とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

男子U-23強化試合 フランスvs.日本

 気が付くと、もうパリ五輪の初戦まで1週間。アジア予選の内容と結果からは、五輪でもいいところまで行くのではないかと期待したが、久保や松木など五輪世代の選手に加え、オーバーエイジの選手の招集もならず、期待はややしぼんだ感じ。それでも五輪前のこの段階で、開催国のフランスと現地で対戦できるというのはいいマッチングだ。これを踏み台にして、本番に向けて調子を上げていきたいところ。

 フランスの布陣は4-1-3-2。ラカゼットとマテタというオーバーエイジを2トップに並べ、トップ下にはオリズ。中盤は、コネをアンカーに、右SHミロ、左SHシュタール。DFは、右SBシルディリア、左SBトリュフェール。ルッケバとバデのCBに、GKはレスト。最近は海外サッカーもほとんど観ていないので、知っている選手といっても少ないが、ラカゼットがいるだけでもすごいなと思う。対する日本の布陣は4-4-2。藤尾と三戸で2トップを組み、右SHに平河、左SH斉藤光毅。ボランチは藤田と山本理仁で組む。DFは右SB関根、左SB半田。木村と高井でCBを組み、GKは小久保。

 序盤からフランスがショートカウンターから何度もゴール前に攻め込んでくる。14分にはCH山本のところでCHコネに奪われ、左SHシュタールのスルーパスをOHオリズがフリック。右SBシリディリアが抜け出し、クロスにFWラカゼットがシュート。16分には、FWラカゼットの落としから、OHオリズがスルーパス。ラカゼットが抜け出し、シュートを放つ。

 しかし日本も序盤から積極的に高い位置でプレスをかけていく。そして25分、GKレストからのパスを受けたCHコネにFW藤尾がプレスをかけて奪うと、FW三戸の落としからCH藤田が抜け出しシュート。これが決まる。日本が先制点を挙げた。しかしその後はまたフランスがパスをつないで攻めてくる。日本は36分、FW三戸がPA左サイドから仕掛けると、CBバデとともに倒れて、バデがボールをPA内で抑えてしまう。主審はPKを宣告。だが、VARの結果、三戸のファールで倒れたとされ、PKは取り消された。

 40分には左SHシュタールのFKのはね返りを、右SHミロがミドルシュート。わずかにポストの右に外れた。その後もフランスが短いパスをつないで日本ゴールに迫る。前半は何とかこのまま日本の1点リードで折り返した。

 後半の頭、日本は、藤尾、関根、木村を下げて、FW細谷、左SB大畑、CB西尾を投入する。半田が右SBに回った。一方、フランスもミロに代えて、右SHアキリオッシュを投入する。するとこのアキリオッシュが積極的に仕掛ける。開始1分、右SHアキリオッシュの仕掛けからFWラカゼットが右に流すと、OHオリズのクロスのこぼれをFWラカゼットがシュート。これは右に外れたが、直後の2分、自陣深い位置からCBバデがFKで縦に送ると、FWラカゼットの落としをOHオリズがミドルシュート。フランスが同点に追い付いた。

 さらに4分には右SBシルディリアのクロスに左SBトリュフェールがシュート。5分、右SHアキリオッシュのミドルシュート。6分には、右SHアキリオッシュのスルーパスにFWマテタが抜け出してシュート。フランスが次々と攻めていく。20分、日本は斎藤に代えて、左SH佐藤恵允を投入。すると、左SH佐藤、また右SH平河、さらにFW細谷も積極的に仕掛けるが、ことごとくフランスDFに止められる。20分にはOHオリズの縦パスを右SHアキリオッシュがフリック。FWラカゼットがシュートを放つが、CB高井がブロックした。

 その後も攻めるフランス、守る日本。27分、日本は山本に代えてCH川崎を投入。一方、フランスも、マテタ、ラカゼット、オリズを下げて、FWドゥ、カリミュエンド、そしてOHチェルキを投入する。日本は35分過ぎあたりから平河と佐藤の位置を入れ替えるが、フランスの守備はびくともしない。いや、交代選手を中心に、さらに攻撃力が増していく。37分、OHチェルキのスルーパスにFWカリミュエンドが走り込み、横パスをFWドゥがシュート。GK小久保がファインセーブではね返した。42分には、OHチェルキのFKをCBルッケバがフリック。CHコネがヘディングシュートするも、GK小久保がキャッチした。43分には三戸に代えて、トレーニングパートナーの17歳、佐藤龍之介を投入するも、結果は変わらない。そしてタイムアップ。ゲームは1-1のドローで終わった。

 しかしこのゲーム、日本のシュートは得点を挙げた藤田のシュート1本のみ。実力は圧倒的にフランスの方が上。もっとも日本の選手たちは前日にフランスに着いたばかりで、大岩監督によれば「コンディション調整」が目的とのこと。それでもフランスに1点しか与えなかった守備は集中していてよかった。課題は攻撃力。グループリーグを戦っていくうちにコンディションも上がっていくだろうか。残り1週間。悔いのない調整をし、気持ちの籠ったゲームを見せてほしい。