とんま天狗は雲の上

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高校サッカー 準決勝 神村学園vs.岡山学芸館

 高校サッカー今大会最大の注目は、卒業後ボルシア・メンヒェングラートバッハに加入が決まっている神村学園の福田師王だろう。その神村学園は準々決勝で昨年王者の青森山田を破って準決勝に上がってきた。相手は岡山学芸館。と言っても初めて聞く名前。高校サッカーには5回目の出場になる。ちなみにどちらも勝てば初めての決勝進出となる。

 神村学園の布陣は4-4-2。福田師王と西丸の2トップに、右SH積、左SH金城。ボランチは笠置とU17代表大迫塁。DFは右SB有馬、左SB吉永、中江と大川のCBにGKは広川。一方の岡山学芸館は4-2-3-1。今井をトップに、トップ下に田口裕真。SHは右に岡本、左田邉。山田と木村のダブルボランチに、DFは右SB福井、左SB中尾。井上と田口大慎のCBにGKは平塚。

 開始2分、CH大迫のCKにCB中江がヘディングシュート。わずかにポスト左に外れたが、序盤から神村学園がゲームの主導権を握る。4分にはFW西丸がミドルシュート。だが岡山学芸館も寄せが早く、前からしっかりプレスをかけていく。そして5分、CF今井が右サイドからカットインしてシュート。DFに当たって左に外れたが、続くCKの流れから、いったん自陣まで戻されたボールをGK平塚がフィード。DFのクリアをCH木村がはね返すと、左SH田邉が左に展開。CKのキッカーとして左サイドにいたSH岡本のクロスにOH田口裕真が走り込んでシュート。何と、岡山学芸館が先制点を挙げた。

 すぐに反撃する神村学園。だが岡山学芸館もしっかり寄せて、攻撃を自由にさせない。それでも23分、CH笠置の縦パスをFW西村が左に流して、左SH金城がシュート。わずかにポストの左。33分にはCH大迫のフィードをDFがはね返すと、こぼれ球を右SH積が拾い、ミドルシュート。GK平塚がファインセーブで弾き出す。岡山学芸館も36分、右SH岡本のFKはGK広川がナイスセーブ。直後には右SH岡本の縦パスからOH田口裕真がシュート。右に外れるが、岡山学芸館も二次ボールを拾っては攻めていく。

 しかし38分、中盤はCH笠置がボールを奪うと、CH大迫の縦パスをFW福田が落とし、左SH金城がミドルシュート。GK平塚もよくセーブしたが、こぼれ球に対するFW福田の寄せが早い。押し込んで、神村学園が同点に追い付いた。神村学園は直後の39分、金城と積の両SHを下げて、右SH高橋、左SH名和田を投入する。名和田はU-15代表だ。42分にはその名和田がミドルシュート。バーを叩く。前半はこのまま1-1で折り返した。

 後半も神村学園が攻め、岡山学芸館が守る展開。5分、CH大迫がミドルシュート、7分にもFW西丸がミドルシュート。だがいずれもDFにブロックされる。直後にはCH大迫の縦パスをFW福田が胸トラップからシュート。だが詰めてきたGK平塚にシュートはわずかに右に外れる。そして14分、右SH高橋の仕掛けをDFが倒して得たFKをCH大迫が蹴ると、壁に当たってコースが変わり、ゴールに吸い込まれた。神村学園が勝ち越した。

 このまま神村学園が勝ち切るかと思ったが、17分、岡山学芸館がパスを回して攻めると、左SB中尾の縦パスにCH山田が走り込むと、中に戻したパスをCF今井が受けて、反転からシュート。何と、岡山学芸館が同点に追い付いた。するとそこから岡山学芸館が積極的に攻めていく。神村学園も23分、パスを回して、左SB吉永がミドルシュート。GK平塚がファインセーブ。しかし続くCH大迫のCKにCB中江がヘディングシュート。24分、再び神村学園が勝ち越した。3点目。

 すると岡山学芸館は25分、左SH田邉に代えて木下を投入。そして28分、自陣ライン際でCB井上が粘り強い守備から前にボールを蹴り出すと、左SH木下の縦パスをCF今井がフリック。OH田口裕真が受けて、走り込んだCF今井にパスを来ると、今井は右に流す。右SH岡本にはDFがついてチャンスは消えたかと思ったが、うまく左に持ち出してシュート。これが決まった。三度、岡山学芸館が同点に追い付いた。すごい。

 34分には右SH岡本のFKをGK広川がパンチング。OH田口裕真がミドルシュートを放つ。神村学園も39分、左SB中尾がミドルシュート。直後には足を痛めた右SH高橋に代えて下川を投入。45+4分、左SH名和田がミドルシュート。DFに当たり、CH大迫が最後のCKを蹴るが、GK平塚がキャッチ。そしてタイムアップ。3-3。90分では勝負つかず。決勝進出はPK戦に委ねられた。

 PK戦岡山学芸館が先行。岡山が決め、神村学園はキャプテン大迫が決める。さらに岡山学芸館は木村が決めたが、神村学園の2番手、FW西丸のPKは右ポストに嫌われた。岡山学芸館3人目CH山田もしっかり決めると、神村学園の3人目は福田師王。ど真ん中に蹴り込んだシュートはGK平塚が足を残して、ストップする。これで3-1。最後は岡山学芸館のキャプテン井上が決めて、岡山学芸館が決勝進出を決めた。

 すごいゲームだった。岡山学芸館が先制するも神村学園が逆転し、そのまま逃げ切るかと思ったが、岡山学芸館は後半終盤になっても運動量が落ちない。そこから神村学園を攻め出して三度同点に追い付いて、最後はPK戦で勝利。その粘りがすごい。一方、準決勝のもう1試合、東山対大津も、同点に追い付いた東山がPK戦で勝利して、初めての決勝進出を決めた。岡山学芸館対東山。こんな組み合わせを誰が想像しただろうか。どちらが勝っても初優勝。これも各校のレベルが上がってきたということか。明後日の決勝戦も面白いゲームを期待したい。