とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

J1リーグ第9節 名古屋グランパスvs.ベルマーレ平塚

 前節、鬼門フロンターレに11年ぶりに勝利して、依然2位に付けるグランパス。前日に行われたゲームでヴィッセルが敗戦したため、勝てば久しぶりに首位に立てる。相手はベルマーレ。ここまで2勝2敗4分の11位。過去、グランパスが上位にいる状況で何度も苦戦し、敗戦した記憶があるが、実は久しぶりの生観戦。絶対、勝ってほしい。ちなみに観戦した席はバックスタンドの3階席。かなり高い位置から見下ろす形となり、両チームの布陣がよく見える。

 グランパスはここ4戦同じメンバー。ただし前線は、前節と違い、いつもと同じくユンカーをCFに戻した。右FWマテウス、左FW永井。WBは右に内田、左に森下。ボランチは稲垣と米本。CBは右から野上、中谷、藤井。GKはランゲラック。一方、ベルマーレの布陣は3-5-2。町野と阿部の2トップ。中盤は奥野をアンカーに、右IHタリク、左IH平岡。右WBに石原広教、左WB中野嘉大。CBは右から舘、大岩、杉岡。GKはソンボングン。阿部は古巣対決だ。今季、ベルマーレはここまで16得点とヴィッセルに次いでリーグ2位。一方、グランパスはリーグ最少失点を誇る。矛と楯の対戦でもある。

 序盤、積極的に攻めたグランパスが3分、遠目の位置でFKを得る。右FWマテウスが直接狙うが、枠は大きく外した。しかしその後はお互いプレスが厳しく、なかなかシュートまでいけない。ベルマーレは短いパスを繋いで、サイドから突破を図ろうとするが、FW町野にボールが入ることはほとんどなく、グランパスがはね返してカウンターを狙う。次第に陽も傾き、それまで日陰だったスタンドも西日に照らされるようになってきた。

 22分、ベルマーレはハーフライン付近でのFKから左に流すと、FW阿部が長いスルーパス。右IHタリクが抜け出し、シュートを放つが、GKランゲラックがナイスセーブ。これがベルマーレ最初のシュート。直後の23分、グランパスも右WB内田のスルーパスに右FWマテウスが走り込み、ゴール前にクロスを入れる。CFユンカーには合わなかったが、ようやくゲームが動き出した。

 27分、CH稲垣がベルマーレのパスをヘディングではね返すと、CH米本が縦に繋ぎ、CFユンカーがスルーパス。右FWマテウスが走り込んで、クロスに左FW永井がシュート。だがGKソンボングンがナイスセーブ。続くマテウスのCKにCB野上がヘディングシュートを放つが、GKソンボングンがキャッチした。ベルマーレも29分、FW町野から右に展開。右WB石原のクロスを右IHタリクがスルー。CH米本に当たって前にこぼれたボールをFW阿部がシュート。ネットを揺らしたが、石原のクロスの時点で阿部がオフサイド。VARの末、オフサイドが認められた。一方、グランパスも31分、CB野上の縦パスに左FW永井が走り込み、飛び出したGKをかわしてシュート。CB杉岡がぎりぎりクリアするが、永井の位置がオフサイドと判定された。

 その後、タリクが足を痛め、治療からいったんピッチに戻ったが、結局プレー続行不可能。39分に右IH山田直輝と交代した。そして41分、右IH山田からCH米本がボールを奪うと、左FW永井が大きく右前にサイドチェンジ。走り込んだCFユンカーはいったん左サイドに戻したが、左FW永井が再び右前にクロスを入れると、CFユンカーがヘディングシュート。GKソンボングンがナイスセーブ。はね返りをユンカーとCB杉岡が競って、こぼれ球を左WB森下がシュート。グランパスが先制点を挙げた。森下は今季初ゴールだ。45+2分には右FWマテウスのパスからCFユンカーがシュート。DFがブロック。前半はグランパスの1点リードで折り返した。

