とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

ベガルタレディース、レオネッサをリスペクトし過ぎ。前半からもっと積極的に戦っていれば。

 第6節、ここまで無敗同士の首位決戦、ベガルタレディースINACレオネッサのゲーム。特にベガルタレディース福島原発事故の影響でマリーゼが解散。昨年結成され、今シーズンなでしこリーグに昇格したばかりなのに現在まで無敗で2位と予想外の活躍を見せている。どんなサッカーをするのか興味があった。
 残念ながら鮫島はケガで欠場。昨シーズンまでレオネッサにいた高良がFWに入り、CBは長船と坂井。アルビレックスレディースにいた上辻がCHに入っている。対するレオネッサもケガの影響で澤とヤネズをベンチに置き、道上と田中陽子が先発。CHは南山と中島で組んできた。
 開始1分、田中陽子が積極的にミドルシュート。わずかにポストの左。惜しいシーンを見せる。その後もレオネッサがポゼッション高くパスを回していくが、ベガルタの守備が堅い。低い位置で守備ブロックを作り、がっちり守ってボールを奪えばパスをつなぎ組み立てていくが、如何せん守備ラインが低過ぎる。10分、FW伊藤がドリブルで抜け出し、右SH安本のクロスを高良が落とすが、上辻のボレーはボールに遠過ぎて枠に入らない。16分、右SB中村のフィードに安本が飛び出すが、これもやはりゴールが遠過ぎる。
 レオネッサはCHコンビでなかなかボールが収まらないが、チ・ソヨンが下りてきてゲームを作る。田中陽子、道上、川澄の攻撃陣にボールが渡ることは少なく、攻撃シーンはベガルタの方が多いくらい。と思っていたら24分、チ・ソヨンミドルシュートがポストを叩く。さらに直後には川澄のドリブル突破からチ・ソヨンがシュート。少しでもスペースを与えるとレオネッサの選手たちのテクニックレベルは高い。
 ベガルタの守備が堅くなかなかゴール前に入っていけない。すると28分、川澄のサイドチェンジを田中陽子が受けて、切り返してシュート。これが決まりレオネッサが先制する。守備ブロックの外側で大きく揺さぶり、個人技でスパッ!という感じ。さらに27分、左SB渡辺のクロスをチ・ソヨンがヘディングシュート。道上がDF二人を引き付けた後ろに入ってきた。巧い。さらに44分、川澄がドリブルで突っかけた戻しを南山がスルー。チ・ソヨンミドルシュート。さすがのプレーでレオネッサが3-0と突き放した。
 ベガルタは前半14分、伊藤をケガで井上に交代。さらに後半初めから右SBに山本を投入。後半は前半と打って変わって前からプレスをかけてきた。1分、遠目のFKを上辻が蹴ると、CB坂井がヘディングシュート。GK海堀がキャッチ。7分には坂井がドリブルで上がり、FWに入った安本がシュート。CB甲斐がブロックすると、はね返りをCB長船がシュート。だがGK海堀が飛び出しセーブ。後半はベガルタがライン高く積極的に攻めてきて、好ゲーム。
 レオネッサは16分、田中陽子に代えて澤を投入。中島を左SHに上げる。すると24分、中島のクロスがDFに当たり、そのままゴールに吸い込まれる。ベガルタは不運な4失点目。だがベガルタが反撃する。28分、安本のポストから高良が右に展開。右SH井上のスルーパスに安本が抜け出しシュート。ネットを揺らすが安本がオフサイドの判定。残念。32分、右SB山本のクロスを澤がクリア。これをCH高橋がシュートするがCB甲斐がブロック。
 そして37分、右サイドから井上がドリブルで渡辺を抜いてクロスを入れると、ファーサイドから嘉数がシュート。ベガルタがようやく1点を返した。しかしレオネッサはアディショナルタイム3分、CB田中明日菜の正確な縦パスに途中交代の仲田が抜け出し、クロスを南山がヒールでコースを変えて澤が飛び込む。GKと交錯するがボールはゴールに転がり込む。5点目を挙げてタイムアップ。さすがのプレーでレオネッサが5-1と圧勝した。
 ベガルタは前半レオネッサをリスペクトし過ぎ。前半からもっと積極的に攻撃していれば、結果がどうなったかわからない。後半の再戦に期待しよう。レオネッサの道上と田中陽子は技術は見せたが、堅い守備ブロックの前にもう一つ活躍ができなかった。澤やチ・ソヨン、南山、田中明日菜らの円熟振りが際立ったゲームだった。