ドイツのゲームは日本戦で観たし・・・とも思ったが、やはり1次リーグの中では屈指の好カード。しかも既に1敗したドイツは背水の陣。フリック監督は「最初の決勝戦と思って戦う」と述べた。一方、コスタリカを7-0で破ったスペインの強さも見てみたい。日本の次の対戦相手を確認しておく意味もある。ということで、結果は先にわかっていたが、ABEMAで観戦することにした。
スペインの布陣は4-3-3。アセンシオをトップに、右WGフェラン・トーレス、左WGにダニ・オルモ。中盤はブスケツをアンカーに、右IHガビ、左IHペドリと若い選手が並ぶ。DFは右SBカルバハル、左SBジョルジ・アルバ。ラポルトとロドリのCBにGKはウナイ・シモン。対するドイツの布陣は4-2-3-1。ミュラーをトップに上げて、トップ下にギュンドアン。ニャブリとムシアラが左右のSHに開き、ボランチはキミッヒとゴレツカ。DFは右SBケーラー、左SBラウム。リュディガーとズーレのCBにGKはノイアー。ゴレツカを先発で起用し、ギュンドアンとミュラーを1枚上に上げた形だ。
序盤、ドイツが積極的な立ち上がりを見せる。しかしスペインがそれをうまくいなすと、5分過ぎからスペインがパスを繋ぐ場面が多くなってくる。そして7分、左IHペドリから右IHガビに繋ぐと、縦パスをCFアセンシオが落とし、左WGダニ・オルモがミドルシュート。GKノイアーが弾いたボールがバーに当たる。ドイツも10分、左SHムシアラからOHギュンドアンの落としをCFミュラーが受けてドリブル。右に流して、右SHニャブリが抜け出すが、GKウナイ・シモンの飛び出しが速く、シュートはブロックする。
その後もスペイン・ペースが続く。22分、左SBジョルジ・アルバのミドルシュートはわずかにポストの左。ドイツも25分、GKウナイ・シモンのパスを右SHニャブリがカットして、ミドルシュートを放つが、ポストの左。30分、CBリュディガーがミドルシュートを放つが、枠は大きく外す。スペインは33分、左サイドに開いたCFアセンシオの縦パスに左WGダニ・オルモが走り込み、クロスに右WGフェラン・トーレスがシュート。だが、枠は捉えられない。36分、ダニ・オルモのCKをCBロドリがフリック。右WGフェラン・トーレスがシュートを放つが、左SHムシアラがブロックした。
前半終盤はドイツが攻勢。39分、CHキミッヒのFKにCBリュディガーがヘディングシュートを決めたと思ったが、VARの結果、わずかにオフサイド。45分にもCHキミッヒがFKを右に流して、CBリュディガーがシュートを放つが、GKウナイ・シモンがセーブした。前半はスコアレスで折り返す。
後半も序盤はドイツが前からプレスをかけていく。スペインは9分、フェラン・トーレスに代えて、CFモラタを投入。アセンシオは右WGにポジションを移した。11分、GKウナイ・シモンから左IHペドリへのパスをCHキミッヒがプレスをかけて奪い、OHギュンドアンのパスからCHキミッヒがシュート。GKウナイ・シモンがファインセーブで弾き出した。13分には左WGダニ・オルモがミドルシュート。拮抗したゲームが続く。
すると17分、CHブスケツからの縦パスを左WGダニ・オルモが左に流すと、左SBジョルジ・アルバからの斜めのクロスにCFモラタが走り込み、シュート。スペインが先制点を挙げた。アルバのパス、そしてモラタの一瞬の走り込みがすごい。20分には左SBジョルジ・アルバの縦パスに左WGダニ・オルモが走り込み、クロスに右WGアセンシオがシュート。だが枠を外した。21分、スペインはアセンシオとガビを下げて、右WGにニコ・ウィリアムス、右IHにコケを投入する。ドイツも25分、一気に3枚代え。ミュラー、ギュンドアン、ケーラーに代えて、CFフュルクルク、右SBクロスターマン、そして右WGにサネを投入する。ムシアラをトップ下、ニャブリは左WGに回す。するとサネが躍動する。
28分、右WGサネのスルーパスにOHムシアラが抜け出し、シュート。GKウナイ・シモンが弾くと、さらに左WGニャブリがシュート。これで得たCKからCFフュルクルクがヘディングシュートを放つ。スペインは37分、ジョルジ・アルバに代えてバルデを投入。ドイツの右サイドに対して守備を固めた。しかし28分、スペインの意図の感じられないパスを右SBクロスターマンがカットすると、ドリブルから右WGサネがスルーパス。OHムシアラとCFフュルクルクがかぶって大丈夫かと思ったが、ムシアラが譲って、フュルクルクがシュート。これがネットを揺らした。ドイツがついに同点に追い付いた。
ドイツは40分、ニャブリに代えて、左WGホフマン。さらに42分、ラウムを下げて、左SBにシュロッタベックを投入する。スペインも44分、CBロドリの縦パスを右WGニコ・ウィリアムスが受けてスルーパス。CFモラタが走り込むが、左SBシュロッタベックが何とか戻ってクリアする。ガッツポーズを作るシュロッタベック。その後はお互いオープンな展開。45+5分には左SBシュロッタベックのフィードにWGサネがドリブルで持ち込み、クロスを入れるがDFがクリア。続くCKをGKウナイ・シモンがキャッチしたところでタイムアップ。結局、1-1の引き分けに終わった。
結論。スペインは噂に違わず、強い。アセンシオには東京五輪でも苦しめられた記憶があるが、ゼロトップ的に自由に動き回られると、対応が難しい。一方、モラタの走り込みと決定力も脅威だ。もちろんペドロ、ガビ、ブスケツで組むバルセロナ・トリオも簡単にはボールが奪えない。それでも何とか集中した守りで前半を無失点で乗り切れれば、両SBの裏を突くことは可能ではないか。今大会、まだ伊東純也のドリブルを見せてもらっていない。また、久保の意地にも期待したい。ドイツ戦の再現を期待したい。