とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

J1リーグ第1節 名古屋グランパスvs.鹿島アントラーズ

 いよいよ今季のJリーグが始まった。グランパスは、藤井と中谷の実力ある二人のCBが移籍。先日のスーパー杯で安定したプレーを見せていた丸山も移籍し、代わりに加入したハチャンレはケガで欠場。守備がどうなるか、すごく不安だった。一方、攻撃陣も、森下が移籍したが、代わって山中が加入した。中島がコンサドーレに戻り、貴田もアルゼンチンへ移籍する一方、パトリックが加入した。中山の加入も力になるはず。

 開幕戦の相手はアントラーズ。開幕戦での対戦となると、31年前、Jリーグが開幕した年に、ジーコアルシンドにボコボコにされ、0-5と大敗したことを思い出す。あの二の舞にならなければいいがと、試合前から不安感が強い。

 グランパスの布陣は3-5-2。ユンカーとパトリックの2トップに、森島と和泉がトップ下に入り、WBは右に久保、左に山中。稲垣がアンカーに入った。CBは右から野上、三國、井上。GKはランゲラック。やはりCBの二人が心配だ。対するアントラーズの布陣は4-2-3-1。新加入のチャヴリッチがCFに入り、土居がトップ下。樋口と仲間が左右にSHに入る。ボランチは佐野と知念。DFは右SBに大卒ルーキーの濃野、左SBは安西。関川と植田のCBに、GKは早川。ポポヴィッチ監督に代わって、さてどんなサッカーを見せてくるのか。それにしても、ボランチの知念って誰?

 序盤、グランパスが攻勢をかける。3分、右CB野上のフィードをFWユンカーが収めて、左に流すと、左WB山中がミドルシュート。7分には右CB野上の縦パスに、右IH森島が走り込み、クロスにFWユンカーがシュート。ポスト左に外した。しかし結局、グランパスが攻勢だったのはここまで、その後はアントラーズがパスを回し、グランパスは守備からカウンターを狙う展開に変わる。

 そして19分、右SH樋口のCKをDFがはね返すと、CB植田が競り合って、ヘディングで前に送る。と、そこにするすると走り込んだのは左SH仲間。シュートを決めて、アントラーズが先制点を挙げた。あーあ。22分には中盤左サイドでのFKをSH樋口が中央に流し、OH土居の落としをCH知念がミドルシュート。知念って、あの知念だった。なんとボランチで先発するとは。DFが触ってエンドラインを割ると、続いてSH樋口がデザインされたCK。OH土居のミドルシュートは再びDFがブロック。さらに続くCKに左SH仲間がダイビングヘッド。わずかにポスト右に外れたが、セットプレーもよくデザインされて、怖い。

 グランパスは28分、左WB山中がCKから直接ゴールを狙うと、そのままネットを揺するが、通り過ぎるボールの下で、GK早川をFWパトリックが倒して、ファールの判定。ゴールは認められなかった。34分には左WB山中のクロスにFWユンカーが持ち込んでシュート。だがポストの左。41分には左WB山中のクロスをFWパトリックが高いヘディングでゴール前に落とすが、FWユンカーには届かず、手前でDFがクリアした。1-0。前半はアントラーズのリードで折り返した。

 アントラーズは後半頭、土居を下げて、右SH藤井を投入。樋口をトップ下に移す。ポポヴィッチ監督は厳しい。すると2分、左SB安西がゴール前にアーリークロスを入れると、CB三國とCB井上が競った中にCFチャヴリッチが潜り込み、しっかりヘディングシュート。追加点を挙げた。何と、経験の差か! 実力か。8分、グランパスも右CB野上のクロスにFWユンカーがヘディングシュートするも、枠は捉えられず。15分、グランパスはパトリックと久保を下げて、FW永井と右WB中山を投入する。最初からこの二人の先発でよかったのに。

 しかし17分、CFチャヴリッチがOH樋口とのワンツーで右サイドを持ち上がると、対応したCB三國を転がして、クロスに左SH仲間がヘディングシュート。きれいに崩して、アントラーズが3点目を挙げた。アントラーズは後半、いよいよプレスも強まり、グランパスは何にもできない。ただ、左WB山中と右WB中山がクロスを上げるのみ。20分、グランパスは泉と山中に代えて、左SH倍井、左SB小野を投入。森島をボランチに下げて、4-4-2に布陣変更。アントラーズも24分、チャヴリッチと濃野に代えて、CF鈴木優磨と右SB須貝を投入する。

 すると26分には、CB三國からCH森島へのパスをCF鈴木がカットして、ミドルシュート。29分には、CH森島から左SH仲間がボールを奪い、左SB安西のクロスにCF鈴木がシュート。アントラーズは選手が代わっても、しっかりシュートまで攻撃が続く。30分にはOH樋口のCKのクリアを右SH藤井がミドルシュート。35分、グランパスはCB井上をCB吉田に交代した。

 37分、グランパスは右SH中山がドリブルで持ち上がり、クロスのクリアをCH稲垣がヘディングでつなぎ、右CB野上がシュート。だが枠は捉えられない。40分、アントラーズは仲間を下げて、左SHパレジ。42分、樋口のCKのクリアをCH知念がミドルシュート。45+1分にはCF鈴木のポストプレーから、右SH藤井がドリブルで持ち上がり、シュートを放つ。これはポスト左に外したが、ここでタイムアップ。アントラーズがサッカーの質の違いを見せつけて、3-0で快勝した。

 完全にレベルが違う。熟成の度合いが違う。ハチャンレや山岸がいれば多少は変わっていただろうか。いや、中盤の選手の動きをみても、まだまだ連携とは程遠い印象だ。次はJ2から昇格してきたゼルビアと対戦。ここで負けると、ショックは大きい。でも、負けそう。グランパスにはまだまだ時間が必要だ。辛いシーズンになりそうだ。