とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

天皇杯決勝 川崎フロンターレvs.柏レイソル

 この時期に天皇杯決勝というのはやはり似合わない。代表戦ができるなら、天皇杯を正月に開催してほしい、と思うが、決まったことは仕方がない。でも組み合わせはフロンターレとリーグ戦を17位で終えたレイソル。今季も8位とイマイチな成績ではあったが、順当にいけばフロンターレが勝つだろう。観ようかどうしようかとと迷ったが、テレビをつけたらちょうど放送が始まったところだった。録画して観始めた。

 フロンターレの布陣は4-3-3。レアンドロ・ダミアンをトップに、右WG家長、左WG宮代。中盤は橘田をアンカーに、右IH脇阪、左IH瀬古。DFは右SB山根、左SBの登里。山村と大南のCBに、GKはチョンソンリョン。一方、レイソルの布陣は4-4-2。細谷と山田康太の2トップに、SHは右に小屋松、左にサヴィオボランチは高嶺と椎橋。右SBに土屋が先発し、左SBは片山。古賀と立田のCBに、GKは松本。1週間前にグランパス戦から4人入れ替えた。

 開始2分、CB立田のフィードにFW細谷が走り込み、CKを得ると、サヴィオのCKのはね返りをFW細谷が落として、左SHサヴィオミドルシュート。序盤、レイソルがFW細谷にロングボールを入れて、攻めていく。10分にも左SHサヴィオのCKからCH高嶺がボレーシュー。ブロックしたこぼれ球をサヴィオが左サイドに大きく振ると、SH小屋松がミドルシュートレイソルが積極的に攻める。

 フロンターレは12分、CH瀬古からのサイドチェンジを右WG家長が収めると、右IH脇坂の落とし、右WG家長の縦パスを左WG宮代が落とし、家長の縦パスからCFレアンドロ・ダミアンが落として、家長がシュート。だがDFがブロックする。レイソルも14分、右SH小屋松が右SB土屋とのパス交換からミドルシュート。続くサヴィオのCKにCH椎橋がヘディングシュートするも、枠は捉えられない。

 22分にもCH椎橋の縦パスを止めたCB大南に左サヴィオが絡んでボールを奪い取り、そのまま前に運んでシュート。GKチョンソンリョンがナイスセーブで弾いた。続くCKのこぼれ球をサヴィオがシュート。GKチョンソンリョンがキャッチする。26分、左SHチョンソンリョンからのサイドチェンジを右SB土屋がヘディングで折り返すと、右SH小屋松がボレーシュート。だがこれもDFがブロックする。フロンターレは40分、CH瀬古がミドルシュートを放つが、枠の外。前半は両チーム、ゴールならず。スコアレスで折り返した。

 後半に入ると今度はフロンターレが積極的に攻めていく。2分、右IH脇坂のFKはバーの上。その後はフロンターレが優勢なもののレイソルもしっかり守り、互角の展開が続く。20分、フロンターレは瀬古と宮代を下げて、左WG瀬川、左IH遠野を投入。しかし24分、レイソルが自陣から左SHサヴィオが縦パス。FW細谷がうまく抜け出すが、GKチョンソンリョンの飛び出しも早く、シュートはGKがセーブする。28分には左SHサヴィオミドルシュート。だがこれもGKチョンソンリョンがセーブ。

 32分、フロンターレレアンドロ・ダミアンに代えて小林悠を投入。一方、レイソルも小屋松と山田康太を下げて、FW山本、右SHに戸嶋を投入する。35分、左WB瀬川のパスからIH遠野がシュート。しかしGK松本がセーブ。レイソルもその直後、FW山本のクロスにFW細谷がボレーシューを放とうとしたところに右IH脇坂が戻ってクリアする。39分、左SB片山のミドルシュートは枠を越える。42分、フロンターレは脇坂と大南を下げて、CHシミッチとCBジェジエウ。布陣も4-2-3-1に変更し、家長がトップ下に入る。

