とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

誰か、偽痛風の専門医に私の足を診てほしい。

 去年の11月に、右足がつけないほどに甲の部分が痛くなり、整形外科に行った。医師は痛風を疑ったようだが、私が偽痛風を主張したため、レントゲンを撮ったところ、偽痛風特有の白い陰が映っていたとのことで、一応、偽痛風と認めてくれた。もっとも治療法はなく、ロキソニンと湿布を出してくれただけ。1週間ほどして、痛みは治まった。

 年が明け、1月も20日を過ぎた頃、今度は左膝が痛くなってきた。またも足がつけないほどの痛みに加え、膝の上あたりがかなり腫れている。整形外科に行ったところ、関節液を抜いてくれて、多少は痛みも治まった。1週間後に再び病院に行ったら、関節液からピロリン酸カルシウムが検出され、偽痛風ピロリン酸カルシウム関節症)が確定。でも、その時には痛みはだいぶ治まっている。再び関節液を抜いてもらって帰ってきた。

 偽痛風と言えば、2008年の秋、激しい雷雨の後、ガス給湯器が壊れ、風呂代わりに行ったスーパー銭湯の前で足を滑らせ、左足首を捻挫。しかしなかなか良くならないと思っていたら、次は左膝に痛みが出て、結局、名古屋の総合病院へ行って、偽痛風の診断を得た。これが初めての偽痛風

 それから6年後の2014年12月、偽痛風が再発。2008年の時はまだブログを始めていなかったが、この時の状況は「偽痛風は突然やってきた」に詳しい。その次に痛みが出たのは、2020年10月。「またも右ひざが偽痛風」にその時の様子が書かれていた。だが、この時は右足。あれ? 左膝が右膝に変わっている。自分用の非公開日記ブログを確認すると、翌年11月にも「右膝が偽痛風で痛い」と書いてある。右になったり、左になったりするようだ。

 そうやって過去の自分のブログを観ていたら、2015年3月に「肉離れに偽通風?」という記事を見付けた。「偽通風」と書かれているが、「偽痛風」の打ち間違い。念のため「偽通風」で検索してみると、翌2016年の10月にも「偽ビールを飲んで、偽通風になった」とある。この時は右足首と書かれているが、11月と同じ、右足の甲の可能性もある。その後、2121年の4月にはまた左膝が痛くなり、さらに「めぐる めぐる~よ 痛みはめぐる」と、痛みは左膝から右膝へと移っていく。ちなみに、これらの記事にあった「偽通風」は今回、まとめて「偽痛風」に修正しておいた。

 で、今回の偽痛風だが、2回目に整形外科に行った2日後の水曜日(最初の痛みから10日後)、朝起きたときには、痛みも腫れもだいぶ引いたと思っていたのだが、来客があって玄関で対応した後、急にまた左膝が痛み出した。翌日に整形外科に行ったら、変形性関節炎ではないかと言う。今度は痛み止めの注射をして終わった。2~3日後には痛みは治まってきたが、今度はなぜか膝の内側がビクビクする。1日ほどそんな症状が続き、治まったかと思ったら、再び膝の腫れが酷くなり、そしてまた痛みが再発した。結局、最初に整形外科へ行ってから3週間後、再び整形外科へ行って関節液を抜いてもらった。

 その後は次第に痛みも治まり、腫れも少しずつ小さくなっていく。よかった。と思うのは、まだ早い! さらに10日後、今度は右の肩甲骨の後ろあたりに痛みが走り、さらに右肩に痛みが移っていく。右を下にしては眠れない。布団に横になるのも辛いし、起き上がるのはもっと大変。さらに熱も出て、体調が最悪。それでも2~3日したら、熱も下がり、膝の腫れもだいぶ治まった。ようやく復調かと思った2月末。今度は右足の甲が痛み出した。

 足も付けない痛さ。また偽痛風か。それで再び整形外科へ行く。医師は今度こそ痛風を疑い、血液検査をするが、尿酸値は低い。私は偽痛風を主張するが、レントゲンでも白い陰は見つけられなかったようだ。結局、ロキソニンと湿布をもらって帰る。その後も足の甲はかなり腫れて、一時は指を動かすことができないほどだったが、4~5日もすると次第に痛みは治まり、腫れもだいぶ引いてきた。

 あれから10日。ようやく右足の甲は良くなってきた。左膝はまだ時々痛むが、これは変形性関節炎だろう。まだ少し腫れがあるような気もするが、歩くのには支障がない。それにしても、昨年11月からここまで4か月間、右に左に、足の痛みに悩まされてきた。いったいどうしてこうなるのか。本当に偽痛風か、それとも痛風なのか? でも、良くなると、痛みも何もなくなってしまうから始末に悪い。あーあ、今度はいつ再発するのか。いや、もう再発しないでほしい。どうすればいいのか。誰か、偽痛風の専門医はいないものか。詳細に診てもらえるのなら喜んでこの身体を捧げたい。

PS.(2024.3.16)

