とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

FIFAワールドカップ2022 グループE第3戦 日本vs.スペイン

 グループリーグ最終戦。引き分けではドイツが2点以上のゴールを挙げて勝利をすれば、グループリーグの敗退が決まる。絶対勝利が必要。でも無理だろ。ゲーム前はそういう思いでいた。

 日本の布陣は3-4-3。前田をトップに、右FW久保、左FW鎌田。田中と守田のダブルボランチに、右WB伊東、左WB長友。CBは右から板倉、吉田、谷口。GKは権田。伊藤洋輝ではなく長友なんだと思ったが、右WBに伊東純也を起用したからにはそういう選択なのかもしれない。一方、スペインは4-3-3。モラタをトップに、右WGにニコ・ウィリアムズ、左WGダビ・オルモ。中盤はブスケツをアンカーに、右IHガビ、左IHペドリ。DFは右SBアスピリクエタ、左SBにバルデ。ハウ・トーレスとロドリのCBにGKはウナイ・シモン。ブスケツ、ガビ、ペドリは休ませるという報道もあったが、始まってみればしっかり3人とも先発だ。

 序盤、日本が積極的にプレスをかける。5分には右WB伊東の縦パスに右FW久保が走り込み、ゴール前にクロスを入れる。スペインも7分、右IHガビから右に流すと、右WGニコ・ウィリアムズが仕掛けてクロス。こぼれ球にCHブスケツミドルシュートを放つ。日本も8分、CHブスケツにCF前田がプレスをかけると、左にはたいたボールを右FW久保が拾い、縦パス。これがDFにクリアされたが、左FW鎌田が拾い、右へ展開。右WB伊東がシュート。だがポスト右に外れた。

 しかしそこからスペインが押し返していくと、9分、ショートCKから左WGダニ・オルモがクロス。CFモラタがヘディングシュートを放つ。GK権田がキャッチする。しかし11分、右サイドから右WGニコ・ウィリアムズが戻したボールに左FW鎌田の詰めが甘い。すると右SBアスピリクエタが余裕を持ってクロス。ゴール前でCFモラタが合わせた。ヘディングシュート。スペインが先制点を挙げた。鎌田の動きが悪い。その後、左SB長友が鎌田に対して厳しく声をかけている場面が映し出された。

 でもスペインの攻撃が続く。23分、CBロドリから左IHペドリとつないで、右IHガビが縦パス。CB谷口に当たって少しコースが逸れたが、CFモラタが走り込みシュート。GK権田がキャッチする。24分には右SBアスピリクエタがドリブルで持ち上がり、縦パスにCFモラタが抜け出し、横パスを左WGダニ・オルモがシュート。CB板倉がブロックした。日本も36分、東サイドでゲームを作ると、サイドを変えて、右CB板倉から縦パス。右WB伊東がキープして、落としをFW鎌田がシュートする。これはCBハウ・トーレスがブロックした。

 その後もスペイン・ペースでゲームは進む。終了間際、CB板倉に続いて、CB谷口、さらにCB吉田がイエローカードをもらう。厳しい判定。前半はこのままスペインの1点リードで折り返した。

 すると後半最初から日本は久保と長友を下げて、右FW堂安と左WB三苫に交代する。スペインも右SBアスピリクエタをカルバハルに交代。後半、序盤からプレスをかける日本。そして3分、右SBカルバハルに左WB三苫がプレスをかけると、CBロドリにも三苫がプレス。GKウナイ・シモンに対してもCF前田がプレスをかけると左SBニコ・ウィリアムズには右WB伊東が競り合う。こぼれ球を拾った右FW堂安がカットインからミドルシュート。これが決まった。日本が同点に追い付いた。さらに6分、右WB伊東からCH田中碧とつなぎ、右FW堂安がクロスを入れると、ゴールを通り過ぎたボールに左WB三苫が追い付いて折り返す。このパスをCH田中碧が押し込んだ。ゴール。だが三苫の折り返しはラインを割っていたか。VARで確認の上、主審はゴールを認めた。日本が逆転だ!

 スペインは12分、モラタとニコ・ウィリアムズに代えて、CFアセンシオと右WGフェラン・トーレスを投入する。アセンシオが広い範囲を動き回り、日本の守備を揺す振る。日本は17分、前田を下げて、CF浅野を投入した。前線からの守備の強度を保ち、ゴールを貪欲に狙う。さらに23分、スペインはガビとバルデに代えて、左SBアンス・ファティと左SBジョルジ・アルバを投入。アセンシオも右SHに出して、FWにダニ・オルモとフェラン・トーレスが上がる。日本も24分、鎌田に代えて冨安。どこに入れるのかと思ったら、3バックはそのまま、右WBに入る。伊東が左FWに入った。伊東と三苫が並ぶ左サイドも強烈だ。

 25分にはCHロドリから右サイドへのパスを左WB三苫がカットし、ドリブル。クロスにCF浅野が駆け上がるが、シュートはうまく当たらず、右に外れた。とこの時、コスタリカがドイツを逆転し2-1となったとの報が入る。このまま行くと、なんと日本とコスタリカが勝ち抜け。すごいと思ったが、しばらくしたらドイツが同点に追い付いた。38分には左WB三苫の突破で得たFKを右FW堂安が蹴って、CB板倉がヘディングシュート。これはGKウナイ・シモンにキャッチされた。

 続いて、ドイツが1点取って、再び勝ち越したという方が入る。待てよ? するとどうなるんだ? と勝ち点計算をするが、このまま終われば日本が決勝トーナメントに上がるが、万一スペインに同点に追い付かれれば、ドイツが勝ち抜け。絶対、守り切れ。その後は痺れるような時間が続く。

 42分には田中碧を下げて、CH遠藤を投入。守備を固める。44分、右SHアセンシオがミドルシュート。GK権田が弾いたが、CB吉田が間一髪クリア。45分にはFWダニ・オルモがFWフェラン・トーレスとのワンツーで抜け出し、シュート。だがGK権田がキャッチする。アディショナルタイムは7分。長い。だがスペインもなかなか攻め手がみつからない様子。45+6分、FWダニ・オルモがミドルシュートを放つも、ポストの左。大きくクリアを繰り返す日本の守備。そして主審の笛が鳴った。2-1。日本が逆転勝利を飾り、決勝トーナメント進出を決めた。

 すごい! ドイツとスペインを破っての決勝トーナメント進出。死のグループと言われたが、これは日本にとってのことで、世界的に見れば、ドイツとスペインが楽勝で勝ち上がると思われたグループのはず。だが、ドイツ戦、スペイン線ともに、前半は我慢して守り、1点は取られたが追加点は許さず、後半、攻撃的な選手起用で逆転。コスタリカに負けたのがご愛敬に見える。

 さて、決勝トーナメント1回戦は前回準優勝のクロアチアモドリッチやクラマリッチは健在だが、前回ほどの実力はないように見える。ドイツ、スペインを破った勢いで当たれば、負ける相手ではない。今度はコスタリカ戦で結果を残せなかった選手たちの出番だ。そして少しでも余力を持って、目標のベスト8進出を決め、ブラジルとの準々決勝に臨みたい。日本のサッカーの歴史が動こうとしている。絶対、やれるはず。信じているぞ。