とんま天狗は雲の上

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J1リーグ第1節 川崎フロンターレvs.横浜F.マリノス

 いよいよJリーグが開幕した。他のゲームよりも1日早く、金曜日にオープニングゲームが開催されるのは1993年のJリーグ開幕を思い出させる。カードは昨季王者のフロンターレと一昨年王者のマリノス富士ゼロックススーパー杯では勝負強さを見せたフロンターレだが、マリノス相手にはどんなゲームを見せるのか。今季のフロンターレを占うゲームでもある。そのフロンターレの先発だが、先週のスーパー杯と全く同じメンバーを揃えてきた。一方、マリノスは左SBティーラトンがボランチの横に陣取る変則的な布陣。守る時は4-2-3-1。オナイウ阿道をトップに、トップ下に天野が入り、右SH中川、左SHには高卒ルーキーの樺山が入る。ボランチは扇原と和田。右SBに岩田、左SBティーラトン。CBは畠中とチアゴ・マルチンスで守り、GKにはオビンナ。ただし攻撃時はティーラトンが上がり、3-3-3-1のような形になる。

 序盤、マリノスが積極的に前から攻めていく。6分にはOH天野の縦パスをCFオナイウ阿道が肥立ちに流し、左SH樺山の戻しをOH天野がシュート。しかしフロンターレも前からプレスをかける。7分、右IH脇坂がミドルシュート。12分にはCFレアンドロ・ダミアンのパスから左WG三苫が仕掛けて、シュート。GKオビンナがファインセーブで弾き出す。その後はフロンターレのプレスにマリノスがうまくパスを繋げなくなる。16分、右IH脇坂がミドルシュート。それでも18分には左IH田中碧に右SH仲川がプレスをかけてボールを奪うと、左SH樺山のパスからOH天野がミドルシュートを放つ。

 攻めの意識を持ってよくがんばっていたマリノスだったが、21分、フロンターレが右サイドから仕掛けると、右IH脇坂のパスに右SB山根が内側をPA内へインナーラップして、ヒールで落とすと、右WG家長がボレーシュート。鮮やかな連携でフロンターレが先制点を挙げた。山根の走り込みが見事。もちろん家長のシュートもビューティフルだった。

 32分にはCBチアゴ・マルチンスの縦パスを右SB岩田が収めきれず、前にこぼすと、すかさず左WG三苫が奪って、縦パスを受けたCFレアンドロ・ダミアンのクロスを右WG家長がシュート。前からのプレスも厳しければ、奪った後の連携もすばらしい。36分にはCKの守備から右IH脇坂が縦に送ると、左WG三苫がドリブル。右WG家長が右に流すと、左IH田中碧がミドルシュート。カウンターからも流れるように攻撃がつながる。

 マリノスは若い左SH樺山が奮闘。39分には左サイドから仕掛けて、DF二人を抜くと、ゴール前にクロスを入れるが、誰もいない。37分、左WG三苫ミドルシュートはGKオビンナがファインセーブ。38分、左IH田中碧のミドルシュートもGKオビンナがナイスセーブ。42分、右IH脇坂のCKからCFレアンドロ・ダミアンがシュートするも、枠を外す。そして43分、右サイドを抜け出した田中碧が高速クロス。これに右WG家長がしっかり合わせてヘディングシュート。これが決まり、フロンターレが追加点を挙げた。マリノスアディショナルタイム、OH天野のCKにCFオナイウ阿道がヘディングシュートするも、GKチョンソンリョンがナイスセーブする。前半は2-0、フロンターレがリードして折り返した。

 後半最初、マリノスは樺山に代えてFW前田大然。CH扇原に代えて右SH水沼を投入。仲川を左SHに回し、天野をボランチ。4-4-2の布陣に変更する。そして序盤から攻めるマリノス。10分、CFオナイウ阿道の縦パスから右SH水沼がミドルシュートを放つも、DFがブロック。14分、CH天野のクロスのこぼれをCFオナイウが落として、CB畠中がシュート。だがこれもDFにブロックされる。17分、CH和田のミドルシュートはGKチョンソンリョンがキャッチ。18分、CFオナイウ阿道のシュートは左ポストを叩いた。

 攻めるも決定的なシーンは作れない。すると19分には左WG三苫の縦パスにCFレアンドロ・ダミアンミドルシュート。GKオビンナがナイスセーブで弾き出すが、フロンターレの方がシュートも早く、ゴールに近い。フロンターレはその直後、CHシミッチを下げて右IH橘田を投入。田中碧をアンカーに下げる。26分、右WG家長のクロスに左WG三苫が抜け出し、左に持ち出してシュート。DFがクリアする。

 28分、マリノスは右SB岩田に代えて松原、左SBティーラトンに代えて高野と両SBを交代する。31分、フロンターレもCFレアンドロ・ダミアンを下げて小林悠、脇坂を下げて左SBに車屋を投入する。旗手を右IHに上げた。35分、右WG家長のミドルシュートはサイドネット。マリノスも37分、右SH水沼のクロスに走り込んだCH天野には届かなかったが、左SH仲川がシュート。しかし枠を捉えられない。その後もマリノスが積極的に攻めていくが、マリノスの守備は崩れない。43分には左WG三苫に代えて長谷川、右WG家長に代えて知念を投入。マリノスもCH和田に代えて渡辺皓太を投入するが、ゲームは動かず。そのままタイムアップ。2-0で2021年Jリーグ開幕戦は昨年王者のフロンターレが危なげなく勝利。連覇へ最初の一歩を刻んだ。

 攻撃サッカーを縹渺するポステコグルー監督率いるマリノスは変則的な布陣を組んで終始攻撃的に臨んだが、フロンターレはそれを上回る積極的なプレスを前から仕掛けて、マリノスの後方からのパスを遮断。自陣に押し込んでショートカウンターから持ち前の連携でゴールと、昨年同様のオートマティックでアグレッシブなサッカーを見せつけた。今年もフロンターレが優勝候補の筆頭であることは変わりない。一方で、後半、フロンターレの運動量が落ちた時に、高い位置でボールを奪っての早い攻撃には可能性がある。ただしそれまで失点しないことが条件。そこまでの守備力を持つチームと言えば・・・やはりグランパスかなあ。今季もフロンターレを中心にJリーグが進んでいくことは間違いない。コロナ禍の下、無事、シーズンが終わることを祈りたい。今季も楽しいリーグを期待したい。