とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

ワクチンクーポン券は来たけれど。

 先週、わが家にも新型コロナウイルスのワクチンクーポン券が届いた。私も妻もまだ64歳だが、今年度中に65歳になる人は、すなわち同学年であれば一律に高齢者枠扱いにするということのようだ。私など、先日64歳になったばかりなのに。それによれば、まずはクーポン券を送っただけで「予約申込等の方法は別途、後日案内する」と書かれていた。「まあ、そうだよな」と思ったら、何と翌日、予約方法の案内が送られてきた。早い。

 案内によれば、わが市の高齢者数は8万人余に対して、配布されたワクチンの量は2回接種で960人分。そこで、わが市では抽選方式にするそうで、希望者はインターネットまたは電話で申し込みをするという仕組み。ちなみに、接種会場と2回の日時はあらかじめ決まっており、申込時に4つの選択肢から選ぶことになる。早くて4月中旬から1回目の接種が始まり、近くの会場の2回目接種は5月末となる。「必ず摂取できる日時を選択してください」と書かれている。確かに、ドタキャンなどされたら、貴重なワクチンが余ってしまう。

 八王子市は先着順にしたところ、予約が殺到し、わずか90分で受付終了になってしまった。それを思えば、抽選方式というのはわからないでもない。ちなみに予約申込期間は6日間あるが、初日だけで約1万人が予約申込をしたとのこと。さぞかし電話やインターネットは混みあったことだろう。県内でも抽選方式は珍しく、名古屋市では中区の80歳以上と対象人数を絞っての先着順。他でも、より高齢の人を優先にする市町村が多いようだが、接種を希望しない人もいるだろうし、貴重なワクチンを余さず接種するためには、接種者をどう選定し、特定するかというのは難しい課題だ。高齢になればなるほど、予約申込も難しそうだし、一人暮らしや高齢者のみの世帯は最初のワクチン接種からは排除されてしまうかもしれない。もっともそうした世帯は、若者との接触機会が少なく、感染リスクは低いかもしれないが。

 わが家のように、実際は65歳になっていないような者は、より高齢でワクチン接種を希望する方に譲るべきかもと思ったが、「どうせ当たらないから、申し込んでみたら」なんて悪魔の囁きもあり、「妻は病気のこともあるし」と思って、妻だけ申し込むことにした。二人申し込んで、私だけが当選したら、譲ることはできないだろうし、何か申し訳ないような気がしたので。「2回目の接種後に副反応があると、仕事に支障がある」というのも理由の一つ。

 予約案内の中に、接種時の「予診票」が同封されており、質問事項の中に「現在、何らかの病気にかかって、治療(投薬など)を受けていますか。」という項目があり、さらに「その病気を診てもらっている医師に今日の予防接種を受けてよいと言われましたか。」という質問項目があった。たまたま予約開始日が定期的に通院しているクリニックの通院日だったので、医師に「ワクチン接種してもよいか」と尋ねたところ、「接種は支障ないが、今回の市の対応はあまりに拙速だ」と批判をされた。その医師によれば、「コロナ対応をしている市民病院などの医療関係者は既にワクチン接種をしているが、我々のような小規模の医療機関には全く案内がない。一方で、ワクチン接種が本格化した時には、かかりつけ医が接種できるようにすると聞いており、私も登録をしたところだ。高齢者と同時に、医療従事者も優先的・先行的な接種を進めるべきではないか」とのこと。今回の抽選による優先接種は特定の会場で、既にワクチン接種を受けた医師等が接種をするのだろうが、次の段階には医療従事者を優先的に接種するのだろうか。そのあたりの方針も明らかになっておらず、不満を感じている様子だった。

 加えて、受診が終わり、会計を待っている間に、他の高齢者が来院し、予診票を見せて、「ワクチンの予約申込をしていいか」と訊いていた。予約申込時に予診票は不要だが、万一当選した後で「かかりつけ医に『接種不可』と言われたら困る」と考えることは当然想定できる。事前にクリニック等への案内はなかったようなので、市内の他の医療機関でもこの種の問い合わせが殺到し、困惑したのではないかと危惧する。

 さて、昨日で申込期間が終わったが、どれだけの人が申し込んだのだろうか。「抽選に外れたら当院で接種してあげるし、大勢が一つの会場に集まるよりもその方が感染リスクは低いから、抽選に当たらなくても気にしないで」と医師は言っていたが、それも一理ある。そう言えば、わが社には6月に転勤を予定している人がいて「自分のワクチン接種はどうなるのか」と心配していた。確かにそういう人もいるだろう。ワクチン接種が始まれば始まったで相変わらずのバタバタ騒動。今年も新型コロナには色々と楽しませて、もとい、騒がせてもらえそうだ。やれやれ。何だかな。