天皇杯3連覇をめざすガンバと、今シーズン限りで長谷川監督に伊東、市川、ヨンセンが退団するエスパルス。遠藤を累積で欠くガンバに対してエスパルスは立ち上がりから気持ちで上回り圧倒していく。
4分、CKのこぼれを兵働がミドルシュート。ネットを揺らしたがオフサイドの判定。7分、小野のFKに岡崎が飛び込む。GKともつれファールの判定。しかしエスパルスは前から積極的にボールを追い、人数をかけて攻め込む。
すると19分、小野から右サイドに出たパスを受けた藤本が絶妙なキックフェイントで下平を置き去りにしてクロスを入れると、ヨンセンがドンピシャ・ヘッドで先制点を挙げる。
遠藤がいないガンバは明神、武井でボランチを組むが、二川、橋本のところでボールが収まらず、中盤の守備が軽い。逆にエスパルスは小野、藤本がよく動いて両SBも積極的に上がり、ガンバを押し込んでいく。
そして28分、小野が左サイドから藤本とのワンツーで抜け出し、DFがブロックに入ったところを藤本が拾ってクロス。一旦はGKが弾き返すが中盤から兵働が駆け上がってきてシュート。追加点を挙げてガンバを突き放す。
31分には市川から小野が右サイドに抜け出し、狙いすましたクロスに岡崎が飛び込む。が、得意のダイビングヘッドはわずかにポストの左を転がっていった。惜しい。
ガンバは37分、たまらず下平に代えて宇佐美を投入。安田を左SBに回し、武井を右SB。橋本をボランチに、ルーカスを中盤に下げて、宇佐美とイ・グノの2トップに。すると38分、橋本から二川のクロスにルーカスとDFが競り合い、こぼれたところを二川がシュート。しかし山本海人がナイスセーブ。
44分には宇佐美がドリブルからタイミングを外す得意のミドルシュートを放つが枠を外す。逆にロスタイムには岡崎もドリブルで抜け出しシュートするが、同じく決まらず。ここで前半タイムアップ。
後半に入ってもエスパルスの元気さが際立つ。6分、兵働のクロスに小野がヘディングシュート。GKがクリアすると、CKにボスナーがヘッド。9分には、ヨンセンから藤本、ヨンセン、小野、市川とつなぎ、藤本のヒールパスに市川が抜け出してクロスをヨンセンがヘッド。これはGK藤ヶ谷がナイスセーブ。続く10分には、カウンターからヨンセンがライン際で粘って小野にパス、フリーでミドルシュート。GK藤ヶ谷横っ跳びセーブ。12分には小野の早いFKに藤本が反応してシュート。GKナイスブロック。
何とか反撃したいガンバは15分、二川に代えて佐々木を投入。しかし16分、兵働が中盤でボールを奪うと右サイドから藤本が左足アウトサイドでクロス。ヨンセンがダイビングヘッド。決定的な3点目を奪う。
その後24分、エスパルスは今シーズン退団のミスター・エスパルス伊東を投入して守り固め。ガンバもイ・グノに代えて平井を入れてさらに攻撃に出る。28分、安田のクロスに平井らしいチョコンと合わせるシュート。しかしポストにはねかえされ、ヘディングシュートを放ったルーカスも枠外へ。
逆にエスパルスは31分、藤本からヨンセンのクロスを岡崎が落とし、藤本がシュート。これもポスト。32分には市川のクロスを兵働がシュート。GKが弾いたところを太田がシュート。
ガンバも宇佐美が意地を見せて攻めていく。35分、FKを受けた宇佐美が反転シュートするもGK正面。43分にも宇佐美のドリブルからルーカスがミドルシュートを放つが、GKが抑える。結局このまま3-0でゲームセット。エスパルスが元旦決勝戦進出を決めた。
もう1試合は延長戦の末、アントラーズが勝ち上がった。ガンバが優勝すればアントラーズは負けてもACL出場だったが、これで自力で勝って優勝して決めるしかなくなった。一方のエスパルスも、長谷川健太監督最後のシーズンを優勝で飾りたいモチベーションは高い。しかも天皇杯は、消滅が決まった時のフリューゲルス優勝など、エポックメイキングなチームが優勝することが多い。
さあこれで見逃せない決勝戦になった。元旦決戦を今年も楽しみにしよう。
