前節ヴィッセルに敗戦して、目前でシャーレを掲げる場面を見たグランパスの選手たち。この悔しさを最終戦にぶつけてほしい。とは思ったが、相手のレイソルも降格のかかった試合。もっとも得失点差を考えればほぼ残留は決まったも同然。むしろ来週の天皇杯決勝に向けて、勢いをつけておきたいゲームだったかもしれない。ちなみにレイソルはここ5試合勝利なし。グランパスは連敗中だが、ホームでは今季負けなしの8勝8分けだ。
グランパスの布陣はいつもの3-4-3。ユンカーをトップに、右FW森島、左FW永井。米本と内田のダブルボランチに、右WB久保、左WBには和泉。CBは右から野上、藤井、丸山。GKはランゲラック。稲垣は前節4枚目のイエローカードをもらって出場停止。連続試合出場が139試合で止まってしまった。今季フル出場が期待された中谷はベンチスタート。代わってこのゲームでの退団が決まった丸山が先発で出場した。一方、レイソルの布陣は4-4-2。山田康太と細谷の2トップに、SHは右に山田雄士、左にサヴィオ。ボランチは椎橋と仙頭。DFは右SB片山、左SBにジエゴ。古賀と犬飼のCBにGKは松本。
3分、CB藤井の縦パスを左SHサヴィオがカットすると、FW細谷がつないで、FW山田康太がシュート。DFがブロックするが、レイソルの前線は積極的に仕掛けてくる。グランパスも5分、右WB久保の縦パスを右FW森島が収めて、CFユンカーがシュート。GK松本がナイスセーブする。その後はレイソルがパスを回して積極的に攻め、グランパスは守りからカウンターを狙う展開になっていく。
16分、CH椎橋がミドルシュート。21分には左SHサヴィオのCKに左SBジエゴがヘディングシュート。わずかにポスト右に外れる。さらに23分には左SHサヴィオのスルーパスに左SBジエゴが抜け出し、ヒールで落とすと、左SHサヴィオのクロスにFW細谷がシュート。GKランゲラックがわずかに触り、何とかセーブする。さらに右サイドから右SB片山のクロスのクリアをCH仙頭がミドルシュート。FW細谷が触ったが、そのままラインを出ていった。
なかなか攻め込めないグランパスは25分過ぎぐらいから右FW森島が中盤まで下がって受けに入るが、そこからなかなか展開していけない。ようやく37分、左CB丸山のスルーパスにCH内田が走り込み、クロスにCFユンカーがシュートするが、CB古賀がブロック。39分にはCH内田のクロスのクリアを右WB久保が拾って、左WB和泉がシュート。だがGK松本がキャッチする。さらに41分、GKランゲラックからのフィードをCH米本がフリックすると、収めたCFユンカーがスルーパス。左FW永井が抜け出してシュートを決めるが、残念ながらオフサイド。レイソルも45分、CH仙頭のクロスに右SB片山とDFが競って、こぼれ球をCB犬飼がシュート。しかし枠は捉えられなかった。前半はこのままスコアレスで折り返す。
レイソルは後半頭、右SH山田雄士を小屋松に交代した。開始1分、グランパスが攻め込み、CFユンカーのパスを右FW森島が落として、CH米本がボレーシュート。だがこの後はお互いうまく攻め込めず、膠着して展開が続く。それでも次第にレイソルが優勢に。13分、右SH小屋松のスルーパスに走り込んだ左SHサヴィオの戻しのパスを左SBジエゴがミドルシュート。17分、右SB片山のロングスローから左SBジエゴがヘディングシュート。
グランパスは19分、久保と永井を下げて、左FW貴田、右WB森下を投入。しかしレイソルの優勢は変わらない。そして26分、グランパスのCKからはね返りを拾った左WB和泉が縦パス。だがこれをFW山田康太がカットすると、右SH小屋松のスルーパスに左SHサヴィオが走り込み、そのまま持ち込んでシュート。レイソルがカウンターから先制点を挙げた。
レイソルは29分、山田康太に代えて右SH山本を投入。小屋松を左SHに回し、サヴィオをFWに上げる。30分、グランパスはCFユンカーの落としから左FW貴田とワンツー。ユンカーがシュートを放つが、GK松本がセーブする。32分、グランパスは米本と内田を下げて、CH山田陸と右FWターレスを投入。森島をボランチに下げた。34分には左FW貴田がミドルシュート。36分、レイソルはサヴィオと椎橋に代わり、CB立田とCH土屋を投入。FWは細谷をトップに、左FW小屋松、右FW山本。布陣を3-4-3にして守備を固めた。
38分には右FW山本がドリブルで運んでミドルシュート。その後も守りを固めつつ、カウンターを狙う。40分、グランパスは和泉を下げて、右WBに前田。森下を左WBに回す。レイソルも片山に代えて右WB三丸。グランパスが攻めるが、レイソルの守備をなかなか破れない。それでも45分、左FW貴田がサイドを抜くと、クロスに右WB前田がヘディングシュート。これが左WBジエゴの手に当たる。VARの末、主審はPKを告げた。またジエゴはレッドカードで退場。判定に反論でもしたか。45＋5分、このPKをユンカーが決めて、ようやくグランパスが同点に追い付いた。
その後は一人多くなったグランパスが攻めるが、追加点は取れず。結局1-1で引き分け。ホーム負けなしは守ったものの、最終戦も勝利で飾れず、順位はアントラーズに抜かれ、6位でリーグを終えた。
最後までゴールが遠いゲームだった。マテウス移籍の穴は結局最後まで埋められなかった。ロングボールやカウンターしかないサッカーでは得点機会も少ない。同じく得点が少なかったドラゴンズは中田翔を補強するようだが、グランパスはどんな補強を予定しているだろうか。このメンバーのままでは来季もさらなる飛躍は難しい。ましてや中谷や藤井には海外移籍の噂もある。二人が抜けたら、堅守も崩壊し、一気に降格争いに巻き込まれるのではないか。長らく続いた守備重視のサッカーから、そろそろ攻撃サッカーに変わってほしいが、長谷川監督続投ではそれも難しいだろうか。来季に向けて明るい展望はないものか。
