とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

「ひと月分の雨量が1日で」って、それ当たり前では?

 今年の夏は暑かった。地球温暖化には懐疑的な私でも、それは認める。

 そして時々、台風もやって来た。「豪雨」も最近の気象報道でよく扱われる事象だが、先日、テレビを見ていたら、「平年ひと月分の雨が1日で降った」とあたかもすごい豪雨かのように話していた。それを聞きながら、「あれ?」と思った。

 そもそも8月の雨って、夕立の他は、台風が来たときくらいしか降らないのではないか。そして1か所に来る台風の来襲件数って、平均すると、月1回もないのではないか。月に1回も台風が来ない年もある。そんな年は月平均雨量を大きく下回り、渇水の危機が叫ばれ、月に2回も台風が来襲した時には、平年を大きく上回る雨量の月となる。そして、その月最初の台風で降る雨量は、平年ひと月に降る雨量とほぼ同じになる。これってごく当たり前のことではないだろうか。

 昨日、テレビを見ていたら、「震度6以上の地震の発生回数が2000年代に入って急増している」と言っていた。でも、そもそも現在のような震度計が開発されたのが阪神淡路大震災以降だし、それ以前は今のように各地に震度計が設置されている状況になかった。それを考えると、「急増」は言い過ぎだろう。もちろん私も、地震が活動期に入っているということは否定しないが、それを上記のような数字を出して説明するのは間違っている。

 テレビでよく「観測史上最大」といった類の表現が使われるたびに、「その観測地点はいつ設置されたんだろう」と思う。今年が暑いことは否定しない。でも、観測地点は今世紀に入って飛躍的に増えているし、人間の居住地域も以前よりは広がっている。その結果の災害増加という側面もあるだろう。さまざまなデータも意図をもって扱えば、いかようにも表現できる。

 たとえば「地球温暖化」という言葉だって、「地球とはどこか」ということが曖昧なまま使用されている。正確には「居住地における気温上昇」だろう。そして、都市化によるヒートアイランドの影響や居住地の広がり、人口の増加などの影響もしっかり評価しないといけないのではないか。「すべては二酸化炭素のせい」と単純化するのが常に正しいとは限らない。

 テレビや新聞を読んでは、「それって本当のこと?」と疑ってしまう。単純に信じれば、救われるんだろうか。でもそれではかえって気持ち悪いし、やっぱり私は真実を知りたい。