 レイソルも45+4分、高嶺と土屋に代えて、CH仙頭と右SB川口を投入する。45+7分、右SH遠野のクロスに左SH瀬川がヘディングシュートもGK松本がキャッチ。レイソルも45+8分、左SHサヴィオのCKからCH仙頭の縦パスに左SB片山が走り込み、家長をかわして切れ込むと、シュートは左ポストを叩く。90分、両チームゴールならず。勝負は延長戦に持ち込まれた。

 延長戦に入っても互角の攻め合いが続く。3分、左SB登里のクロスにCF小林悠が飛び込むが、わずかに届かず。レイソルは8分、左SHサヴィオのFKは壁に阻まれる。そして9分、自陣から左SB片山がヘディングで前に送ると、FW細谷がうまく抜け出し、そのままGKと一対一。だがシュートはGKチョンソンリョンが止めた。さらに10分、左SHサヴィオのクロスのクリアをCH仙頭がミドルシュート。だがポスト左に外れた。レイソルは14分、椎橋をFW武藤に交代。戸嶋をボランチに下げ、山本を右SHに回す。しかし結局、延長前半もスコアレスに終わった。

 延長後半頭、フロンターレは交代出場の小林を下げて、身長のあるゴミスを投入する。布陣もシミッチをアンカーに置く4-3-3に戻した。するとさっそく3分、CFゴミスが右からのクロスにオーバーヘッドシュート。しかしうまく当たらず。逆にレイソルは5分、左SHサヴィオミドルシュート。さらに9分にもミドルシュートを放つが、いずれもGKチョンソンリョンがキャッチする。フロンターレも13分、右SBやアンネのクロスにCFゴミスがドンピシャ、ヘディングシュート。だがGK松本がファインセーブ。こぼれ球に詰めた右WG家長のシュートもGK松本が止めた。結局、120分戦って勝負つかず。勝敗はPK戦に持ち込まれた。

 PK戦もまたすごかった。フロンターレが先行。家長、サヴィオと決めて、フロンターレフ有銘の瀬川のシュートはいったんGK松本が止めるが、キック前に動いたとしてやり直し。2度目は瀬川が決めた。続いてレイソルが細谷、戸嶋と決めると、フロンターレも山村、橘田と決める。そしてレイソルの4人目、仙頭のシュートは左ポストに当たってはね返される。フロンターレはゴメスが決めれば優勝。だがこれを外してしまう。レイソルの5人目は武藤、これを決めると、今度はフロンターレの6人目、登里が外す。レイソルは片山が決めれば優勝だったが、今度はバーに嫌われる。これで6人を終えて4対4。その後はフロンターレが遠野、山根、シミッチと決めれば、レイソルも山本、河口、立田と決めて9対9。フロンターレ10人目はジェジエウかと思ったら、GKチョンソンリョンがPKスポットに立つ。そして決めた。レイソルの10人目も足に痛みを抱えたCB古賀に代わりGK松本が蹴る。しかしGKチョンソンリョンがセーブ。10対9。フロンターレPK戦を制し、3年ぶりの天皇杯優勝を飾った。

 それにしても、一方的なゲームになるかと思ったら、やはりタイトルのかかった決勝戦は違う。レイソルが予想以上の奮闘を見せ、逆にゲーム内容ではフロンターレを上回った。惜しむらくは2度の決定機を細谷が決めきれなかったこと。しかしここはGKチョンソンリョンを褒めなければなるまい。レイソルにとっては来年のリーグ戦を考えれば、ACLに出場するよりはリーグ戦に専念できる方がよかったのではないか。しかもこのゲーム内容は来季への自信につながる。細谷のブレイクが期待される。まあ、面白い天皇杯決勝ではあった。来年はいつ決勝戦を開催するのだろうか。やはりこうしたこ好ゲームは元旦にこそふさわしい。