とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

W杯準決勝 クロアチア対イングランド

 25歳以下の選手が7人。若いチームでベスト4まで進出したイングランド。準決勝の相手はモドリッチマンジュキッチなど、ベテラン勢がチームを引っ張るクロアチア。グループリーグは3連勝と危なげなく決勝トーナメントに進出したが、その後は2戦続けての延長PK戦。中3日のゲームが続くのはさすがにきついはず。両チームとも今大会のほぼベストメンバーが先発。クロアチアはブロゾビッチとラキティッチボランチに並び、モドリッチがトップ下に入った。

 キックオフまもない前半5分、右IHリンガードのパスから左IHアリが仕掛けたところをOHモドリッチが倒す。PA手前のFKを右WBトリッピアが直接狙うと、壁の上を越えてゴールに飛び込んだ。イングランドが先制点を挙げる。クロアチアはまだゲームに十分入り切っていなかった感じ。イングランドは14分にも右WBトリッピアのCKにCBマグワイアがヘディングシュート。クロアチアの選手たちはどこか身体が重い印象。やはり2試合続けての延長戦が堪えているか。

 19分、左SHペリシッチミドルシュートクロアチア最初のシュートか。21分には右SHレビッチ。23分にも左SHペリシッチミドルシュートを放つが、これまでのようなパスワークが見られない。イングランドは30分、右IHリンガードのスルーパスにFWケインが抜け出してシュート。GKスバシッチがファインセーブを見せた。クロアチアも31分、OHモドリッチの戻しから右SHレビッチがクロス。CBストーンズのクリアをレビッチがミドルシュート。だがGKピックフォードがキャッチする。それでも前半も30分を過ぎると次第にイングランドのプレスも弱まってきて、クロアチアがパスを回すシーンが増えてきた。1-0。前半はイングランドがリードのまま折り返した。

 後半11分、FWスターリングの落としを右IHリンガードがミドルシュート。後半はクロアチアがパスを回して攻めるが、焦りもあってか、なかなか決定機を作れない。ミスも多い。だがイングランドもそれほど前から攻めてくるわけでもない。膠着した感じで時間が過ぎていく。20分、クロアチアは右SBブルサリコの縦パスにOHモドリッチが走り込み、クロスのこぼれを左SHペリシッチミドルシュート。右CBウォーカーがブロックする。

 そして23分、右SBブルサリコのアーリークロスに左SHペリシッチが右WBトリッピアのマークを振り切って、ヘディングでクリアをしようとする右CBウォーカーの前に足を伸ばす。ゴール。クロアチアが同点に追い付いた。これで勢いが増すクロアチア。27分にはCHラキティッチのルーズに放り込んだフィードに右SHレビッチが走り込み、DFのクリアを左SHペリシッチミドルシュート。ポストを叩く。さらにこぼれ球をレビッチがシュート。しかしこれはGKピックフォードがキャッチした。

 28分にはOHモドリッチのショートCKからブルサリコがクロス。CHブロゾビッチがミドルシュートを放つ。イングランドは29分、FWスターリングに代えてラッシュフォードを投入。クロアチアは38分、CHブロゾビッチの縦パスをCFマンジュキッチが胸トラップからシュート。これはGKピックフォードの正面。39分には右SHレビッチのクロスを左SHペリシッチがヘディングで折り返し、GKピックフォードのクリアをペリシッチがシュート。バーの上を越えた。イングランドもようやくアディショナルタイム47分、右WBトリッピアのFKにFWケインがヘディングシュートを放つが、枠の外。結局1-1のまま、クロアチアにとっては3戦連続の延長戦に突入した。

 延長戦の頭からイングランドは左WBヤングに代えてローズを投入。疲れているのはイングランドの選手のように見える。逆にクロアチアは120分の戦い方にしっかり慣れてきたかのよう。それでも延長前半5分、左SBストリニッチが足を攣ってピバリッチと交代する。イングランドも7分、CHヘンダーソンに代えてダイアーを投入。8分、左WBローズのクロスを右IHリンガードが落とし、CHダイアーがミドルシュート。続くトリッピアのCKをCBストーンズがヘディングシュートするが、ライン上で右SBブルサリコがヘディングでクリア。

 クロアチアは11分、右SHレビッチに代えてクラマリッチを投入。するとアディショナルタイム16分、OHモドリッチの縦パスに左SHペリシッチが走り込み、クロスに右SHクラマリッチがシュート。さらに17分、左SHペリシッチのクロスにCFマンジュキッチがシュート。GKピックフォードがナイスセーブする。延長戦は後半に入った。

 後半3分、CHラキティッチのCKにCHブロゾビッチが走り込み、ミドルシュート。だが枠を捉えられず。そして4分、左SBピバリッチのクロスをDFがクリア。ルーズに跳ね上がったボールを左SHペリシッチがヘディングでゴール前に落とすと、CFマンジュキッチが走り込んでシュート。ネットを揺すった。勝ち越し点。イングランドのDF陣の動きが止まっていた。

 追い付きたいイングランドは延長後半7分、右CBウォーカーに代えてFWバーディーを投入。クロアチアも10分、足を攣って動けないCFマンジュキッチに代えてCBチョルルカを投入。守りを固める。一方、イングランドも右WBトリッピアが腿裏を痙攣させ、プレーができない。その後は一人少ない戦いを強いられる。アディショナルタイムは4分。何とかクロアチアが守り切ってタイムアップ。2-1。クロアチアが延長戦の末、初めての決勝進出を決めた。

 それにしてもすごい試合。クロアチアは試合序盤から明らかに動きが重く、先制された後は追い付くのも難しいと思われたが、同点に追い付くと、その後はクロアチアが攻め続けた。そして延長戦で勝利する。何というスタミナ。そして何というテクニックか。だが、決勝戦の相手はフランス。さすがにこれは疲れた身体には手強すぎる。クロアチアの気持ちがどこまで持つか、いつまで守り切れるか。先制すれば面白いかも。いずれにせよ泣いても笑っても最後のゲーム。きっと楽しいゲームになるだろう。一応、3-0でフランスの勝利と予想しておこうかな。