とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

気持ちのこもったナイスゲーム。サポーターが背中を押した魂の勝ち越しゴールでベガルタ今シーズン初勝利

 前節、富田、角田が負傷で、ゲーム開始直後は鎌田と松下のダブルボランチによる4-4-2でスタート。その後、鎌田をアンカーにする4-1-2-3にシステム変更して一旦は同点に追い付いたものの、アントラーズの怒涛の連続ゴールの前に屈したベガルタ。このゲームでは最初から4-1-2-3でスタート。しっかり守ってカウンターで攻めるベガルタ本来の強さが戻ってきた
 レイソルは5分、ワントップのクレオが太股裏を痛めてピッチ外へ。この間にベガルタが攻め上がると、リャン・ヨンギのスルーパスにウィルソンが抜け出して、シュートのはね返りを松下がヘッドで押し込み、先制点を挙げた。ベガルタの3トップは流動的。ウィルソンが中盤まで下がってゼロトップの形からリャン・ヨンギと松下が上がり、さらに両SBも攻め上がる。厚みのある攻撃を見せれば、レイソルも厳しいプレスからレアンドロが攻撃をリード。激しい攻防が続く。
 30分、レアンドロから右に展開。工藤のクロスにCH谷口のヘディングシュート。GK林がナイスセーブ。ベガルタも33分、セットプレーで上がったCB増嶋から右SB菅井がボールを奪い、太田が長駆ドリブル。切り返してCB近藤もかわしシュートを放つが、GK菅野が身体を張ってはね返す。ベガルタの堅い守備ブロックから速いカウンター攻撃がよく効いている。両チーム、前半は気持ちのこもったサッカーを展開した。
 後半になっても厳しいプレスからカウンターの応酬。そして7分、レイソルの19歳、左SB山中がドリブルで上がると、クロスにファーサイドからレアンドロが左SB蜂須賀の前に走り込み、右足アウトサイドで芸術的なボレーシュートレイソルが個人技一発、同点に追い付いた。
 17分にもリャン・ヨンギから右SB藤田がボールを奪うと、素早くゴール前へクロス。工藤が受けて持ち出してシュート。さらに19分、レアンドロのスルーパスに藤田が抜け出してクロスに狩野が飛び込みシュート。GK林がスーパーセーブ。ベガルタが守る。
 だが次第にベガルタの選手に疲れが見えて、中盤のプレスが嵌らなくなってくる。21分、太田に代えて佐々木。24分、松下に代えてヘベルチ。さらに30分、足を攣った蜂須賀に代えて田村と選手を投入。だが攻撃的な選手の投入では、中盤のプレスは戻ってこない。35分には狩野のクロスをレアンドロが落としCH大谷がミドルシュート
 このまま引き分けかと思った41分、リャン・ヨンギスローインを受けた菅井が山なりのトラップで山中をかわし、渾身のクロスをウィルソンが気持ちごと叩きつけるヘディングシュート。ついにベガルタが勝ち越した。ホームサポーターの大声援に応えたまさに気持ちでもぎ取ったゴールだった。
 レイソルアディショナルタイムに、山中のミドルシュート、さらに田中のボレーシュートと惜しいシュートを放つが、わずかに逸れてゴールならず。そのままベガルタが逃げ切って今シーズン初勝利を挙げた。
 いや、気持ちのこもったいいゲームだった。特にベガルタは後半疲れからプレスが甘くなったが、それでも気持ちで勝ち切って、昨シーズンの粘り強さが戻ってきた。レイソルもいいゲームをしているが、決定力がまだ戻っていない感じ。今シーズンはこの両チームに加え、アントラーズセレッソFC東京と組織的なプレーをするチームがいずれも好調だ。面白いリーグになりそうだ。