とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

キリンチャレンジカップ2022 日本vs.アメリカ

 W杯の選手選考前、最後の代表戦となるキリンチャレンジカップがドイツで開催された。対戦相手はアメリカ。グループリーグでドイツ、スペインと対戦する日本としてはできればヨーロッパのチームと対戦したかっただろうが、なかなかこの時期、日本と対戦しようとする国も少なかっただろう。アメリカはFIFAランク14位。24位の日本よりは上位で、選考ラインぎりぎりの選手を見極めるというタイミングでは、あまりに強すぎる相手よりは良いのかもしれない。

 日本の布陣はこれまでで変えて4-2-3-1。大迫を絶対にできない状況の中では試しておくべき布陣だ。ワントップに前田大然。トップ下に鎌田。SHには右に伊東純也、左に久保。ボランチは守田と遠藤。DFは右SBに久しぶりに酒井宏樹が復帰し、左SBは中山。冨安と吉田でCBを組んで、GKは権田。対するアメリカの布陣は4-3-3。フェレイラをトップに、右WGアーロンソン、左WGレイナ。中盤はアダムスをアンカーに、右IHデラトーレ、左IHマッケニー。DFは右SBデスト、左SBヴァインズ。ロングとジマーマンのCBにGKはターナー

 前半序盤は互角の戦い。開始1分、CBロングのパスを右SH伊東がカットすると、そのままドリブルからシュート。アメリカも7分、左WGレイナから右に展開。右SBデストが駆け上がり、クロスにCFフェレイラがヘディングシュートする。しかし次第に日本のプレスが上回り、日本が攻める場面が増えてくる。11分、OH鎌田の落としからCH守田がドリブル。左に流して、左SH久保がミドルシュート。さらに13分、CBジマーマンから左IH久保がボールを奪うと、OH鎌田がシュート。GKターナーがナイスセーブ。続く鎌田のCKにCH遠藤がヘディングシュートを放つ。

 そして24分、CHアダムスのバックパスを右SH伊東が奪うと、ドリブルからCH守田が左に展開。これをフリーで左に開いたOH鎌田がミドルシュート。ネットを揺らす。しかし線審オフサイドの旗を上げる。確かにぎりぎりのタイミングだったが、VARの末、主審はゴールを認めた。日本が先制点を挙げる。34分にはCH遠藤から左に展開。左SH久保の仕掛けを右IHデラトーレが倒すと、PA手前でFKを得る。これを久保が直接狙うが、壁を越えたシュートはGKターナーがキャッチした。前半はここで終了。日本の1点リードで折り返す。

 前半序盤から日本の前からのプレスが早く、何度もパスカットし、チャンスを作っていった。後半最初からアメリカは4人の選手交代。デスト、ロング、フェレイラ、レイナを下げて、右SBキャノン、CBマッケンジー、CFサージェント、右WGモリスを投入する。アーロンソンが左WGに回った。サージェントはブレーメン時代の大迫のチームメイトだ。一方、日本も前田、酒井そして権田を下げて、CF町野、CB伊藤洋輝、GKにシュミット・ダニエルを投入する。冨安を右SBに回した。

 後半序盤はアメリカが攻める。しかし日本の守備は崩れない。特に右SH伊東が快足を飛ばして守備に貢献する。そして10分にはCH遠藤のパスから右SH伊東がシュート。しかしこれはGKターナーがナイスセーブする。続くCKを久保が蹴ると、そのまま右SHに入り、しばらく左右を入れ替えた。20分には左SH久保がCF町野と二人でCBマッケンジーにプレスをかけてボールを奪うと、久保が中へのドリブルから左へパス。OH鎌田がシュートを放つ。しかしGKターナーがファインセーブ。さすがアーセナルでプレーするだけある。そういえば前半、冨安が軽く笑みを漏らして挨拶をかわしていた。ちなみにこの後、日本のSHは左右を元に戻した。

 22分、アメリカはデラトーレとマッケニーを下げて、右IHティルマン、左IHカルドーソを投入する。日本も23分、久保と伊藤に代えて、左SH三苫、右SH堂安を投入。するとさっそく25分、右SH堂安から左に展開して、左SH三苫がシュート。DFがブロックする。31分には左SH三苫のドリブルはDFに止められたが、こぼれ球が左SB中山に転がり、そのままドリブル。クロスに右SH堂安がミドルシュートを放つ。GKターナーがわずかに触って、バーの上。ファインセーブ。

 アメリカも36分、CHアダムスの縦パスに左WGアーロンソンがシュートを放つが、前をCB伊藤に遮られて、ポスト右に外した。日本は38分、左WGアーロンソンをCH守田とCH遠藤で挟むと、遠藤が奪って左SH三苫がドリブル。外を走った左SB中山に渡すと、クロスにOH鎌田がシュート。しかしこれはポストの左。41分、日本は鎌田に代えて、右WB原口を投入。布陣を5-4-1にして守備を固める。そして43分、左サイドでボールを持ったSH三苫が仕掛けると、右SBキャノンを剥がし、CBジマーマンをかわしてシュート。ネットに突き刺さった。日本が追加点。そしてタイムアップ。2-0。前からのプレス、集中した守り。日本が良さを存分に出して快勝した。

 次は火曜日にエクアドル戦。W杯の第2戦、コスタリカ戦の予行演習だろうが、アメリカ戦同様、しっかりと勝ち切ってほしい。そして次は誰にチャンスが与えられるだろうか。相馬や上田の活躍を期待したい。旗手や古橋も見られるだろうか。柴崎はどうするのか。山根は?長友は? こう考えると、まだまだ見たい選手は多い。W杯の選手選考が楽しみになってくる。