とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

プレシーズンマッチFC岐阜戦に見る今年のグランパス

 日曜日のプレシーズンマッチはこのところ恒例となったFC岐阜との一戦。ゲームは後半ロスタイム、FC岐阜の西川による劇的な同点ゴールにより引き分けという結果になったが、グランパスも6人の交代枠を最大限に使い、今シーズンの新たな戦力を惜しげもなく披露。今後に大いに期待を抱かせる内容だった。
 最初、闘莉王、増川のCBに、田中、阿部の両SBでスタート。ワンボランチには吉村が座り、マギヌンブルザノビッチが左右に控え、玉田、金崎に巻の3トップという布陣。開始早々の3分、金崎が右サイドを抜け出しクロスを上げれば、17分にはブルゾの華麗なサイドチェンジから今度は左に開いていた金崎からクロスが上がる。その後もゲームを通して金崎が積極的にドリブルを仕掛け、サイドからの攻撃が活性化した。
 またこのゲームで特に張り切っていたのがブルザノビッチ。19分にも玉田からのパスをブルゾが中央でスルーパス。田中のクロスがDFに当たって跳ね返ったところをブルゾが左に流し闘莉王がシュート。FKも他に譲らず独占して蹴り続けたが、成果はなかった。
 先制点は31分。ピッチ中央から巻をポストに玉田が抜け出し決めたもの。玉田らしい形と言えるが、中盤まで下がってボールを触る玉田の動きは、ただでさえ機能していると言い難い4-3-3の布陣に変化も与えるが混乱もきたしており、どう評価すべきか難しい。
 その後もグランパスが攻勢を続け、45分の金崎のクロスに合わせたブルゾの強烈なシュートはGKの正面を突いて惜しくもゴールならなかった。
 後半早々、FC岐阜も押谷の素早い動きからチャンスを迎えるがゴールならず。1分の押谷が楢崎と一対一となった場面は、闘莉王が不用意に蹴ったボールが相手選手に当たり、跳ね返って押谷に渡ったもので、このあたりの軽率さは代表でも再三見られるだけに不安要素の一つでもある。後半15分には明らかなファールでイエローカードももらっている。
 後半から吉村に替わって入ったダニルソンが期待どおりの安定さと視野の広さを見せてくれた。3分にはそのダニルソンから金崎にスルーパス。クロスが巻、金崎と渡ったがタイミングが合わず。逆に5分、ボランチの橋本から野垣田のクロスに西川。11分には管がダニルソンからボール奪取してドリブル、シュートを放つなど、FC岐阜の元気の良さが目立つ。
 ここからグランパスは選手を総替え。増川に替えて千代反田。田中に替えて竹内。阿部に替えて三都主。さらにマギヌンを一つ上げて、玉田に替えて小川、ブルゾに替えて中村を投入。しかしこう書き連ねても全く遜色を見せないところがすごい。これだけの布陣でACLに出られないのは全く惜しい。昨年と交換したい気分。
 18分には小川が中盤からトップまで駆け上がり、中村にクロスを上げる場面があったが、これこそ今年のグランパスに期待したい動き。22分と35分にはマギヌンと金崎が絡んだ動き、39分にもマギヌンと小川が絡んだ動きからチャンスをつかみ、中村も積極的に駆け上がる姿勢が見られた。これらが悉く相手GK野田と村尾の好セーブに止められたのは残念だったが、トップにポスト役に加え、ボールキープできる人間がいると、中盤からの駆け上がりと絡めて、いい攻撃が見られる。その点で玉田の動きは必ずしも効果的ではないと思うが、今後、どれだけ修正できるかが課題でもあり楽しみでもある。
 また守備では千代反田が落ちついたプレイを見せていた。40分、染谷の駆け上がりをうまく身体を使い奪い取ったシーン。また43分にはサイドにロングパスを通す場面もあり、十分、吉田やバヤリッツァの代わりが務まりそう。増川は無難な守備に終始したが、千代反田の方が攻撃にも寄与できる可能性がある。
 ゲームには負けたが、十分に今シーズンの活躍が期待できる内容。あとはゴール前の決定力だが、ケネディが帰ってくればこれも改善するのではないか。ガンバ、フロンターレが相変わらずお疲れモード、けが人モードなだけに、開幕一気のスタートダッシュといきたいところだがさてどうなるか。今シーズンの活躍が楽しみだ。