 後半、ベルマーレは左WB中野を畑に交代する。2分、CH米本のカットから左FW永井が長躯ドリブル。左サイドに回り込んだCFユンカーにパスを出すタイミングはあったと思うが、そのまま持ち込んでシュートを打つも、CB大岩に止められた。左FW永井は直後の3分にもミドルシュートを放つが、GKソンボングンがセーブする。しかし5分、グランパスが右サイドからのショートCKから右FWマテウスがクロス。ファーでCH稲垣がヘディングで折り返すと、CB中谷がヘディングシュート。ゴール。グランパスが追加点を挙げた。これで勝利が、首位が見えてきた。

 しかし11分、ベルマーレがパスを繋いで攻め込むと、左WB畑のクロスにCB藤井がヘディングではね返す。この時飛び出したGKランゲラックと衝突。すぐに起き上がるが、はね返りを拾ったCH奥野は右に展開。FW町野がスルーすると、右IH山田が切り返してミドルシュート。CB中谷が必死にクリアしようとするが、足に当たってそのままゴールに転がり込んだ。ベルマーレが1点を返す。

 グランパスも攻める。13分、左WB森下の縦パスを左FW永井が縦に繋ぎ、右FWマテウスが抜け出して、シュート。右に外した。17分にはCH米本のスルーパスに抜け出した右FWマテウスがクロス。CFユンカーのシュートを放つも、マテウスの位置がオフサイド。20分、ベルマーレは右WB石原に代えて岡本、CH奥野に代えて今季グランパスから移籍した永木を投入する。23分過ぎあたりからグランパスはWBの左右を入れ替えた。より攻撃的に行こうとしたか、若しくは右WB岡本への対応か。

 24分、左FW永井の縦パスに左WB内田が走り込み、クロスにCH稲垣がミドルシュート。だがうまく当たらず、ポスト右に外す。ベルマーレは25分、CB杉岡のCKを右WB岡本がフリック。FW町野のヘディングシュートは左ポストを叩いてはね返った。そして29分、CB藤井のパスを右WB岡本がカットすると、中へのパスをFW町野がトラップ。やや流れたところに右IH山田が走り込む。足を出したCB中谷ともつれて山田が倒れるが、主審は笛を吹かない。すると30分、グランパスがカウンター。右WB森下がドリブで持ち上がると、左WB内田からFWマテウスにつなぎ、スルーパスに内田が走り込んで中へ戻す。中に走り込んだマテウスが追い付くと、左に持ち替えてミドルシュート。これがCB大岩に当たってコースが変わり、ゴールに飛び込んだ。グランパスが3点目。

 と喜んだのも束の間。主審はVARで中谷と山田のプレーをチェックしている。長いVARの結果、ベルマーレにPKが認められた。35分、これをFW町野が決めて、ベルマーレが同点に追い付く。37分、グランパスは永井に代えて左FW酒井を投入。ベルマーレも39分、FW阿部を下げて鈴木章斗に交代した。40分、CH永木が中盤でフリーになってミドルシュート。右に外れて助かった。45分、マテウスのFKはCB藤井がフリックするが、GKソンボングンがキャッチする。アディショナルタイムは長いVARのため、8分間。しかしお互い互角で決めきれず。45+8分、CH永木のクロスにFW町野がシュートを打つが、DFがブロック。そしてタイムアップ。2-2。結局ゲームはドローで終わった。

 後半は西日がまともに当たり、暑かった。サッカー自体も暑かったが、しかし、2点のリードを守り切れなかった。首位のチャンスがこぼれていったのは残念だったが、久しぶりの生観戦は楽しかった。引き分けてもまだ順位は2位。次はヴィッセルに勝って3位まで上がってきた昨季の王者マリノスが相手だ。勝ち点差はわずか1。しかもアウェイ。しかし今季のグランパスならいい勝負ができるはず。アウェイで勝って今度こそ首位に立てるか。ヴィッセルの相手は今日の対戦相手ベルマーレだ。お互いいいゲームを期待したい。楽しみは来週に持ち越したが、気持ちよく家路に着いた。楽しいゲームだった。