とんま天狗は雲の上

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J1リーグ第25節 名古屋グランパス対FC東京

 前節、俊足FW仲川に再三DFラインを破られ、5-1で完敗したグランパス。今節の相手は快足FW永井を擁する首位FC東京。2015年以来勝利なしという対戦成績に加え、宮原は前節のレッドカードで出場停止、吉田はケガ。そして和泉まで当日になっての発熱で欠場とゲーム前から不安材料が重なった。対するFC東京は2試合勝ちに見放され、このゲームがアウェイ8連戦の2試合目。しかし試合内容が悪いわけではない。ここでしっかりと白星を加えて、2位以下を離しておきたいところ。

 グランパスは欠場選手の影響もあってか、3-4-3の布陣。FWはジョーをトップにシェビエルと長谷川がシャドーに入り、中盤はいつものシミッチとエドゥアルド・ネット。右WBにはリーグ戦初出場の18歳、成瀬。左WBには太田宏介が入る。CBは右から中谷、丸山、そして同じく18歳の藤井。GKはランゲラック。対するFC東京はいつもの4-4-2。室屋が体調不良から戻り、右SBに入った他は前節と同じ先発だ。

 序盤はお互い厳しくプレスをかけ合い、中盤での厳しい闘いが続く。15分、CHエドゥアルド・ネットからCH橋本がボールを奪い、FW永井がドリブル。何とかCB中谷が止めたが、FC東京のカウンターは怖い。グランパスもようやく18分、FW長谷川がカウンターでボールを運び、CH橋本にファールで止められる。このFKをFWシャビエルが蹴るが、GK林がナイスセーブした。このまま互角で進めればどこかに勝機が、と思っていたが、それを掴んだのは逆にFC東京。29分、FW永井が蹴り出したボールにカウンターで左SH東が前に運ぶと、右へFWディエゴ・オリベイラに流す。必死で付いていったCB藤井が最後にスライディングを試みる。足はボールに届いたと思ったが、ディエゴ・オリベイラも一緒に倒れて、主審はPKを宣告した。今のグランパスには厳し過ぎる判定。ディエゴ・オリベイラの蹴ったPKはGKランゲラックがいったんは止めたものの、はね返りをオリベイラが落ち着いて蹴り込み、FC東京が先制点を挙げた。

 グランパスも36分、CHエドゥアルド・ネットの縦パスをCFジョーがきれいな反転からループ気味にGKの頭を越えるシュート。だがバーも越えていった。38分にもFW長谷川の縦パスからCFジョーが反転シュートを放つが、これはDFがブロック。グランパスは中央突破ばかりを狙うが、FC東京の堅い守備は崩せない。前半はこのまま1-0で折り返した。

 後半最初からグランパスは右WB成瀬に代えて前田を投入。FC東京も右SH大森を三田に交代した。後半3分、左SH東のクロスにFW永井がヘディングシュート。後半もFC東京が優勢。そして4分、左SH東の縦パスに走り込んだFW永井がゴール前に流して、CH高萩がシュート。きれいにFC東京が追加点を挙げた。グランパスは9分、早くも二人目の交代。FW長谷川に代えてFW赤崎を投入。布陣も4-4-2に変更する。右SBに藤井、左SBには太田。

 しかしFC東京の攻勢は変わらない。10分、CH高萩の縦パスにFW永井がDFラインを抜けて走り込み、落としをFWディエゴ・オリベイラがシュート。これは枠を捉えられなかった。グランパスも16分、FW赤崎から左に流し、左SB太田の落としからCHシミッチが縦パス。CHエドゥアルド・ネットがヘディングシュートを放つが、枠を外した。FC東京も18分、CH高萩の縦パスをFW永井が落とし、右SH三田がミドルシュート。GKランゲラックがファインセーブする。しかしこの時のプレーで右足を痛めたか、21分にはランゲラックを下げてGK武田を投入。早々と3人の交代枠を使い切ってしまった。

 FC東京は23分、FWディエゴ・オリベイラがグイグイと力強くドリブルで突き進むと、クロス、GK武田がはね返すが、そこにFW永井が走り込みボールに触る。ゴールはならなかったが、ボールへの執着心が違う。グランパスも25分、左SB太田宏介のクロスにCFジョーが合わせてネットを揺すったが、これはオフサイドグランパスの攻撃はなかなか形にならない。FC東京は35分、左SH東をナサンホに交代。そして38分、グランパスは右SH前田が得意のカットインからミドルシュートを放つと、GK林の手を抜けてゴールに転がり込む。ようやくグランパスが1点を返した。FC東京は直後、FW永井をジャエルに交代する。

 1点差に追い付いたグランパスはその後必死に攻める。44分には右SH前田のクロスにFWジョーがヘディングシュート。だがDFのマークが厳しく、シュートは枠に入らない。アディショナルタイムの45+2分には左SB太田宏介のCKをCHシミッチがフリックして、FWジョーが足を伸ばす。しかし触りはしたが、強いシュートは打てない。そしてタイムアップ。2-1。FC東京は快勝した。

 結局、ディエゴ・オリベイラの推進力と巧さ、そしてFW永井の快足ぶりにやられた。グランパスはCH陣がどうしても攻撃に気が向いて、FC東京の中盤、CH橋本にボールを奪われ、CH高萩からDFラインの裏にいいパスが供給され、決定機を作られる。特に運動量の落ちる後半には守備の緩みが顕著。これでは前半のうちによほどリードしないと勝つのは難しい。ましてや先制点を与えたら、そのままズルズルといってしまう。その典型的なゲーム。これではダメだ。依然9位とはいうものの、15位ベガルタとの勝ち点差はわずか3。降格圏内の17位山雅との勝ち点差は8。まったくうかうかしていられない。そろそろ風間監督の休養も考えていいのではないか。