とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

リヨン強し、ベレーザ健闘。

 ヨーロッパ女子CL王者のリヨンを迎えて、なでしこリーグ王者のレオネッサとなでしこカップ王者のベレーザが参加するmobcast cup。世界女子クラブ選手権と呼ぶにはもう1チームがオーストラリアチャンピオンというのはやや誇大呼称という気もするが、リヨンと対戦できるのは日本のチームにとって大きい意味がある。初戦はリヨン対ベレーザ。だが開始早々からベレーザが失点する。
 4分、CHビュサグリアの縦パスをFWトナッジが左SB小林海咲をかわして抜け出し、クロスにFWトミスが詰める。右SB有吉が堪らずオウンゴール。あっさりと先制すると、さらに6分、トミスが小林海咲を振り切って右からのクロスにディッケンマンがヘディングシュート。マークしていた有吉が振り切られる。両SBはやはりベレーザの最大の弱点。この二人がゲームに入り切らないうちに2ゴールを挙げられた。
 ベレーザも13分、永里のスルーパス田中美南が抜け出すが、GKブハディがセーブ。リヨンはGKブハディ、CBルナール、SBフランコ、ボンバストール、OMFネシブ、CHビュサグリア。そしてFWトミスとフランス代表が目白押し。ゴールを挙げたディッケンマンはスイス代表。縦の速さと強さでベレーザに攻撃を許さない。
 それでもベレーザのCH原と小林弥生がよくがんばる。特に原のプレスと散らすパスにはこんなにいい選手だっけと見直した。と思ったらビュサグリアに二人でプレスをかけたこぼれ球をネシブがワンステップで強烈なミドルシュート。パワーの違いを感じさせられる。
 それでも24分、永里がこのゲーム初めてのシュートを放つと、ベレーザも次第にリヨンのスピードと寄せの速さに慣れ、アジリティで抜け出しパスを回せるようになってくる。25分、原のCKのクリアを左SH木龍がボレーシュート。GKブハディがセーブ。27分、土光が振り切られたトミスの高速ドリブルに岩清水が素晴らしい読みでボールを奪う。31分には田中美南ミドルシュート。そして41分には木龍が左サイドで右SBフランコを抜き、さらにCBルナールの股を抜いて、永里のスクリーンプレーから木龍がシュートを放つ。GKブハディが正面に飛び出し、ゴールはならなかったが、十分リヨンを慌てさせた。
 後半早々からリヨンはルナールとネシブに代えて、ジョルジュとアビリを投入する。二人ともフランス代表。怖い、怖い。それでも後半開始からベレーザが積極的に攻めていく。2分、原のCKのこぼれに田中美南がわずかに届かず。3分、原のスルーパスに永里が抜け出しシュートも枠の外。9分、カウンターから伊藤のパスが田中につながりドリブル。左に流すと、木龍がクロス。永里の前でDFにカットされた。
 しかしその後のCKから原が左に展開し、小林弥生のクロスを伊藤がシュート。こぼれ球に木龍がダイレクトで合わせてゴール。ベレーザが1点を返した。
 ところが直後の13分、アビリが右サイドをドリブルで上がると、土光の裏にトミスが走り込み、クロスにディッケンマンが飛び込む。ゴール。また4-1と突き放された。さらに15分にはGK松林のゴールキックを中盤でヘディングで落とすと、アビリのスルーパスに、交代したばかりのスウェーデン代表シェリンが抜け出し、GKをかわしてゴールに放り込む。ついにリヨン5点目。その後、16分ルソメ、19分には大滝を投入する。
 シェリンのワントップ、セカンド・ストライカーに大滝とルソメが控える布陣。大滝は最初こそトラップミスもあったが、次第にその身体を生かしたプレーを披露。ポストプレーを完璧にこなして、次の攻撃につなげていた。
 ベレーザは20分、小林弥生に代えて隅田を投入。またこの17歳がいい。ポジショニングがよくプレスのきつい中盤で落ち着いてプレーをしていた。ゲームは44分、田中の上がりをジョルジュが奪い返して、中につないだパスを永里が奪って反転シュート。これが見事に決まり、2点目を返した。
 ゲームはここで終了。結局5-2と大敗という結果になったが、点差よりもベレーザの健闘が目立った。立ち上がりの2失点がなければもっと惜しい勝負になっていた。リヨンの相手はいよいよレオネッサ。日曜日の決勝戦が今から楽しみだ。