とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

W杯への道は険し。ヨルダン・ホームの魔に嵌る。

 先に行われたオーストラリア対オマーンのゲームが引き分けで終わり、引き分け以上でW杯出場が決まるヨルダン戦。だからといって気持ちが緩んだとはけっして思わないが、ヨルダンのホームスタジアムにはアウェイチームを捕える魔物でも棲んでいるのだろうか。日本も見事に嵌って、1-2で敗れてしまった。
 本田と長友が欠場で注目された先発は、香川をトップ下に清武を左SHで起用してきた。その清武が絶好調。序盤から気後れせず躍動し、チャンスを演出していく。2分、前田のドリブルから左へ展開。清武のサイドチェンジに岡崎が切れ込んでシュート。4分、清武が起点となって香川のスルーパスに走り込み、クロスに香川がシュート。日本はプレスも高く、寄せも速く、前田の自由自在な動きに攻撃的中盤の3人が絡んで、圧倒的にペースを握る。15分には清武のクロスに前田がヘディングシュート。GKシャフィーノがナイスセーブ。
 ヨルダンは16分、左SHサフィーがピッチを横切り、また左サイドに開く長いドリブルから、最後はCFハイエルが受けてシュート。GK川島がナイスセーブ。思い切ったドリブルや突破には日本DF陣も付ききれない。21分には、またもサイフィーが中へドリブルで切れ込んでシュート。川島がナイスセーブを見せる。
 日本も23分、長谷部の遠目からのクロスに前田がヘディングシュート。だがバーを叩いてはね返される。35分、清武から香川がドリブルで前進。DFチェックのこぼれ球を長谷部がミドルシュート。42分、今野がドリブルで持ち上がり、清武から左に展開。酒井高徳のクロスに香川が走り込んでヘディングシュート。しかし枠に入らない。サイフィーの個人突破に振られるシーンもあったが、基本的に日本ペース。ゴールが欲しかったが、後半ヨルダンの足が止まれば、得点のチャンスはあると思っていた。
 しかしアディショナルタイム1分、ヨルダンのCKをアーメルディーブが蹴ると、バニーアティアが一瞬のスピードで岡崎の前に走り込んで、ヘディングシュート。なんとヨルダンが先制して前半を終える。
 後半、次第に日本が攻めあぐねる。前田が存在感を消し、中盤のパス回しでゴール前まで迫ってもシュートまで至らない。11分、内田からの中へのパスを香川がワンタッチで落とし、岡崎が抜け出してシュート。決定的なチャンスだったが、またもGKシャフィーのスーパーセーブに守られる。どこか変化がほしいと思い出した15分、左サイドで酒井高徳にアーメルティーブがプレッシャーをかけてこぼれたボールをハイエルが拾うと、あっという間に高速ドルブル。吉田がマークに向かうが振り切られシュートを決められた。なんとヨルダンが2点を先行する予想外な展開。しかしそれだけ日本の攻撃に停滞感が漂っていた。
 19分、ここでようやく前田に代えてハーフナーを投入。するとその直後、長谷部の縦パスを清武がワンタッチでふわっとしたクロス。ハーフナーの裏に香川が走り込みシュート。ようやく日本が1点を返す。さらに25分、清武のスルーパスに内田がPA内に走り込み、DFのタックルに足を取られてファール。正直ややシミュレーションっぽい気もしたが、そこは技あり。日本がPKをゲットした。ところが遠藤のPKをGKシャフィーがスーパーセーブ。日本が同点に追い付けない。
 その後30分にはFKからハイエルがヘディングシュート。ここはGK川島がナイスセーブ。34分、左SB駒野を投入。35分、岡崎のドリブルからシュート。36分、長谷部のシュート。37分、駒野のクロスからハーフナーのヘディングシュートと日本が攻めるが、ゴールが決まらない。41分には乾を投入。
 ハーフナーが入って攻撃のターゲットはできたが、大声援を受けてゴール前を固めるヨルダンの守備をなかなかこじ開けることができない。43分、ハーフナーの落としから今野がミドルシュートを放つが、これもバーの上。結局、何度も遅延行為でイエローカードをもらうヨルダンの前に時間を浪費して、そのままタイムアップ。このゲームでのW杯出場決定はかなわなかった。
 とは言ってもゲーム自体はそれほど悲観すべきものではなかったし、サッカーの神様はヨルダンのホームが好きらしい。このゲームでは2点目を入れられた時点でゲームの大勢は決まり、遠藤のPK失敗で勝敗も決まった。オーストラリアも苦労しているようだし、他力本願でもW杯出場は決まるだろう。清武の活躍など評価すべき点もあったが、一方で1点ビハインド時のゲームの進め方など、反省すべき点も少なくない。これらの課題をサッカーの神様が与えてくれた宿題と考えて、さらに前進をしていきたい。負けたとはいえ、それほどショックの残る敗戦ではなかった。