とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

岡田ジャパンの真実 W杯惨敗の予兆

 それにしてもひどいゲームだった。3-0というスコアもだが、はるばる日本までやってきて真剣勝負を挑んでくれたセルビアの選手たちに申し訳ないような腑抜けた気持ちで応戦してしまった。アピールの場となったセルビア選手たちにはよかったかもしれないが、久し振りに前売り完売で会場に詰めかけたファンを愚弄した。その元凶は岡田監督にある。
 選考メンバーを見たとき、いったいセルビア戦はどういう目的を持ったゲームなのかと疑った。あと2ヶ月と迫った今に至って、どうして永井や山瀬を選考するのか。栗原や槙野を選考するのはわからないではないが、遅過ぎる。栗原の自信をなくしただけではなかったか。
 セルビアの国内組を勝手に見下し、控えメンバーの選考の場とする甘く失礼な姿勢は、ゲーム展開も立ち上がりからいつものように漫然とボールを回すまったりとした展開。と4分、いつもマリノスではコンビを組んでいるはずの栗原と中澤のギャップを捉えて、ヌディッチが抜け出し放った強烈なシュートはポストを叩く。さらにそこからのスローインペトロビッチミドルシュートを放つと、バーの上をわずかに越えてネットを揺する。
 それでも目を覚まさない日本代表に、15分、パスカットからフェイサ、ペトロビッチとつないでスルーパス。ムルジャがCBの間を抜け出し、先制点を浴びせた。
 日本も攻撃的な姿勢は見せていた。20分、遠藤のパスに走り込んだ長友がクロスを送り岡崎がシュート。さらに21分には遠藤のCKに栗原がヘッドで合わせるがGKにセーブされる。細かいパスをつないで中をうかがう以外の戦術のない日本に対して、23分、中盤でうまくパスカットすると、ニンコフのクロスからダディッチがシュート、跳ね返りをムルジャがシュート。ショートカウンターから見事に追加点を挙げた。
 日本も27分、徳永から興梠のクロスに阿部がヘッドで合わせるがゴールを外れる。逆に33分にはCKにトミッチが稲本をふっとばしてヘディングシュート。強さ、高さだけでなく、早さも負けている。
 ハーフタイムに入り、真剣な顔でいち早く岡田監督が退場するが、今頃気付いても遅い。はるばるやってきてくれた相手に対して、あまりに失礼な戦いだったことを。
 後半早々、興梠、栗原を下げて、石川、玉田を投入。特に石川が戦う姿勢を見せて、ようやく日本にチャンスらしい場面が見られるようになった。13分、俊輔のスルーパスに石川が抜け出し、余裕で1対1になるがシュートはGKに弾かれてしまった。
 と15分。トミッチがFKを放つとボールは壁の間を通って3点目を追加する。選手の心のように千々に乱れて壁もバラバラ。
 23分には遠藤のパスを石川が抜け出して受けるが、ボールが足につかない空振り。29分にはムルジャがDFをかわし抜け出したが、阿部がなんとか付いていき、失点を防いだ。32分には石川がドリブルで切れ込んでシュート。ロスタイムにも石川のクロスに交代出場の矢野がヘッドで狙うが、ゴールは遠かった。
 結局、強くて高くて早い相手には、日本のパスサッカーは通用しないことがわかった。つまりそれはオランダ、デンマークには完敗するに違いないということ。このゲームはうまく活用すれば当然オランダ、デンマーク戦のいい予行演習になったはず。高くて強い相手に対して、いかに守り切り、少ないチャンスをいかに効率的に得点に結びつけるか。今までアジア相手の日本がボールキープできる相手ばかりだったが、本番は逆に守備一辺倒になるはず。その時の準備や構想がまったくできていなかった。貴重な一戦をムダにしてしまった。そしてそんな機会は二度と訪れない。
 もう2ヶ月しかない。このままではたぶんオランダ戦6-0、デンマーク戦3-0、カメルーン戦3-1程度で敗戦するだろう。今からでは遅過ぎる。このままでは参加国中ワーストワンの戦績を残して南アフリカから帰ることになるに違いない。あまりに遅過ぎる。悔しさよりも怒りが込み上げてきた。