久しぶりに途中で降参してしまった。降参したのはハイデッガーの「存在と時間」以来。それでも、第4章「位相空間」くらいまでは、わからないながらなんとか読み進めたが、日本語で書かれた意味はわかるものの、集合の数学記号が乱舞すると、さっぱりお手上げ。第3巻の集合論から現れ始めた不明点がさらに深化して、どんどんと闇が深くなる。第5章「連続写像」あたりから飛ばし読み。「コンパクト性」「連結性」「完備性」WHAT?
ということで、ここで私はリタイヤします。「大人のための数学」シリーズは、やはり一部の特別な大人対象だったかも。それともどこかにもっとわかりやすい解説本があったのだろうか。結局、抽象数学への道は憧れに終わった、ということで。
抽象への憧れ−位相空間:20世紀数学のパラダイム (大人のための数学 5)
- 作者: 志賀浩二
- 出版社/メーカー: 紀伊國屋書店
- 発売日: 2008/08/27
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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●’近さ’は、空間的なものだけではなく、概念の認識にあたっても用いられる。・・・これは数学の立場からみれば、ある普遍的な概念をみたすものを集合とみたとき、その部分集合のあいだに近さの概念が入りうることを示唆するものではないだろうか。(P55)
●数学の概念は、概念の本質にあるものを取り出すことに成功すれば、概念は存在自身のもつ静的な枠を突き破って、概念自身にひそむ内的な力によって動きはじめる。この事実こそ、カントルが「数学は自由である」という言葉で表明したことであったと思われる。(P57)
●根底にあるのは集合である。集合は、豊かな包容力をもつ、広く大きな数学における存在概念なのである。(P93)