賀のフィードに大野がポストになって川澄が抜け出しシュート。今度はGKをうまくかわしてゴールに転がり込んだ。
 終わってみれば3-1。特に後半はINACが一方的に攻めていたが、それでも前半のジェフレディースのがんばりは評価に値する。こうしたゲームが観られるなら、なでしこも満更ではない、と思わせるゲームだった。もっとも前半だけだったけど。INACは五輪メンバーは順調な仕上がり。これでカップ戦も中断期間に入る。さあ次は五輪へ本格始動だ。