とんま天狗は雲の上

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全国高校サッカー選手権 準決勝 市立船橋vs.青森山田

 久し振りに国立競技場に戻ってきた市立船橋。スタンドには布前監督の姿もある。準決勝の相手は青森山田高円宮杯プレミアリーグでも優勝し、この年代では最強チームではないか。黒田前監督はJ2ゼルビアの監督となり、1年目でJ1昇格と結果を出した。黒田前監督の後を継いだ正木監督の下で青森山田はどんなサッカーをしているのか。興味を持って観始めた。

 市立船橋の布陣は4-4-2。郡司と久保原の2トップに、右SH佐々木、左SH足立、太田と白土のダブルボランチ。DFは右SB佐藤、左SB内川、CBは五来と宮川。GKはギマラエス。名古屋戦から右SHと右CBを変えてきた。対する青森山田は4-2-3-1。米谷をトップに、トップ下は福島。杉本と川原の両SHにボランチは菅澤と芝田。DFは右SB小林、左SB小沼。山本と小泉のCBに、GKは鈴木。みんな身体が強そうだ。

 序盤は淡々とした立ち上がり。8分、ようやく青森山田のCH菅澤がミドルシュートを放つ。そして11分、CH芝田のCKにCB小泉がヘディングシュート。高い。これが決まった。青森山田が先制点を挙げる。14分には左SH川原が持ち上がり、ミドルシュートを放つ。また20分にもCH芝田のFKからCB小泉がヘディングシュート。やはり190㎝の身長は大きな武器だ。22分には右SB小林のクロスのクリアを左SB小沼がミドルシュート

 ここまで受け身に回っていた市立船橋だが、この時間あたりからようやくパスを回し、攻められるようになってくる。26分、右SB佐藤のロングスローから右SH佐々木がミドルシュートを放つと、30分にはCH白土のフィードからFW郡司がミドルシュート青森山田はセットプレーから長身CB小泉の高さを生かす攻撃。33分、36分とCH芝田のCKからCB小泉がヘディングシュートを狙う。市立船橋も40分、右SB佐藤のロングスローからCB五来がヘディングシュート。さらに45分にはスルーパスでFW久保原が抜け出すが、青森山田の左SB小沼が止める。前半は青森山田が1点リードで折り返したが、終盤は市浦船橋が攻勢のうちに終わった。

 そして後半頭、市立船橋は佐々木に代えて左SH須甲を投入。足立が右SHに回る。序盤こそ互角の展開だったが、次第に市立船橋が攻めていく。8分、CH太田の縦パスを受けたFW郡司が反転からミドルシュート。9分、青森山田は川原を下げて、左SG後藤を投入する。しかし市立船橋の反撃は続く。10分、左SB内川がドリブルで上がり、ミドルシュートを放つ。11分には右SB佐藤のロングスローからはね返りを佐藤がミドルシュート。16分にも右SB佐藤のロングスローからFW郡司がシュートを放つ。

 20分過ぎ位に少し青森山田が攻撃する時間があったが、それをはね返すと、また市立船橋がパスをつないで攻めていく。受け身に回る青森山田は25分、福島をFW津島に交代し、4-4-2の布陣に変更する。32分にはそのFW津島がミドルシュートを放つが、枠は捉えられない。そして34分、右SB佐藤からの縦パスにCH太田が走り込むと、中への折り返しに、一緒に駆け上がったFW久保原がGKの股を抜くシュート。ついに市立船橋が同点に追い付いた。

                  青森山田は37分、CH芝田のFKからFW津島がミドルシュートもGKギマラエスがセーブ。市立船橋も40分、CH太田の縦パスから左SH須甲がスルーパス。FW久保原が走り込み、シュートを放つが、GK鈴木が素早い飛び出しでブロック。44分、青森山田は杉本に代えて、右SH齊藤を投入。市立船橋も45+1分、久保原を岡部に交代する。しかしその後、ゲームは動かず。勝負はPK戦で決まることになった。

 PK戦青森山田が先行。CB山本が決めると、市立船橋の一番手はCH太田。だがこれをGK鈴木に止められてしまう。その後、青森山田は、柴田、菅澤とゴールを決め、市立船橋も、足立、佐藤とシュートを決める。しかし、青森山田の4人目、小林のシュートは市立船橋のGKギマラエスがストップ。これで同点。しかしその直後、市立船橋の4人目は終了間際に投入された岡部だったが、これをGK鈴木が再びセーブする。そして青森山田の5人目、FW米谷が決め、4-3。青森山田が決勝進出を決めた。

 市立船橋は前半中盤以降、攻めに攻め、後半34分にようやく追いついたが、しかし同点止まり。残念。青森山田の守備は強かった。しかし攻撃力については、芝田のセットプレーと小泉の高さ以外に目を見張る場面は少なかった。さて、決勝の相手は攻撃サッカーの近江。3回戦は4-3、準決勝も3-1で勝ち上がってきた。あの野洲高校を彷彿とさせる。この攻撃力がどこまで青森山田の守備に通じるか。これは面白い決勝戦になりそうだ。