 一昨日から、また左膝が腫れあがり、昨日、整形外科に行って、関節液を抜いてもらった。それで、今日は比較的、朝から調子がいい。右足甲の腫れもだいぶ小さくなったが、医師は「左膝を庇って、筋でも痛めたかな」と、10年ほど前に、別の整形外科で言われたようなことを言う。でもやっぱり、これも偽痛風のような気がする。痛みの次元が違う。

J1リーグ第3節 アルビレックス新潟vs.名古屋グランパス

 グランパスはホームで開幕2連敗。しかも無得点。早くこの暗闇から脱してほしいが、今節はアウェイでアルビレックスと対戦。アルビレックスは昨季途中に伊藤涼太郎が抜けたが、9月以降は無敗で乗り切り、10位。今季も開幕戦はサガン相手にアウェイで逆転勝利し、第2節はガンバに0-1と敗戦したが、これもアウェイ。今節がホームでの開幕戦でサポーターも盛り上がっている。

 アルビレックスの布陣は4-2-3-1。今季サガンから移籍した小野がワントップに入り、トップ下に高木善朗。SHは右に松田、左に小見と若い選手が左右に入る。ボランチは秋山と宮本。右SB藤原、左SB堀米に、CBは舞行龍ジェームズとトーマス・デン。GKはグランパス育成出身の小島。対するグランパスは3-5-2の布陣。永井と山岸の2トップに、トップ下に倍井と稲垣。椎橋がアンカーに入る。WBは右に久保、左に和泉。CBは右から、内田、ハチャンレ、三國。GKはランゲラック。前節から6人を代えて、攻撃的な布陣を取ってきた。

 序盤はグランパスが積極的に攻めていく。15分には、CBトーマス・デンのミスパスをFW永井が奪い、ロングシュートを放つ。しかしアルビレックスもしっかり耐えると、19分には、右SH松田のパスをCF小野が落とし、左SH小見がミドルシュート。ポスト右に外れた。22分、グランパスは左WB和泉から左に展開。左IH倍井のパスにFW山岸が走り込むが、うまくボールが収まらず、DFがクリア。アルビレックスも23分、CF小野のクロスに右SH松田がヘディングシュート。24分、グランパスは左IH倍井がカットインからミドルシュートを放つ。

 27分には、左IH倍井のFKをCB三國が落とし、CH椎橋がミドルシュート。だが枠は捉えられない。お互い、積極的に攻めるが、小さなミスも多い。グランパスの攻撃にも手詰まり感が出始めると、次第にゲームはアルビレックスのペースになっていく。28分、CH宮本の縦パスをCF小野が落とすと、OH高木がシュート。これはDFがブロックする。37分には左SB堀米がミドルシュート。わずかにバーの上を越える。45分、FW永井がミドルシュートを放つが、これは枠の外。前半はスコアレスで折り返した。

 後半もアルビレックスがパスを回し、優勢な展開。10分、OH高木のCKからCH宮本がミドルシュート。12分には、CB舞行龍のスルーパスに右SH松田が走り込み、クロスにCF小野が待ち構える。が、右CB内田がクリア。13分、CF小野のクロスのクリアをCH宮本がミドルシュート。ゴール右に外れた。

 グランパスは14分、倍井を下げて、左IH森島を投入する。すると17分、W永井の落としを受けて、右WB久保がドリブル。クロスにFW山岸が合わせるが、シュートは弱く、GK小島がセーブした。グランパスも森島が入り、少しずつペースを取り戻していく。アルビレックスは20分、CF小野が右WB久保の股下を抜くパスを通すと、CH秋山が走り込んでシュート。だがポスト左に外れる。

 24分、アルビレックスは松田と小野を下げて、CF谷口と左SH長倉を投入。小見が右SHに移る。25分、グランパスは右CB内田がドリブルで持ち上がると、右WB久保のパスをFW山岸が左に流し、左WB和泉がシュート。しかしわずかにDFの足に当たって、ポスト左に外れた。さらに26分には左IH森島のCKのクリアを拾ったCH椎橋のクロスにCBハチャンレがヘディングシュート。だが枠を捉えられない。

 33分、グランパスは永井と久保に代えて、FW酒井と右WB中山を投入。一方、アルビレックスも高木に代えて、OH長谷川元希を投入する。35分、OH長谷川から右に流して、CF谷口がカットインからミドルシュート。36分には右SH小見の縦パスにCF谷口が走り込み、シュート。だがこれはファーに流れていく。一方、グランパスも37分、FW山岸のスルーパスに右WB中山が抜け出し、GKと一対一。だが股下を狙ったシュートはGK小島がしっかりセーブした。

 41分にはOH長谷川のスルーパスに走り込んだ左SB堀米のクロスを右SH小見が落とし、CH秋山がミドルシュート。そして43分、FW山岸が前線左サイドで孤立しボールを奪われると、OH長谷川がドリブルからミドルシュート。右CB内田の足に当たったボールはGKランゲラックの上を越えてゴールに飛び込んだ。ゴール。アルビレックスがゴールを開けた。その後、グランパスは椎橋に代えてFWパトリックを投入し、攻めるが、アルビレックスの守備を最期まで崩せず。1-0。アルビレックスがホーム開幕戦を勝利で飾った。

