とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

キリンカップ、ラトビア戦は楽々勝利。代表選手たちの精神的な充実を感じた。

 今の時期にやる代表戦はいったいどういう意味があるのか。かつてはJリーグのオフシーズンということで選手のコンディションも悪く批判されたが、今はほとんどの選手がハイシーズンのヨーロッパで戦う選手たち。ただ所属チームと代表チームで求められる役割も違うし、来月のW杯予選ヨルダン戦に備え、お互いのペースを合わせ、代表の戦い方を忘れないためのゲームと言うに尽きる。相手はFIFAランキング104位のラトビア。余裕で楽々勝利。いい場面ばかりが目立つゲームだった。
 序盤から日本が圧倒的に押し込み、ラトビア側ピッチ1/3で戦う。だが、ラトビアもしっかり守備のブロックを作って、なかなか決定機をつくることはできない。14分、清武が香川とのワンツーから切れ込むと、PA前でファールをもらう。本田のFKは壁に当たる。18分には吉田のフィードを本田がはたき、清武のクロスに香川が中に走り込んでシュート。しかしこれはふかしてしまう。
 22分にも吉田のフィードを岡崎が落とし、長谷部がミドルシュート。吉田のフィードが気持ちいい。ワントップに入った岡崎は頑強なラトビアDF陣の前にどうしても身体負け。速い動きと抜け出しで勝負するが、なかなかボールが収まらない。そのうちラトビアも慣れてきたか、中央の攻撃がDFの網にかかるようになってくる。
 31分、長友のクロスに岡崎がヘディングシュート。GKの正面。サイドからのプレーには可能性を感じる。39分、本田のスルーパスに香川が走り込むが、GKがセーブ。前半は無得点かと思った41分、細貝の縦パスを清武が倒れながら粘ってキープ。長谷部に送ると、縦パスに内田がクロス。岡崎がベストポジション。足を出すと、ボールはポストに当たりゴールに転がり込む。ようやく日本が先制した。
 後半は日本組の前田と遠藤を投入。前田をワントップにして岡崎を右SHに回す。細貝もよくがんばっていたが、やはり遠藤だとボールが落ち着く。中盤の底からピッチ広くボールが配給される。4分、長友のクロスに前田がヘディングシュート。ポストを叩く。5分には前田からのスルーパスに岡崎が走り込む。GKが何とか抑える。さらに香川がドリブルからシュート。7分、前田のスルーパスに内田が走り込み。クロスに本田がシュート。やはり前田がワントップに入るとボールが収まる。
 そして15分、遠藤の縦パスから本田が左に展開。香川のクロスに本田が走り込んでループシュート。きれいに追加点を挙げる。さらに16分、またも遠藤の縦パスを前田が落とし、香川のスルーパスに岡崎が走り込みシュート。3点目を挙げた。
 本田と内田はここでお役御免。酒井高徳と乾を投入。すると乾が躍動する。18分、ドリブルで切れ込むとミドルシュート。19分、遠藤のCKから前田がヘディングシュート。GKがこぼしたところに香川が走り込むが、シュートはGKがブロック。21分にも乾がドリブルからミドルシュート。さらに24分、乾から左に流し、長友がシュート。GKのナイスセーブに防がれる。25分、長友から乾のクロスに岡崎がヘディングシュート。31分、乾が香川とのワンツーで走り込みシュート。だがどうしても得点にならない乾。
 37分には岡崎に代えて代表初召集、大津を投入。すると大津もよく動きまわってラトビアDFを混乱させる。39分、さっそく大津がDF二人を引き連れドリブル。CKを得る。42分、乾がまたも香川とのワンツーからシュート。GKのセーブのこぼれ球に前田が詰めるが、ライン上でDFがクリア。アディショナルタイムにも乾がドリブルで切れ込みミドルシュート。GKナイスセーブ。さらにゴール前で縦パスを受けた香川がゴールに背を向けてアクロバティックなトラップからシュート。GKが上からブロック。
 最後まで日本代表が伸び伸びとしたサッカーを見せて、3-0で完勝した。これまでだと途中交代の選手が今一つゲームに溶け込まないうちに終了することが多かったが、乾も大津も存在感を見せた。そして後半出場の遠藤と前田。この二人のベテランJリーガーがいるといないでは代表のサッカーが違う。特に遠藤は和製ピルロ。イタリアのピルロ同様、いくつになっても変わらないプレーを見せてくれる。まさに日本の至宝だ。ポスト遠藤という言葉はW杯ブラジル大会が終わるまで口にする必要がないことを実感した。後はJ2の戦いで体力を疲弊させないことを願うばかりだ。