1月になったので、昨年1年間の収入と支出をチェックしてみた。支出は毎月のクレジットカード引落し額やATMで引き出した金額などを集計したもの。預金通帳の残高照会をこまめにやっていれば、それほど難しくない。昨年はコロナ禍に加え、妻が長期入院していたため、旅行はもちろん、外食も最低限だったし、大きな買い物もほとんどしていない。一方で医療費は大きかったが、それを除くと(ちなみに医療費は確定申告に備え、別途集計)、年間300万円ほどしか支出していなかった。ちなみに、税金や社会保険料などは給与天引きのため、支出額に含んでいない。
ずいぶん昔に、森永卓郎が「年収300万円時代」と言っていたが、今でも年間300万円あれば何とか生活はできるということ。それでも昨年の前半はまだ妻も元気で外食にも行ったし、パソコンやスマホを買い替えるなど、特別質素な生活をしていたわけではない。持ち家なので家賃がいらないという点は大きいかもしれないが、手すり設置や屋根補修などの工事はしたので、例年よりも住宅維持費はかかっている。
先日、友人とのZoom呑み会の際に、年金額の話になり、既に年金を受給している友人から「60歳以降に収める年金保険料がその後の年金支給額をかなり押し上げるぞ」という話を聞いた。その友人は年間300万円を超える年金を受給しているようだが、それだけもらえるのなら、何とか生活はできそうだ。だがもっと若い世代だと年金支給額も大きく下がるかもしれない。「今の人は共働きが多いから、何とかなるんじゃないか」というのがその時の会話。仮に200万円しかもらえなかったとしても、二人合わせれば400万円。僕らよりも多い。もっとも共働きといっても女性は非正規雇用という世帯も多いし、死別したり、離婚すればかなり大変になるだろう。我々にしても専業主婦であれば夫が先に亡くなると、年金額はかなり減額する。老後の生活設計をよく考えることは重要だ。
昨年、話題となった2000万円問題の時の金融庁の報告書(ちなみに、あの時、麻生さんが「正式な報告書として受け取らない」とか言っていたのに、未だにちゃんと金融庁のHPには掲載されているんだ。えらいな。)を見ると、高齢夫婦無職世帯の収入を月約21万円、支出を約26万円としている。年間に直すと収入が250万円で支出が310万円。将来はどうかわからないが、現状はまあ、そんなものだろう。ちなみに金融庁の報告書は、「金融資産2000万円を残して、残りは株式投資などに回せ」という趣旨だが、そうは言っても、これからまだ車を買い替えたり、災害の発生や病気などの不測の事態も考えられるから、退職までに預貯金を何とか2000万円まで積み上げれば安心というわけにはいかない。預金残高も見ながら「今後も地道に暮らそう」と思った。
コロナ禍で色々と自粛して、最低限必要な支出を確認することは意味がある。もっとも多くの国民がコロナ禍の自粛生活で支出を大幅に切り下げて、それでも生活できると感じたとしたら、GDPも伸びないはずだ。コロナ禍の自粛生活の経験は経済成長を下げる要因となるかもしれない。