とんま天狗は雲の上

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J1リーグ第5節 名古屋グランパスvs.柏レイソル

 第4節を終えて、3勝1敗の3位につけるレイソル。一方、グランパスは前節の敗戦で11位に沈んだ。そのフロンターレ戦後の観戦記で、「このレベルの相手には着実に勝利がほしい」と書いたが、逆に言えば、現在のグランパスの実力を測るゲームだとも言える。快勝することを期待したが、現実にはそうではなかった。

 グランパスの布陣はいつもの4-2-3-1。しかしワントップはこれまでの酒井に代わり、金崎が久しぶりに先発した。トップ下は仙頭。またマテウスと相馬のSHは変わらないが、このゲームでは最初から右にマテウス、左に相馬を配置してきた。ボランチはレオシルバと稲垣。また、左SBには久しぶりに吉田に代わって森下が先発。右SBは宮原。CBはチアゴが復帰し、中谷と組む。チアゴが右、中谷が左に位置した。GKはランゲラック。

 対するレイソルは3-1-4-2の攻撃的な布陣。細谷と小屋松が2トップに並び、トップ下に戸嶋とマテウス・サヴィオ。アンカーにドッジが入る。WBは右に川口、左に三丸。CBは右から大南、高橋祐治、古賀。GKはキムスンギュ。昨季はサガンで戦った仙頭と小屋松が同じ背番号14番を付けて、それぞれのチームの攻撃を牽引する。

 開始1分、右SHマテウスミドルシュート。2分には左SH相馬のクロスにCF金崎が飛び込むなど、序盤、グランパスが積極的に攻めていく。レイソルも3分、右WB川口がドリブルで仕掛けると、中に切れ込んでシュート。CH稲垣がブロックする。そして6分、OH仙頭に二人がかりでプレスをかけてボールを奪うと、FW小屋松がフリックしたボールをFW細谷が受けて左に持ち出し、CB中谷を振り切ってシュート。レイソルが先制点を挙げた。

 しかしその後もグランパスが積極的に攻めていく。10分には右SHマテウスがカットインからゴール前に高速クロスを入れるが、わずかにCF金崎が届かず。14分、右SHマテウスのFKのクリアを左SH相馬がボレーシュートするも、ポストの左。17分にはマテウスのCKにCBチアゴがヘディングシュート。しかしGKキムスンギュにセーブされる。そして18分、CHレオシルバから右に出したパスを右SB宮原が縦に入れると、CF金崎がDFを背負ってポストプレー。体勢を崩しながらも落としたパスに右SHマテウスミドルシュート。これがゴールに飛び込む。グランパスが同点に追い付いた。

 20分には右SB宮原のスルーパスに抜け出したOH仙頭がシュート。わずかにポスト左に外れる。23分、マテウスのFKはGKキムスンギュがファインセーブで弾き出す。さらに38分、右SHマテウスのクロスに左SH相馬がヘディングシュート。だが枠を捉えられない。前半終了間際の45+1分には右SHマテウスがドリブルで運び、クロスをCF金崎がヘディングシュート。しかしこれもGKキムスンギュがファインセーブ。こぼれ球をCF金崎が狙うが、枠には飛ばない。前半は宮原の積極的な攻撃参加もあり、よく攻めたグランパスだったが、GKキムスンギュの再三のビッグセーブ前に、勝ち越すことはできなかった。

 すると後半はレイソルが優勢になる。7分、CHドッジがドリブルで運び、縦パスをFW細谷がスルーパス。FW小屋松が抜け出してシュートを放つが、GKランゲラックがファインセーブ。ポストに弾かれた。15分には右CB大南からのスルーパスに右WB川口が走り込み、走り込んだFW細谷にクロス。だが手前でGKランゲラックがナイスセーブ。こぼれ球を右CB大南がシュートするもGKランゲラックがブロック。さらにこぼれ球をFW小屋松が狙うが、CBチアゴがクリアした。

 16分、グランパスは金崎と仙頭を下げて、CF酒井とOH阿部を投入。しかしレイソルは17分、左WB三丸のクロスのクリアをCHドッジがヘディング前に送ると、右IHマテウス・サヴィオがさらにヘディングで前へ。FW小屋松が抜け出し、シュート。だがこれもGKランゲラックがスーパーセーブで弾き出す。その後も両者、見応えのある攻め合いが続く。22分にはグランパスが相馬とチアゴを下げて、右SHに甲田、左CBに藤井を投入。マテウスを左SH、中谷を右CBに回す。レイソルも28分、川口を下げて、左IH中村慶太を投入。戸嶋を右WBに移す。

 その後はレイソルのプレスが早く、グランパスの攻撃が沈静化。一方、グランパスレイソルのカウンター攻撃にしっかりと対応。このまま時間が過ぎていく。レイソルでは左IH中村の活躍が目立つ。42分、レイソルはFW細谷に代えて升掛。45+1分、グランパスのCKのクリアからレイソルがカウンター。最後は左IH中村がシュートを放つが、GKランゲラックが難なくセーブする。そしてタイムアップ。ゲームは結局、1-1のドローで終わった。

 前半こそ何度もチャンスはあったが、後半はレイソルのプレスの前に攻撃も沈静化。ゲーム結果と同様、現在のグランパス実力はレイソルと同程度ということがよくわかった。酒井よりは金崎の方により柔軟性を感じるが、トップ下との組み合わせはどうなんだろう。これまでワントップには酒井と金崎、トップ下には仙頭と阿部、柿谷を起用して、その組み合わせを試してきた。次は金崎と柿谷の組み合わせを試す番かな。だが結局、両SHからの攻撃が封じられると、厳しいことには変わりがない。ケネディやジョー、シュヴィルツォクのようなストライカーがいないとやはり決定力に見劣りがする。夏の移籍で補強するのかもしれないが、それまでに何とか新しい攻撃の形を見たいものだ。