とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

アジア杯 準々決勝 イランvs.日本

 伊東純也の報道には驚いた。代表から離脱することになったが、他の選手に与える精神的な影響もけっして少なくないはずだ。加えて、テレビ朝日で中継って、グループリーグでイラクに敗戦したときもテレビ朝日で中継していた。悪い予感がする。

 イランの布陣は4-2-3-1。アズムンをトップに、トップ下にゴドス。SHは右にジャハンバフシュ、左にモヘビ。ボランチはエザトラヒとエブラヒミ。DFは右SBレザイアン、左SBもモハマディ。カニーナとハリルザデのCBに、GKはベイランヴァンド。対する日本もこのゲームは同じく4-2-3-1の布陣で組んできた。上田綺世をトップに、トップ下に久保。SHは右に堂安、左に前田。ダブルボランチは守田と遠藤。DFは右SB毎熊、左SB伊藤洋輝。冨安と板倉のCBに、GKは鈴木彩艶。旗手もケガで出られない。

 序盤はお互い攻め合い、互角の展開。7分、CB板倉のロングシュートが両チームの初シュート。イランは13分、CHエブラヒミのパスから、右SHジャハンバフシュがミドルシュート。17分にもCHエザトラヒがミドルシュートを放つ。GK鈴木がキャッチした。日本は19分、右SH堂安がミドルシュート。21分には左SB伊藤のクロスにCH守田が飛び込むが、手前でDFにクリアされる。しかしゲームは日本ペース。後方でパスを回し、鋭い縦パスで攻め込む。一方、イランは守りを固め、ロングボールでカウンターを狙う。

 そして28分、CH守田の縦パスをCF上田が落とすと、そのまま守田がボールを運んでシュート。日本が先制点を挙げた。しかしイランも黙ってはいない。29分、右SHジャハンバフシュのクロスにCFアズムンが抜け出しシュートを放つと、39分にはCBハリルザデのフィードにOHゴドスがCB板倉と入れ替わるようにして前に出て、シュート。わずかにポスト右に外れる。オフサイドでもあったが、危ないシーン。43分にはOHゴドスのクロスにCFアズムンが飛び込む。わずかに届かなかったが、危なかった。

 その後もイランが攻める。日本は左SH前田がその俊足で守備に貢献するが、他の選手の動きが鈍い。45+2分、右SHジャハンバフシュのパスからCHエザトラヒがシュート。これはDFがブロック。ここで前半はタイムアップ。日本の1点リードで折り返した。

 しかし後半に入って、いよいよイランが前からプレッシャーをかけて、攻めてくる。4分、左SBモハマディがミドルシュートを放つと、5分にはCBハリルザデのフィードにCFアズムンがCB板倉をかわしてシュート。GK鈴木がナイスセーブする。これもオフサイドだったが、前半にイエローカードをもらったCB板倉が徹底的に狙われている。日本も6分、OH久保のクロスにCF上田がヘディングシュート。8分にはCHエブラヒミに左SH前田が寄せてボールを奪い、CF上田の落としからCH守田が左に展開。OH久保がミドルシュートを放つが、ポスト右に外れる。

 そして10分、GK鈴木のフィードをCBカナーニがはね返すと、右SHジャハンバフシュがつないで、CFアズムンがポストになり、スルーパスに左SHモヘビが抜け出してシュート。ついにイランが同点に追い付いた。その後もイランの攻勢が続く。18分、CHエブラヒミのフィードにCFアズムンが抜け出してシュート。オフサイドの判定だったが、ラインぎりぎりで抜け出すアズムンの動きは脅威だ。日本も21分、CH守田が左SH前田とのワンツーからシュートを放つが、GKベイランヴァンドがキャッチする。

 22分、日本は前田と久保に代えて、左SH三苫とOH南野を投入。しかしその直後、右SBレザイアンのクロスに左SHモヘビがヘディングシュート。わずかにポスト左に外れたが、危ないシーンが続く。さらに23分にはCHエザトラヒの縦パスをOHゴドスが落とし、CFアズムンがボレーシュート。GK鈴木がファインセーブで弾き出す。最もゴドスの位置がオフサイドだった。イランは中盤から前線の裏に送るパスが脅威だ。

 27分、左SBモハマディのクロスにCFアズムンがヘディングシュート。日本も30分、左SB伊藤のクロスにCF上田がヘディングシュートするも、枠を捉えられず。その後もイラン・ペースが続く。38分、右SHジャハンバフシュが左SB伊藤を抜いて、クロスのこぼれ球をCHエザトラヒがボレーシュート。GK鈴木がキャッチする。

 アディショナルタイムは意外に短い4分。45+1分、右SHジャハンバフシュがミドルシュート。そして45+3分、右SBレザイアンのクロスを左SHモヘビがヘディングでゴール前に送ると、このボールに対してCB板倉と冨安が重なったか、もたつくところにCBカニーナが走り込む。あわてて足を出したCB板倉に引っ掛かって、倒れた。PK。これを45+6分、右SHジャハンバフシュが確実に決めて、イランが逆転ゴールを決めた。その後は、イラン、日本ともに選手を投入したが、残された時間は短い。そしてタイムアップ。2-1、イランが逆転勝利を挙げ、準決勝進出を決めた。

 日本はアジア杯前9連勝の成績に慢心し、優勝して当然という意識ではなかったか。だが、イラクにしろ、イランにしろ、しっかり準備をしてきた相手には、簡単に勝利はできないし、弱点も分析されている。それを打ち破ってこそ、W杯優勝という望みも言えるはず。FIFAランク17位と21位の対戦だったが、やはり日本の順位はまだまだ20位前後。慢心したドイツには勝てても、真剣勝負の場ではまだトップ10の実力はない。でも、なまじ優勝しなくてよかったかもしれない。まだまだ日本の実力はこんなもの。イランと比べても、身体能力では劣り、技術もそれをカバーできるほどではなかった。課題は多い。2年後に向け、奢ることなく、しっかり上を向いて、積み上げていきたい。