とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

U-22代表強化試合 日本vs.ベルギー

 U-22の欧州遠征、初戦はドイツに2-2と引き分けたが、ゲーム内容はけっして良いとは言えなかった。特に身体能力の部分では差を感じた。2戦目はベルギー戦。今度はどんなゲームを見せてくれるのか。内容重視で観戦した。

 日本の布陣は4-2-3-1。サンガの木村勇大をトップに、トップ下に鈴木唯人。右SHにはアントラーズの松村、左SHはベルマーレの平岡。ボランチマリノスの藤田とサンガの川崎。DFは右に中村拓海、左はドイツ戦と同じ加藤聖。ジュビロの鈴木海音と西尾のCBにGKはベンフィカ所属の小久保。一方、ベルギーの布陣は3-4-3。フェルテセンをトップに、シャドーは右にWヌクバ・チェンド、左にラマザニ。中盤はフランクスとマタゾのボランチに、右WBサモワーズ、左WBデコイベル。CBは右からファンデルブレント、プレティンクス、アル・ダヒル。GKはラメンス。

 序盤からベルギーが積極的に攻めてくる。そして5分、CB西尾の縦パスをCBプレティンクスにカットされると、パスを受けたFWラマザニが運んでミドルシュート。これが決まり、早々にベルギーが先制点を挙げた。ズルズルと下がってしまう日本の守備陣。その後もベルギーの攻勢が続く。特に左サイドのWBデコイベルが高い位置を取り、攻めていく。

 17分、左WBデコイベルのクロスのクリアをCFフェルテセンがシュート。これはGK小久保がセーブ。だが20分、再びCB西尾からの縦パスを下がって受けたOH鈴木唯人だったが、トラップが長くなったところをFWラマザニに奪われ、CFフェルテセンが運んでシュート。追加点を挙げられる。やはりDFラインがズルズルと下がっていってしまうのが気になる。

 日本のシュートはようやく22分、GKラメンスのパスが右FW松村のところに飛んで、ミドルシュートを放つが、DFがブロック。大岩監督も堪らず、32分、右SB中村を内野に交代した。少しでもベルギーの左サイドを抑えようという意図か。44分、ベルギーはデザインされたCKから左FWラマザニがミドルシュート。これはGK小久保がナイスセーブ。日本も45+1分、OH鈴木唯人がFKを直接狙うが、ゴール右上に外した。前半はこのまま0-2で折り返す。

 前半は全くいいところがなかった日本は後半の頭、4人を交代させる。川崎に代えてCH山本理仁。木村勇大と平岡に代えて、ドイツ戦で先発したCF細谷と左WG佐藤恵允。村松を下げて、CBに木村誠二。布陣も3-4-3に変更した。鈴木唯人が右WG。一方、ベルギーは一気に7人を交代。デマンとファーセンの2トップ。中盤はマタゾとデコイベルは残ってSHに開き、フランクスとケイタが中央に陣取るが縦関係にも見える。DFは4人で、右SBにエンゲルス、左SBサルデラ。CBプレティンクスは残って、パトリスが新たに入る。布陣は4-4-2。若しくは4-1-3-2。

 後半も序盤はベルギーが攻勢。左SHデコイベルのクロスにFWファーセンがヘディングシュート。これはGK小久保がナイスセーブ。ベルギーは7分にも、ここまで好調のデコイベルを下げて、FWにデスコットを投入する。デマンが左SHに下がった。そして9分、日本はショートCKから左SB加藤がクロスを入れると、クリアをCH山本がミドルシュート。これで得たCKを右サイドから加藤が蹴り込むと、CB木村誠二がフリックして、左WG佐藤がボレーシュート。ドイツ戦と同様の形から1点を返した。

 ベルギーは選手が替わって少しバランスを崩したかもしれない。日本がようやく攻められるようになってきた。しかし13分、CB木村の縦パスをCBパトリスにカットされると、そのままドリブルで持ち上がられ、FWファーセンの落としから、左SHデマンがミドルシュート。16分には左SBサルデラのパスからFWデスコットがドリブル。CB西尾を抜いて、クロスにFWファーセンがシュート。これは枠を捉えられなかった。

 しかし18分、日本はCBパトリスからのパスをCH山本がカットすると、落としをCH藤田が右に展開。右WG鈴木唯人が思い切りよくミドルシュートを放つ。これが決まった。日本が同点に追い付いた。ベルギーは23分、右SHマタゾに代えて右SBシケを投入。エンゲルスを右SHに上げる。33分にはFWデスコットの落としから左SBサルデラがクロス。右SHエンゲルスがヘディングシュート。わずかにポストは左に外れた。

 35分、日本は加藤に代えて、FW西川を投入。佐藤が左WBに下がる。36分、ベルギーはFWデスコットがミドルシュート。こぼれ球を右SHエンゲルスが拾ってクロスを入れると、FWファーセンがシュート。37分にはFWデスコットがミドルシュート。日本も38分、左WB佐藤がカットインしてミドルシュートを放つが、GKラメンスがセーブする。そして41分、CB木村からの縦パスを右SBシケに奪われ、FWデスコットとのワンツーからシケが上がると、CB西尾もかわして、クロスにFWファーセンがシュート。ベルギーが3点目を奪う。

 直後の42分、日本は鈴木唯人に代えて山田を投入。43分、CH藤田の戻しからFW西川が右に展開。右WG山田がミドルシュートを放つが、ポストの左。45+2分には再び右WG山田がミドルシュートを放つが、これはGKラメンスにセーブされた。そしてタイムアップ。2-3。ベルギーが勝利。日本の欧州遠征は1分1敗で終わった。

 いいゲームではなかった。特に前半はほとんど見せ場も作れず、消極的なプレーに終始した印象。それでもお互いメンバーが変わった後半にはいったんは同点に追い付いたし、それなりに攻め手はいった。だが決勝点は再びミスパスから。代表もそうだったが、前へのパスを奪われた時の対応が課題。いやそもそもまだまだ力不足。この経験を糧に少しでも積み上げていってほしい。力の差を感じたとしたら、それが一番の収穫かもしれない。