とんま天狗は雲の上

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携帯料金の値下げって、実は不景気促進策ではないのか?

 菅総理が言い出した携帯料金の値下げに呼応し、DOCOMOが20Gで2980円のプランを始めると発表した。20Gで2980円はさすがに安い。でも、わが家では私も娘も3Gプランを利用している。20Gって、いったい誰が、何に使っているんだろう?

 「月2000円台の激安スマホ20GBプランの使い道を本気で計算した」というサイトを見ると、外出時のオンライン会議や動画視聴を日常的にするような生活でなければ、なかなか20Gまでは消費できないようだ。一人暮らしの場合などは自宅にWifiを引いていない人もいるだろうから、20G程度は必要なのかもしれない。

 でも多くの人は5G程度のプランにしているだろうし、スマホ端末の分割返済なども加えて、1万円近い出費という人が多いような気がする。また、さっさと格安スマホに乗り換えれば、大幅に安くなる。格安スマホSIMカードの挿入やネットでの手続きなどが大変という話があるが、実際にやってみると、DOCOMOの窓口で延々と待たされることを考えれば、ずっと時間も短縮できるし、簡単。でも、なかなかそういう流れにならない。結局、現状を変えるということが手間だし、その時間もないという人が多いのかな。「20Gで2980円プラン」も乗り換える人が思ったよりは少ない、ということになるのかもしれない。

 それにしても、DOCOMOスマホ料金を下げるということは、当然、DOCOMOの収入は減るわけで、他社からの乗り換えを見込むとしても、携帯電話業界全体の売上は当然減少することになる。スマホ業界の社員がどれだけ高給取りだったか知らないが、収入減は携帯各社から受注し仕事をしている関係業界の収入減になるだろうし、社員も多少なりとも給与減となるかもしれない。

 そうなれば彼らが支出する消費も減少する。政府関係者などは、スマホ利用者は携帯料金値下げ分だけ消費が増えると考えているかもしれないが、この不景気な状況では、家計収支の余剰分はほとんど貯蓄に回ると考えるのが順当ではないか。そう考えると、菅総理鳴り物入りで訴えてきた携帯料金値下げ政策は、結局のところ、日本の不景気をさらに促進するだけのことにならないだろうか。

 「GoToキャンペーン」はまだ、富裕層の財布の紐を緩める効果があったかもしれないが、携帯料金値下げはどういう経済効果があると考えているのだろうか。いや、経済対策ではなく、生活支援の福祉対策として実施しているのかな? 人気取り以外のどんな目的があるのか、よくわからない政策だ。