とんま天狗は雲の上

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トヨタ労組の賃上げ要求はトリクルダウンするのだろうか?

 トヨタ労組が今年の春闘で、過去最高の賃上げ額2万8440円、一時金要求も過去最高の7.6ヶ月分を要求するというニュースが出ていた。これって、いいことなの?

 もちろん物価上昇が続く中、業績の良い企業が一定程度、賃上げするのは悪いことではないだろうが、トヨタの社員でない我々としては、それが他の企業などに波及し、国民全体として賃上げが達成される必要がある。たぶんトヨタと並ぶような大企業では、トヨタの要求額は一定の影響があるのかもしれないけど、国民のほとんどを占める中小企業にまでその影響が及ぶだろうか。

 愛知県に住んでいると、トヨタ関連企業に勤める人も多いので、トヨタの賃上げは好意的な報道が多いような感じがするが、一方で、トヨタが下請けに対して厳しい要求をするという話もよく聞く。最近のダイハツ豊田織機における不正もそうした一面が現れているのかもしれない。

 安倍政権時代、トリクルダウンという言葉をよく聞いたが、結局「トリクルダウンは起きなかった」「トリクルダウンは幻想だった」というのが、最近の評価ではなかったか。トヨタ労組の賃上げは、下請け企業にまでしっかり滴っていくだろうか。「賃上げ原資の規模は比較可能な1999年以降、過去最高の水準」ともあるが、いっそのこと、トヨタ自体の賃上げはほどほどにして、その余裕資金は、下請け企業への支払額の引き上げに当てたらどうか。

 トヨタのことだから、下請け企業の人件費相当分くらいは引き上げるのかもしれないが、材料費などの経費も引き上げてもらわないと、さらに先には伝わらない。それとも、自動車の価格を下げてくれたらうれしいか? いや、当面、トヨタ車を購入する予定もないし、下請け企業とも何の関係もないから、トヨタの社員の給与がどれだけ上がっても何の影響もないけどね。まあ、好きにしてくれ、って感じか。