とんま天狗は雲の上

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FIFAワールドカップ2022 決勝トーナメント1回戦 日本vs.クロアチア

 決勝トーナメント1回戦。日本は悲願のベスト8を目指す。相手はクロアチア。前回大会の準優勝国だ。それでもFIFAランクは12位。スペインやドイツよりは低く、日本にとってもやりやすい相手のはず。しかもグループリーグをほぼ先発メンバーを変えずに戦ってきており、日本よりも疲れはあるはずだ。期待を持って観始めた。

 日本の布陣は3-4-3。前田をワントップに置き、右WG堂安、左WG鎌田。ダブルボランチは守田と遠藤。右WBに伊東純也、左WBは長友。CBは右から冨安、吉田、谷口。GKは権田。板倉は累積で出場できず。三苫はベンチからスタートさせる。対するクロアチアは4-3-3。ペトコビッチをトップに、右WGクラマリッチ、左WGペリシッチ。中盤はブロゾビッチをアンカーに、右IHモドリッチ、左IHコバチッチ。DFは右SBユラノビッチ、左SBバリシッチ。ロブレンとグバルディオルのCBに、GKはリバコビッチ。

 開始3分、日本は右WG伊東のショートCKからCH遠藤がクロス。CB谷口がヘディングシュートを放つ。ゲームはクロアチアがパスを回していくが、日本はしっかり守ってカウンターを狙う。クロアチアは8分、GKリバコビッチのフィードに左WGペリシッチが走り込む。右CB冨安が対応するが、ペリシッチが後ろから押してボールを奪い、そのまま仕掛けてシュート。だがGK権田がナイスセーブする。明らかなファールかと思ったが、主審はファールを取らない。日本も12分、右WG伊東のクロスにCF前田が飛び込むが、わずかに届かず。さらに左WB長友が走り込むが、右SBユラノビッチがわずかに先に足に当てて、クリアした。

 その後もクロアチアがボールポゼッション高く、攻めてくるが、日本はしっかり対応。24分、右IHモドリッチのFKのクリアをCBグバルディオルがシュート。26分にはCBグバルディオラのフィードにCFペトコビッチが走り込むが、CB冨安が対応。さらに28分、左右からクロアチアのクロスが4本続く。左SBバリシッチのクロスは左WGペリシッチがニアでヘディングシュート。だがファーに流れていった。

 しかし30分を過ぎた頃からようやく日本もパスを回せるようになってくる。41分、右IHモドリッチのFKをDFがクリアすると、右WG伊東がドリブル。スルーパスにCF前田が走り込む。DFとのマッチアップから戻しのパスをCH遠藤がスルーパス。左WG鎌田が抜け出し、切り返してシュート。だがバーの上を越える。絶好機だったが、残念。しかし43分、右サイドからのシュートCKから右WG堂安がクロスを入れると、CB吉田が落として、CF前田がシュート。日本が先制点を挙げた。前半はこれでタイムアップ。日本が1点リードして折り返した。

 後半最初、日本もクロアチアも選手交代はなし。しかし開始30秒、さっそく左WG鎌田がミドルシュートを放つ。わずかにバーの上。しかしクロアチアが攻め込む展開は変わらない。4分、右SBユラノビッチのロングスローのクリアを左IHコバチッチがボレーシュート。そして10分、右IHモドリッチが下げたパスをCBロブレンが正確なアーリークロス。左WGペリシッチが走り込みながら強烈なヘディングシュートを日本ゴールに突き刺した。クロアチアが同点に追い付く。ロブレンがフリーになったのは日本のDFラインが深すぎたかもしれないが、あそこまで正確なクロスと勢いのあるヘディングシュートを放たれてはしょうがない。

 日本も12分、CH遠藤が強烈なミドルシュート。だがGKリバコビッチがファインセーブ。15分にはCH遠藤のパスから右WG堂安がシュートを放つが、GKリバコビッチがキャッチした。クロアチアは17分、ペトコビッチに代えてブディミールを投入。すると直後の18分、右IHモドリッチが強烈なミドルシュート。だがGK権田がファインセーブで弾き出す。すごい。すると19分、日本は長友と前田を下げて、左WB三苫とCF浅野を投入する。

