とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

これって差別じゃね? 年金事務所でのちょっとした出来事。

 今月、65歳の誕生日が来て、いよいよ憧れの年金生活が始まる。と心待ちにしていたら、年金事務所からハガキが届いた。年金支給開始の通知かと思ったら、妻宛て。シールを剥がすと、「老齢基礎年金額加算開始事由該当届」の申請の案内だった。

 と書いても、何のことかわからない人が多いと思うが、65歳になった時に、被扶養者で既に年金を受給している配偶者がいる場合に、配偶者の年金額に加給年金が特別加算される制度で、加算額を受給するためには戸籍謄本や住民票、所得証明などを添えて、年金事務所へ届けなければならない。これらの書類を市役所へ取りに行くのも面倒だし、そもそもこうした案内が送られてくること自体が、そうした状況にあることを把握している証拠ではないかと思うが、不正防止等の理由もあるのだろう。

 ただ、少し引っ掛かったのは、ハガキに「基本的には振替加算を受けるための手続きは必要ありませんが」と記載されていたこと。妻が専業主婦であっても夫が先に65歳になる場合は、手続きは不要ということだろうが、夫が年下というケースも多いはずで、わざわざ「基本的には…手続きは必要ありません」と書く必要があるのだろうか。通常、夫の方が年上という偏見があるのではないか。そんなことをふと思った。

 とは言っても、そんな些末なことを気にしてもしょうがないので、ここは素直に書類を集めて、事前に電話で予約を入れ、先日、妻とともに最寄りの年金事務所に行ってきた。対応はいつものように丁寧で、無事手続きは終わったので、そのことに不満はないのだが、帰り際、妻が多目的トイレから出てきた時に、ふと漏らした一言が気になった。

 曰く、「便器のフタが自動開閉になっていたけど、フタと一緒に便座も上がったので、危うく便座のない便器に座るところだった」と。この種のことは新幹線のトイレもこうした仕様で困ったというブログを読んだことがある。ネットで検索すると、通常はフタのみの開閉だが、一定の操作(裏技)をすることで、便座も同時に上がる設定にすることができるようになっているようだ。

 おそらく男女双方が利用する多目的トイレの場合、自動でフタだけが上がり、便座が下がったままだと、その状態で小便をする男性がいるのではないか。便座が汚れる可能性があるので、またはこの年金事務所では便座が汚れたことがたびたびあったので、便座も同時に上がる設定に変えたのだろうと思う。

 どちらがいいのか迷う。フタも同時に上がる方が、汚れを考えれば女性にとっても良いようにも思うし、でもせっかく自動なのにフタを触らなければいけないというのは何だかなとも思う。一方で、男性が小便利用する時には必ずフタを触る設定になっているのも女性にとってはイヤかもしれない。

 先の文章も、わざわざ記載することで、他の高齢者夫婦と話をした時に、手続きをしていない夫婦が「うちは加算金をもらっていない」と思い、年金事務所へ問い合わせが殺到することを避ける意味があるのかもしれない。それぞれ思惑はあるのだろうが、それが逆に被差別意識を生んでしまうこともある。正直、微妙で難しい問題だと思う。