とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

キリンカップ2022 決勝 日本vs.チュニジア

 ガーナに勝利し、決勝へ進出した日本。相手はチリを破ったチュニジア。参加した3チームともFIFAランクは日本よりも格下で、優勝して当然お相手だ。日本にとってはW杯本番に向けた選手選考の意味が強い。中3日が続いた4連戦の最後は、ガーナ戦から吉田と遠藤以外、9人を入れ替えてきた。

 布陣は4-3-3。FWはパラグアイ戦以来の浅野がワントップに入り、伊東と南野の両WGはブラジル戦と同じ。中盤はパラグアイ戦と同じく遠藤をアンカーに、右IH原口、左IH鎌田。CBは吉田と板倉で組んで、右SB長友、左SBには伊藤洋輝を起用した。GKはシュミット・ダニエル。対するチュニジアも同じく4-3-3。ケニシをトップに、右WGベン・スリマン、左WGムサクニ。中盤はライドュニをアンカーに、ロムダンとサシが左右のIH。DFは右SBドレーガー、左SBエラブディ。タルビとイファのCBにGKはダーメン。平均身長184.7cm。長身の選手が多い。

 開始4分、チュニジアがショートCKから右IHロムダンがクロス。左IHサシがヘディングでフリックしたシュートはわずかにバーの上に外れた。日本も6分、9分と、左SB伊藤洋輝の縦パスに左WG南野が走り込み、ゴール前にクロスを入れるが、人数はチュニジアDFの方が多く、クリアされる。しかし序盤は日本の方がパスを回して攻める展開が多い。チュニジアはプレッシングからショートカウンターで攻め、積極的にシュートを放っていく。15分、右IHロムダン。21分、CBイファ。23分にはCKのクリアを右SBドレーガーがミドルシュートを放つ。しかし枠には飛ばない。

 一方、日本はようやく28分、左IH鎌田のFKのはね返りを左WG南野がシュート。だがうまく足に当たらない。なかなかゴール前でいい形が作れない日本は30分以降、鎌田と原口の位置を入れ替え、鎌田がかなり高い位置を取るようになる。35分にはチュニジアDFの縦パスを右SB長友がヘディングで前に返すと、右WG伊東がドリブル、絶好のクロスにファーで左IH鎌田がフリーになったが、これもシュートが足に合わない。38分過ぎには鎌田と原口の位置を再び元に戻した。

 39分、右WG伊東が右IH原口とのワンツーで抜け出すと、再びゴール前に絶好のクロス。飛び込んだCF浅野だったが、わずかに届かず。42分、CB板倉のフィードに飛び出した左WG南野が絶妙のトラップで収めて、GKの枠を抜けるシュートを決めるが、これはオフサイド。前半は30分以降、日本が攻めたが、ゴールならず。そのままスコアレスで折り返した。

 日本は後半の頭、原口を下げて、田中碧を投入する。序盤は田中が左IHに入り、鎌田が右IHに位置する。この方が左SB伊藤の攻め上がりが容易で、かつ南野がゴールに近い位置でプレーできる。2分、左SB伊藤のクロスを右WG伊東が折り返すが、ゴール前で合わせる選手はいない。すると10分、右WGベン・スリマンが左SB伊藤をかわして縦パスを出すと、CFケニシが抜け出す。後追いとなったCB吉田がPA内で足をかけてしまった。PK。これを右IHロムダンが決めて、チュニジアが先制点を挙げた。吉田、痛恨のミス。

 その後、日本が攻める。13分には右IH鎌田の縦パスを左WG南野が右へ展開。右WG伊東のクロスにCF浅野がオーバーヘッドシュート。しかし枠は捉えられない。15分、日本は鎌田と浅野を下げて、左WGに三苫、CFに古橋を投入する。これで南野はトップ下。田中と遠藤を並べる4-2-3-1の布陣を取る。18分、伊東のCKにCB吉田がヘディングシュートするも、DFがブロック。何としても追い付きたい日本は26分、南野と伊東に代えて、OH久保と右SH堂安を投入する。しかし31分、GKダーメンのフィードにCB吉田の動きが緩慢なところを、左WGムサクニが奪い、落としを左IHサシがシュート。チュニジアが追加点を挙げた。CB板倉とGKシュミット・ダニエルとのお見合いをしてしまった感じだ。これも痛恨の連係ミス。

 チュニジアは直後の32分、ようやく最初の選手交代。ケニシとロムダンを下げて、CFジェバリと右IHメジブリを投入した。34分、OH久保のFKはポストの左。36分、右SH堂安のパスからCF古橋がシュートを放つが、DFがブロックする。37分、日本は右SB長友に代えて山根。38分、左WG三苫から大きく右サイドにサンドチェンジすると、右SB山根のクロスに三苫がシュート。だがこれもDFがブロックした。39分、チュニジアはムサクニを下げて、左WBにカイブを投入。布陣を5-4-1にして守備を固める。中盤はサシとライドュニのダブルボランチに、左SHメジブリ、右SHベン・スリマン。ワントップにジェバリ。

 必死に攻める日本だが、焦るせいか、かえって連携が悪くなる。逆に時間を使うチュニジア。そして45+3分、中盤でのこぼれ球をCHサシが拾ったところにCB吉田がチェック。だがこぼれたボールをCFジェバリが受けて、そのままドリブル。対応したCB板倉との距離が開いていると思ったら、ジェバリがミドルシュートを放った。ゴール。チュニジアがダメ押しの3点目。そしてタイムアップ。0-3。勝利を期待したゲームだったが、結果は完敗に終わった。

 これで4連戦は2勝2敗。もちろんDFのミスが敗因だが、それ以上にゴールを奪えなかった攻撃陣が情けない。鎌田と被る南野の起用法。右WG伊東のクロスに対して速さを誇るFW陣の組み合わせ。左SB伊藤の縦パスやクロスに対する攻め方。そしてこのゲームではCH遠藤が徹底的にマークされ、彼から有効なパスを出せなかった。CB吉田とペアを組むCBやGKの問題もある。多くの課題が浮き彫りになった。次は10月まで強化試合は組めないが、しっかりと整理して、W杯本番に向かいたい。