 グランパスはこれで開幕3連敗。しかも無得点。このゲームでは最後まで選手の頑張りは感じたものの、ゴールへの道筋は見えない。3バックが重すぎて、チャンスを作っても、攻撃の人数が足りない。それゆえに右CB内田の起用だったのだろうが、ボランチが椎橋1枚で、アルビレックスボランチコンビ、秋山と宮本を自由にさせてしまった。

 もちろん運がなかったとは思う。だが、それ以上に、監督やフロントの責任もあるのではないか。藤井、中谷、丸山が抜けて、代わりに獲得した選手は、3バックの適性があるとは思えない。4バックにすべきと思うが、そうすると今度はSBの選手がいない。うーん、次は開幕後負け知らずの好調レイソルとアウェイで戦う。その後も6月頭まで、ほとんど連戦が続く。この連敗はいつ止められるのだろうか。1994年は4連敗で止まった。今度はそれを更新しそうな状況だ。

未明の砦☆

 久し振りに、太田愛の新作が出た。前作の「彼らは世界にはなればなれに立っている」がなんとファンタジー。もちろんいい小説だったが、今度の新作はいつもの社会派ミステリー。やはり太田愛にはこうした小説を書いてもらいたい。

 今回のテーマは、非正規社員が労働闘争を行う話。正社員の過労死に対して、警察や労基署にも手を回し、労災申請を退ける。非正規社員の労働中の突然死についても隠蔽を図る。さらには、新型賃金制度の導入を目論む目指す会社に対して、反旗を翻し、手作りで労働組合を立上げる非正規社員の4人組。しかし、会社は政界や警察にも手を回し、共謀罪をでっち上げ、彼らの活動を阻止しようとする。

 ぎりぎりのところで逮捕を逃れた彼らは、追いかける警察の手を逃れ、ある場所へ。警察公安部や捜査員、ジャーナリスト、さらには正社員の中にも、大企業の言いなりになる社会に対して、異議を持つ人が少なからずいる。彼らの少しばかりの行動が、4人組の逃避を助け、そして最後の行動を達成させる。

 これ以上書くとネタバレになってしまうけど、全部で609ページの大部ながら、1週間も経たず一気に読み上げてしまった。面白い。昨年からの裏金問題にみるように、日本にはまだまだ不正義かつ不公正な事柄に溢れている。次作にも大いに期待したい。

 ちなみに、本書は新聞連載されていたとあったが、連載誌は、陸奥新報や東海愛知新聞など、地方紙でもマイナーな各紙だった。やはり大手新聞社ではこの種の小説の連載はできないのか。「ザイム真理教」が大手の出版社での発行が断られたという話も含め、今の日本メディアの現状を憂う。

 

 

○同じ社会的高度に生息する者だけが、彼にとって実在する人間なのだと板垣は思った。それぞれに喜怒哀楽があり、互いに頼み事をしたり、親族の幸不幸を慮ったり、場合によっては腹を立て、必要とあれば騙しもする。一方で、遥か下方にひしめく人々は…気まぐれに形を変える半液体状のひとつの巨大な生物で<国民>と呼ばれている。板垣は、仮に自分が<ユシマ副社長>という肩書を失えば、瞬時に中津川の世界から消え失せ、ゲル化した国民の一部に回収されるに違いないと痛感した。(P19)

○この国で…上下関係や立場にかかわらず、守られるべき尊厳があるのだと意識する機会がどれだけあるだろうかと考え…た。…「わがままである」とか「なまいきである」とかの非難や、何らかの脅威にさらされることなく個人が自らの『尊厳』を主張できるのは、つまるところ人生の終わり、自己の死に向き合う際に、尊厳死という言葉を語る時くらいのように思われた。(P250)

○世界において過労死に直結する長時間労働の制限が始まったのは…1919年(大正8年)、国際労働機関(ILO)は初めての総会で、工場労働者に1日8時間を超えて働かせてはならないという第1号条約を採択している。この第1号を含め、ILOは2021年までに労働時間に関する条約を22本採択してきた。しかし、日本はそれらのいずれにも批准していないのだ。/日本では1947年に労働基準法が制定されて以来、その36条によって…いわゆる三六協定を結べば、長時間の残業や休日労働が認められている。(P330)

○日本には民主主義は根づかなかった…。それは、この国の民主主義が国民の手で勝ち取られたものではなかったからだ。…広島、長崎と原爆を投下され、ようやく敗戦を迎えた後に、民主主義もまた投下されたのだ。…この国の人間には社会という概念がないのだ。あるのは帰属先だけ。…社会とは空気のようなものだ。…この国の人間は、その空気が不正義や不公正に汚染されて次第に臭気を放ち始めても…どこまでも慣れていく。…自分たちの社会に対する不潔耐性も極めて高いのだ。(P514)

○俺がこのさき頑張ってなれるもんがあるとしたら、これしかないと思ったんだ。それでまず決めたわけだ。いい労働者になろうって…いい労働者ってのは、ただ一生懸命働くだけじゃないんだ。隣に困っていると労働者がいたら、その労働者のために闘う。つまり自分たちのために闘うのが、いい労働者なんだ(P601)