とんま天狗は雲の上

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J1リーグ第1節 鹿島アントラーズvs.清水エスパルス

 昨日はJリーグ開幕戦のうち、8ゲームが開催された。当初はヴィッセル対ガンバの阪神ダービーを観ようと思っていたが、その前に、アントラーズエスパルスに逆転負けしたというニュースが入ってきた。解説者による今季J1の順位予想フロンターレと伍して評価の高いのがアントラーズ。一方、エスパルスは昨季16位。降格が4チームに増える今季は厳しい降格争いかと思っていたが、ロティーナ監督に代わって意外に評価が高い。するとさっそく開幕戦で優勝候補を倒す番狂わせ。どんなゲームだったのか、さっそくDAZNで観戦した。

 アントラーズの布陣は4-4-2。エヴァラウドと上田綺世の2トップに、右SHファンアラートと左SH土居が左右に開く。ボランチ三竿健斗と永木。DFは右SB小泉慶に左SBは永戸。町田と犬飼でCBを組み、GKは若い沖が守る。レオシルバはコロナ感染で欠場している。対するエスパルスの布陣は4-3-3。チアゴサンタナをトップに、右WGにFC横浜から移籍の中山、左WGにはカルリーニョス・ジュニオ。中盤は竹内をアンカーに、左IH中村慶太。ギガヴァンツから移籍のディサロ燦シルヴァーノは右IHに位置する。DFは、右SBにサガンから移籍の原輝綺、左SBはセレッソから移籍の片山。CBもトリニータから加入の鈴木義宣がヴァイドと組む。GKはポルトガルから帰ってきた権田が守る。実に11人中、7人が新加入の選手だ。

 序盤はアントラーズが攻めていく。9分にはCKの流れから、永戸のクロスをCB犬飼が競って、こぼれ球をFW上田がオーバーヘッドシュート。枠は外したが、序盤からFW上田がよくボールを触る。その後もアントラーズが攻めるが、ゴール前を堅固に守るエスパルスに次第にゲームは互角の展開になっていく。24分には右WG中山のクロスにCFチアゴサンタナがシュート。オフサイドになったが、左右のWGに加え、右IHディサロもゴール前に入ってきて、けっこう攻撃的だ。

 それでも30分には右SHファンアラーノのクロスをFWエヴァラウドがヘディングシュート。GK権田がファインセーブ。こぼれ球を左SH土居がシュートするが、ポストにはね返された。アントラーズは惜しいチャンスを逃す。一方、エスパルスも35分、左IH中村慶太がドリブルで運び、左WGカルリーニョスのクロスに右WG中山がシュート。枠は外したが、カウンターはなかなかの脅威だ。守備もしっかりしている。アントラーズは45+1分、右SB小泉のクロスに左SH土居がヘディングシュートするが、枠を外す。前半はスコアレスで折り返した。

 後半も互角の展開。開始1分、左SH土居がミドルシュートを放つと、エスパルスも3分、右IHディサロがミドルシュート。9分、FW上田から左に展開。CB町田のクロスをDFがクリアしたこぼれ球を左SH土居がシュート。今度はバーにはね返された。その後は膠着した展開が続く。すると18分、アントラーズは右SHファンアラーノに代えて荒木。エスパルスも右IHディサロを下げて後藤を投入する。19分、左IH中村がミドルシュート。20分、FW上田がミドルシュート。21分には右SH荒木のクロスにFWエヴェラウドがバックヘッド。お互いなかなか決定機は作れない。26分には右SB小泉のクロスにFWエヴァラウドがオーバーヘッドシュートを放つが、やはり枠を捉えられない。

 すると29分、エスパルスは左IH中村に代えて河井を投入。しかし30分、アントラーズは左サイドから左SH土居が持ち上がり、中を走るFW上田にパス。これをCBヴァウドが簡単にクリアしてCKを与えると、左SB永戸のCKにFWエヴェラウドがヘディングシュート。バーにはね返されるが、右SH荒木が押し込む。アントラーズが先制点を挙げた。ヴァウドの淡白なクリアが気になったが・・・。しかしその直後の32分、左WGカルリーニョス・ジュニオから左に流すと、左IH河井がクロス。右WG中山がゴール前に立つCFチアゴサンタナにパスを入れると、CB町田を背負ったまま向きを変え、股下を抜くシュート。エスパルスがすぐに同点に追い付いた。

 36分、アントラーズはCH永木に代えて白崎を投入。37分にはCH三竿のクロスをFWエヴァラウドがヘディングで落とし、CH白崎がシュート。しかしポストの右。そして38分、エスパルスは右IH後藤から右に展開。右SB原が中に戻すと、CH竹内から左IH河井、さらに左WGカルリーニョスと左へ展開していく。そしてカルリーニョスのクロスに右IH後藤が飛び込み、ヘディングシュート。エスパルスが逆転ゴールを挙げた。右から左へ大きくサイドを広がる攻撃にアントラーズの中央がぽっかり空いた。

 逆転を目指すアントラーズは42分、CKの前に永戸に代えて左WB広瀬、小泉に代えて右WG松村、土居に代えてOH遠藤を投入。布陣は3-4-1-2。だが河井のCKにニアで右SB原がヒールで逸らせると、FW上田に当たってゴールに飛び込む。エスパルスが3点目。ちなみに録画で見ると、原は空振っていたみたいだ。その後はエスパルスがしっかり守る。アディショナルタイムには左WG金子を投入。GK権田もしっかり時間を使って、そしてタイムアップ。3-1。エスパルスが逆転で勝利した。

 昨季の順位からすれば番狂わせだが、今季のエスパルスは昨季のエスパルスとは違う。何より守備がしっかりしているし、ワイドにWGが張る布陣は攻撃力も高い。寄せ集めの選手たちを指導し、わずかな期間でこれほどまでまとめ上げたロティーナ監督の手腕はさすが。解説者の評価が高いのも納得。今季はエスパルスに限らず、多くのチームが積極的な補強を行い、昨季とは違うチームに生まれ変わっている可能性が高い。昨日はサガンヴィッセルも勝利した。昇格組のアビスパと対戦するグランパスも気を許せない。今年も楽しいサッカーの季節がやってきた。