とんま天狗は雲の上

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全日本高校女子サッカー選手権 決勝 藤枝順心vs.十文字学園

 高校女子サッカーの決勝は昨年と同じ、藤枝順心十文字学園の対戦。昨年は藤枝順心が1-0で勝利したが、お互い攻め合う面白いゲームだった。昨年の決勝に出場した早間や三宅にはリベンジの気持ちを強く持っているだろう。一方、藤枝順心にも久保田、下吉、菊地と昨年出場した選手が揃っている。CB柘植は昨年も1年生ながら先発している。

 藤枝順心の布陣は4-3-3。高岡をトップに、右WG辻澤、左WG藤原。中盤は下吉をアンカーに、右IH久保田、左IH植本。DFは右SB松本、左SB中出。CBは大川と柘植。GKは菊地。辻澤、久保田、菊地は卒業後、INACへ。下吉もアルビレックス・レディースへの加入が内定している。対する十文字学園も同じく4-3-3。1年生の本多をトップに置き、右WG三宅、左WG福島。中盤は川口をアンカーに、右IH新井、左IH早間。DFは右SB受川、左SB安西。山崎と米口のCBに、GKは中村。

 開始23秒、十文字の左IH早間がミドルシュートを放つ。序盤から積極的に攻める十文字。だが藤枝順心も負けてはいない。そして4分、藤枝順心のCF高岡が中盤に下がって右縦に送ると、右WG辻澤が走り込み、GKが飛び出しているのを見て、素早くミドルシュート。GK中村はなんとか戻ってはね返したものの、こぼれ球を右IH久保田が詰めてシュート。幸先よく藤枝順心が先制点を挙げた。

 6分には左WB藤原のパスから右WG辻澤がシュート。藤枝順心が高い位置からプレスをかけていく。16分、十文字はCF本多のポストプレーからスルーパスに、左IH早間が走り込み、ミドルシュート。十文字の攻撃は早間がリードする。しかし藤枝順心は高いプレスから積極的に仕掛けていく。18分、右SB松本の縦パスに右WG辻澤が駆け上がり、クロスにCF高岡がミドルシュート

 十文字は21分、CH川口がロングシュートを放つと、27分にはGK中村のフィードをCF本多が収めて、左WG福島がミドルシュート。十文字も積極的に攻めるが、藤枝順心の守備が堅い。29分にはCB山崎から右IH久保田がボールを奪い、キープから落としを右WG辻澤がミドルシュート。その後、藤枝順心はWGの左右を入れ替える。左WG辻澤、右WG藤原。

 一方、十文字の攻撃の中心は左IH早間。33分にその早間がミドルシュートを放つと、35分にはCF本多のポストからスルーパスに右WG三宅が抜け出し、シュート。だがGK菊地がセーブする。さらに40分には左WG辻澤のキープから左IH植本がシュート。そして45分、右SB松本の縦パスにWG辻澤が走り込み、シュート。藤枝順心が追加点を挙げた。辻澤は再び右WGに戻っていたか。前半はここまで。藤枝順心が2点をリードして前半を終えた。

 後半になっても藤枝順心の高いプレスは変わらない。一方、十文字も必死の反撃。2分、右IH新井がミドルシュートを放つと、直後には左WG]福島のスルーパスに左IH早間が走り込み、シュートを放つ。わずかにポスト右に外れる。藤枝順心も4分、右IH久保田のミドルシュートが左ポストを叩く。攻める十文字は10分、ショートCKから左IH早間がゴール前にクロスを入れるが、GK菊地がナイスセーブで弾き出す。11分にもCKの流れからCB山崎がシュートを放つが、枠を捉えられない。

 その後も互角の攻め合いが続く。13分、藤枝順心のCF高岡が仕掛けてミドルシュート。14分には十文字の右WG三宅がミドルシュートを放つが、GK菊地がキャッチする。十文字は21分、福島を下げて、左WG梅本を投入。すると23分、CB米口の縦パスをCF本多が落とし、右WG三宅の縦パスから左IH早間がシュート。GK菊地がナイスセーブ。さらにこぼれ球を左WG梅本がシュートするが、これもGK菊地がナイスセーブする。十文字学園、最大のチャンスだったが、さすがレオネッサ内定GK菊地の好プレーに阻まれた。

 24分、藤枝順心は藤原を下げて、左WG葛西を投入。一方、十文字も26分、受川と安西の両SBを下げて、右WG澤田、左IH伊藤を投入。三宅が右SB、早間も左SBに下げる。直後の27分には右WG澤田がミドルシュート。一方、藤枝順心も交代したばかりの左WG葛西が29分、ミドルシュートを放つ。そして30分、右サイドで右WG辻澤がボールを奪い、粘ってキープすると、落としを右IH久保田がクロス。ゴール前でCF高岡が潰れ、ファーに流れた先に左WG葛西がフリー。しっかり見極めシュート。ゴール右ポストに当たり、ゴールに転がり込んだ。藤枝順心が決定的な3点目を挙げた。

 32分、十文字はCB山崎をCB小島に交代。38分、藤枝順心のCH下吉がFKを直接狙う。GK中村がファインセーブで弾き出した。44分には十文字がCB小島のバックパスをGK中村が足で触ってすぐに拾い上げたが、これを主審がファールの判定。ゴール前で藤枝順心が間接FKを得るが、右IH久保田のシュートはDFがブロックした。その後、45+1分、45+4分と藤枝順心は、青井、曾根、鈴木と若い選手を投入して時間を使う。そしてタイムアップ。3-0。昨年の再戦となった決勝は藤枝順心が3-0と快勝。昨年に続いての連覇。そしてインターハイとの2冠を達成した。

 藤枝順心は強かった。辻澤は速く、久保田はうまかった。下吉もよくゲームを落ち着かせ、柘植と大川の二人のCBとGK菊地でしっかり守り切った。十文字は、早間と三宅の3年生がよくがんばったが、総合力では藤枝順心の方が一枚上だった。藤枝順心には来年もまだCB柘植が残るし、若い選手もゲームを経験できた。一方、十文字もCF本多を始め、1・2年生がこの悔しさに胸にさらに練習を重ねるだろう。来年はどういう対戦になるかわからないが、年々女子サッカーのレベルも上がっているように思う。また来年を楽しみに待つことにしよう。