とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

アジア杯 準々決勝 日本対ベトナム

 ベスト16のサウジアラビア戦から中2日。後半にはかなりへばる選手もいたゲームの後でもあり、かつ勝ち上がれば中3日で、優勝候補のイランと対戦する日程も考えれば、当然、ターンオーバーしてくると思っていた。ところが、累積で出場停止の武藤以外はサウジアラビア戦と同じ先発。もちろん選手の体調なども考慮して先発メンバーを決めているだろうが、チーム内の雰囲気も含めて、森保監督が何を考えていたのか、聞いてみたい。ベトナムは3-4-3の布陣。ホーリーホックでプレーしていたグエン・コン・フォンがワントップに入る。

 序盤からベトナムが積極的に攻めてくる。日本は様子見なのか、あまり攻めることなく、受けて、相手の出方を覗っている感じ。それでも10分過ぎ位から、日本がパスを回してボールを保持する展開になり、14分、右SB酒井のクロスのクリアをCFグエン・コン・フォンが拾うと、そのままカウンター。ドリブルからミドルシュートを放つ。パスは回すものの、決定的なチャンスはなかなか作れなかった日本だが、24分、最初のCKのチャンスを得る。

 蹴るのはCH柴崎。これをCB吉田がヘディングで押し込み、日本が先制点を挙げた。と思ったら、キックオフまでの間にVARで確認。吉田のヘディングしたボールが、吉田の手に当たってゴールに入ったと判定。ゴールが取り消された。何か、嫌な展開。すると27分、CFグエン・コン・フォンが右サイドからDFの密集を突破。ドリブルからミドルシュートを放つ。日本も29分、ショートCKからCH柴崎のクロスをCB冨安がヘディングシュート。だがGKダン・バン・ラムがスーパーセーブ。はね返りをSB酒井がゴール前にクロスを入れて、CB吉田がヘディングシュートを放つが、これは枠を捉えられない。

 逆に37分、CHド・フーン・ズンから右に展開。右WBグエン・チャン・ホアンのクロスにCFグエン・コン・フォン。だがうまく処理できずこぼれたボールを、左WGファン・バン・ドックがシュート。GK権田がファインセーブを見せる。38分にはCB吉田のバックパスを受けたGK権田に対して左WGファン・バン・ドックがプレシャーをかけると、CB吉田に返したパスのトラップが長い。これを右WGグエン・クアン・ハイに奪われ、ミドルシュート。GK権田が飛び出して、ファインセーブ。さらにこぼれ球を、右WGグエン・クアン・ハイがクロスを入れて、左WGファン・バン・ドックがヘディングシュート。GK権田がナイスセーブした。日本が集中力を欠いているのか、それとも中2日の疲れからか。日本にミスが多い。45分にはCH柴崎から右にパス。右SH堂安のスルーパスにOH南野が抜け出して、シュートを放つが、これもGKダン・バン・ラムがファインセーブした。前半はこのままスコアレスで折り返した。

 後半もベトナムの寄せが早く、日本はなかなかゴール前に入っていけない。6分、右SB酒井のクロスを受けた左SH原口がDFを抜いてクロス。OH南野が仕掛けるが、DFがブロック。7分、右SH堂安の落としからCH遠藤がミドルシュートを放つが、これもGKダン・バン・ラムがファインセーブする。そして8分、左SH原口のスルーパスに右SH堂安が走り込む。対応した左CBブイ・ティエン・ズンの足が堂安の足にかかる。堂安が倒れるが、ホイッスルは鳴らない。結局、ゲームが止まった時点でVARを確認。ファールが認められて、日本がPKを得る。これを右SH堂安が落ち着いて決めて、日本がようやく先制点を挙げた。

 その後もベトナムがよく前からプレスをかけて、日本のパス回しを追いかけていく。日本はゴール前でなかなかうまくパスがつながらない。21分、OH南野から左に展開し、左SH原口のクロスにCF北川がヘディングシュート。しかしオフサイド。23分、左SH原口が中へのドリブルからミドルシュートを放つが、GKダン・バン・ラムがナイスセーブした。ベトナムも23分、左WGファン・バン・ドックがミドルシュートを放つと、28分には右WBグエン・フォン・ホン・ズイがミドルシュート。わずかにポストの右に外れた。

 日本は27分、CF北川に代えて大迫を投入。するとさすが大迫。大迫が入ると、ボールが収まり、左右への展開がスムーズ。32分には右SH堂安のパスカットからスルーパスにOH南野が抜け出し、シュート。GKダン・バン・ラムがナイスセーブ。日本は33分、左SH原口に代えて乾を投入。だが、3人の選手交代をしてますます攻撃力を高めたベトナムが前に人数をかけて攻めてくる。41分にはCHド・フーン・ズンがミドルシュート。44分にも左WBドアン・バン・ハウのクロスにCFグエン・コン・フォンがミドルシュートを放つが、枠を捉えられず。日本も最後はOH南野に代えてCH塩谷を投入し、守備を固める。結局1-0。日本が辛くもベトナムに勝利して、準決勝進出を決めた。

 もっと楽勝するかと思っていた。ターンオーバーしていたらどうだったのか。誰もイエローカードをもらわなかったので、次戦もきっと大迫を先発させる以外は同じ先発メンバーでいくのだろう。今の日本は大会前の予想とは違い、すっかり守備のチームになっている。でもイラン戦もまた守り切れるとは限らない。トップ下でなかなか活躍できない南野の使い方も含め、森保監督の采配が注目される。