 21分、右WGクラマリッチのクロスにCFブディミールがヘディングシュート。23分にはクラマリッチを下げて、右WGバシャリッチを投入。29分、右SBユラノビッチのクロスに右WGバシャリッチがヘディングシュート。日本に疲れが見えてきた。すると30分、鎌田に代えて右WB酒井を投入。伊東純也を左WGに上げる。32分、CB吉田がCFブディミールにボールを奪われ、これを左WGペリシッチがドリブルで運び、シュート。CB冨安がわずかに触って、シュートはポスト左に外れた。危ない。41分には左WGペリシッチのクロスに右WGバシャリッチがヘディングシュート。ポスト右に外れる。直後、日本は堂安を左WG南野に交代する。伊東が再び右WGに戻る。しかし、90分はここで終了。勝負は延長戦に持ち込まれた。

 延長前半は日本が積極的に攻めていく。2分、右WG伊東のCKにCB谷口がニアに走り込み、ヘディングシュートを放つが、枠には飛ばない。クロアチアは9分、モドリッチコバチッチを下げて、右IHマイェルと左IHヴラシッチを投入する。モドリッチが下がった。すると11分、右SBユラノビッチのロングスローから左WGペリシッチがシュート。右SB酒井がブロック。さらに左SBバリシッチがシュート。右WG伊東が身体を張った。そして15分、クロアチアの縦パスを右CB冨安がカットすると、そこからカウンター。左WG三苫がドリブルで持ち上がり、するするとゴール前まで持ち込んで、ミドルシュート。だがこれもGKリバコビッチがスーパーセーブで弾き出す。はね返りを狙ったCH遠藤のミドルシュートもDFにブロックされる。残念。延長前半を終わっても、まだ同点。

 延長後半最初、日本はCH守田を下げて田中碧。一方、クロアチアもブディミールとペリシッチに代えて、CFリバヤと左WGオルシッチを投入する。すると延長後半はクロアチアが優勢。9分、ユラノビッチのロングスローからCFリバヤがヘディングシュート。GK権田がキャッチする。15+1分にはCHブロゾビッチから左に展開。左WGオルシッチの仕掛けからシュートはCB冨安がブロック。しかし再び左IHヴラシッチが奪うと、左WGオルシッチのパスから右IHマイェルがシュート。ポストの左に外れる。そしてタイムアップ。ついに勝負はPK戦で決めることになった。

 PK戦は日本が先行。一番手は南野。だがGKリバコビッチに止められてしまった。続く三苫も失敗。クロアチアはヴラシッチ、ブロゾビッチと二人続けて成功する。日本の3人目、浅野はしっかりと決め、クロアチアの3人目、リバヤは失敗。この時点で1-2。次の吉田が決めれば同点に追い付き、逆にクロアチアにプレッシャーをかけられる、と思ったら、吉田も止められる。そしてクロアチアの4人目、バシャリッチが決めて、クロアチアが準々決勝進出を決めた。

 日本はまたもベスト8ならず。グループリーグで、ドイツとスペインを破って、高い壁は越えたが、新しい景色は見られなかった。ここまでベスト8に勝ち上がったのは、オランダ、アルゼンチン、イングランド、フランス、クロアチアとブラジル。いずれもこれまで準優勝異常を経験している国ばかりだ。やはり次の壁は高かった。だがどの国も初めてベスト8に進出した時はあり、日本もいつかその時が来るだろう。いや、4年後はベスト8、そしてその先の景色を見てみたい。よくやったサムライブルー。この感動は忘れない。「ドーハの悲劇」は「ドーハの歓喜」に変わった。いつかそんな時代もあった、グループリーグの戦いで「歓喜」と喜んだ時代もあったと言える日が来るだろう。今のメンバーなら4年後は十分、ベスト8も可能だ。夢は4年後に取っておこう。