とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

壮絶Jリーグ最終節。ガンバ降格。結局、降格争い慣れしたチームが残留を決めた。

 Jリーグ最終節。グランパス戦とサンフレッチェ戦を録画しつつ、ガンバ対ジュビロを観始めた。夏頃からまさかまさかと思っていたが、なかなか降格圏内から浮上できずにいたガンバ。いつしかアルディージャは降格圏内を抜け出し、アルビレックスは前節でベガルタに勝利。ガンバもここ5戦負けなしにも関わらず、前節FC東京戦でも痛恨の引分け。
 最終節、ヴィッセルサンフレッチェ相手に勝利はないとしても、アルビレックスはホームで最下位のコンサドーレに勝利する可能性は高く、ガンバはアウェイながら残留のためにはどうしても勝たないといけない。だが、ジュビロ・サポーターの声援がヤマハスタジアムを包む完全アウェイ。ジュビロはこの8戦勝利なしながら、惜しいゲームも多く、簡単な相手ではない。この究極の一戦を前に、ガンバの選手たちの顔に緊張感が漂う。
 開始6分、右サイドを駒野が上がる。粘るDFを突き抜け、前にパスを送ると山田が走り込みクロス。前田が飛び込む前でCB中澤とGK藤ヶ谷が交錯。ゴール前にこぼれたボールを加地が必死にクリア。だがこれに前田が詰めてゴールに放り込む。早々とジュビロが先制した。
 同じ頃、アルビレックスはCB坪内のシュートで先制。やはりコンサドーレ相手にはアルビレックスも負けない。ガンバはパスを回して攻めていくが、なかなかラストパスがつながらない。29分、加地のクロスがゴール前の倉田に入るが、うまくヘディングできない。逆に30分、ジュビロは松浦がドリブルから切れ込んでシュート。44分には前田のポストからCH小林がシュート。
 ジュビロは速いプレスと堅い守備ブロックでがっちり守り、ボールを奪えばピッチを広く使い、右SB駒野、左は松浦が果敢に攻め込む。43分、アルビレックスはCKからブルーノ・ロペスがヘディングシュート。着実に勝利に近付いていく。
 後半6分、前田がシュート。ガンバは攻め込むもなかなかシュートが打てない。と8分、スローインを家長が受けて中にパス。倉田がドリブルでCHロドリゴ・ソウト、SB宮崎、さらにGK八田も抜いてゴール上部に気持ちを籠った同点ゴールを突き刺す。アルビレックスも8分、コンサドーレの榊に1点を返される。奇跡の可能性が見えてきたか? ガンバが勢いづく。
 15分、二川がドリブルからシュート。だがGK八田がファインセーブ。その後もガンバが攻め込むが、中央を固めるジュビロの守備を破れない。逆に23分、ジュビロのCH小林がミドルシュート。GK藤ヶ谷がファンブルしてドキッ。27分、駒野のFKがゴール前を横切っていく。危ない、危ない。
 27分、二川に代えて佐々木を投入。遠藤にミスパスや消極的なプレーが目立つ。緊張ゆえかいつものキレが見えない。アルビレックスは26分、アラン・ミネイロがゴール。2点差に突き放す。ガンバはもう勝つしかない。勝ちさえすればアルビレックスを勝ち点で上回る。だが攻めても攻めてもゴールにならない。
 32分、明神から右に展開し、家長がシュート。GK八田の正面。34分、倉田のクロスにレアンドロがヘディングシュート。バーを叩く。そして36分、藤春のクロスを家長が胸トラップからシュート。だがDFがブロック。はね返りを佐々木がシュート。またもはね返される。加地がクロスを入れる。遠藤がヘディングシュート。ネットを揺するがオフサイド。どうしてもゴールが決まらない。
 38分、山田のクロスに前田。さらに駒野のミドルシュート。40分、CKからロドリゴ・ソウトのヘディングシュート。終了間際、ジュビロが押し込んでくる。そして41分、CH小林が前田に当てて、戻しを受けてライン際からシュート。何と、ジュビロが勝ち越し点を入れた。
 アルビレックスは35分、ブルーノ・ロペスがダメ押しの4点目を入れる。ガンバは40分川西、42分パウリーニョを投入。最後は中澤を前線に上げてパワープレーを仕掛けるが、ロングボールがうまく入らず時間ばかりが過ぎていく。アルビレックスは先にゲーム終了。4-1で勝利。そして4分のロスタイムの末、ヤマハスタジアムもタイムアップのホイッスル。
 呆然とする遠藤、今野、加地、中澤、藤ヶ谷、明神、倉田・・・。涙すら出ない。空しさばかりがピッチに漂う。サポーターの涙をただ見つめる選手たち。ガンバのJ2降格が決まってしまった。
 あまりに失点が多すぎた。セホーン監督が乱した常勝のリズムはついに戻ることがなかった。来シーズン、ガンバはどういうメンバーで戦うのだろうか。遠藤や今野はチームに残るのだろうか。監督はどうするのか。レッズのように、サンフレッチェのように、FC東京のように、また1年で帰ってこなくてはいけない。だが今のままではそれも苦しい。すべて一から考え直さなければならない。