とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

女子W杯 グループC 日本対カメルーン

 後半アディショナルタイム、ヘディングシュートを外したエンガナムイの悔しそうな顔が印象的だった。前半の早いうちに2点をリードして楽勝のはずが、後半はほとんどシュートも打てず、終盤には一方的に押し込まれ、それでも日本の守備もがんばって1失点に抑えて逃げ切った。後半、一生懸命に攻めて、何度もシュートを打って、ゴールに入らず、それでも必死に攻めていく。カメルーンのがんばりに感動を覚えたゲームだった。
 日本は前半、宇津木を左SBに入れて鮫島を左SH。宮間をボランチに前線は菅澤と大儀見の2トップ。右SH川澄、右SB近賀、それにGK海堀が今大会初先発を遂げた。序盤から攻め込む日本。だがカメルーンはCBマニとCBブージョウが個の強さを発揮する。それでも6分、右SH川澄のクロスにFW大儀見が走り込んでCB二人を惹きつけ、スルーをすると裏のスペースに左SH鮫島が走り込んでシュート。幸先よく日本が先制点を挙げた。
 カメルーンも直後の7分、右SHエンガナムイが前線でキープして落としをCHフェウジオがミドルシュート。身体能力、そして技術の高さを感じさせる。先日のコートジボワールとはダンチ。14分にはスローインからCHフェウジオの長いスルーパスにFWヌゴノマイが抜け出し、クロス性のシュート。カメルーンは前線の4人、エンガナムイ、ヌゴベレック、オンゲヌ、ヌゴノマイが流動的にポジションをチェンジする。しかし日本の動きも前のスイス戦よりも格段にいい。よく動いてサイドから仕掛けていく。そして17分、宮間のショートCKを左SB宇津木が戻し、CH宮間が上げたクロスがGKヌゴヌドムの頭を越えると、FW菅澤が走り込んでヘディングシュート。日本が早い時間帯で追加点を挙げた。
 しかしそこから日本がなかなか攻め込んでいけない。2点リードされてカメルーンも気負いがなくなったか、イキイキと中盤からのプレスが速くなる。22分、中盤でボールを奪うと、FWヌゴベレックのスルーパスに右SHエンガナムイが抜け出してシュート。GK海堀がよく身体を張って弾き返す。
 28分にはFWヌゴノマイのスルーパスに左SHオンゲヌが抜け出しシュート。29分には左SB宇津木のパスが人工芝で止まってしまったところを左SHエンガナムイが奪ってミドルシュート。さらに41分、左SHヌゴベレックのスルーパスにFWオンゲヌが走り込み、右に流して右SHエンガナムイがシュート。こぼれたところをFWヌゴノマイがシュート、CB岩清水がブロック。2点リード後、日本も攻めていくがボールを奪われるとカメルーンのカウンターが脅威。それでも落ち着いて守りきり、前半は2-0で終えた。
 後半頭にカメルーンはヌゴベレックに代えてOHズーガを投入。日本は鮫島を左SBに下げて、宇津木をCHに回し、宮間を左SHに上げた。すると日本のパスが回り、ゲームの主導権を握る。カメルーンのカウンターにも落ち着いて対応する。さらに10分には右SH川澄に代えて大野を投入。左右のSHにキープ力ある選手を入れ、起点を作る狙いか。カメルーンは15分、OHズーガがミドルシュート。17分、FWヌゴノマイに代えて左SHヌシューを入れると、さっそく17分、ヌシューの仕掛けから戻しのパスをOHズーガがミドルシュート。積極的にシュートを狙っていく。
 日本は19分、CH坂口に代えて澤を投入。21分、左SH宮間のフィードにFW大儀見が抜け出すが、一歩届かず、GKヌゴヌドムがセーブ。22分には右SB近賀のクロスにCH澤がヘディングシュート。澤が積極的に上がって攻守を引っ張る。しかしカメルーンの攻勢が終わらない。26分、OHズーガのFKのクリアを左SHヌシューがシュート。DFのブロックを今度は右SHオンゲヌが拾ってシュート。しかしサイドネットに外れる。
 日本は2トップが同じようなタイプで二人が絡む攻撃がほとんど見られない。37分にはOHズーガがまたもミドルシュート。そしてそこからカメルーンがCKを続けて攻めていく。必死に守る日本。40分にはFW菅澤に代わって上尾野辺を投入。宮間をOHに上げてあくまで追加点を狙う。43分、OHズーガからの戻しを左SHヌシューがシュート。DFが身体を張る。CFエンガナムイが足を攣っても必死に攻撃。その必死さに思わずカメルーンを応援したくなる。
 そして45分、CFエンガナムイのスルーパスが絶妙に左サイドに曲がって左SHヌシューがシュート。ついにカメルーンが1点を返す。さらに攻め続けるアディショナルタイム2分、右SHメフォムトゥチェノのクロスにCFエンガナムイがヘディングシュート。あわやと思ったが無情にも左のポストを外れていく。そしてタイムアップ。最後は何とか1点を守り切って日本が勝利し、グループリーグ2連勝で決勝トーナメント進出を決めた。
 それにしてもシュート数は日本の4本に対してカメルーンが20本。前半の2点リードがあってよかった。もちろん日本の守備もしっかりしていたのだが、終盤疲れてくると中盤でのパスミスを奪われては攻め込まれ、ますます疲弊していく。人工芝ゆえの疲れもあっただろう。それでも必死にゴールを目指すカメルーンの姿は感動的だった。
 次のエクアドル戦はかなり格下。日本はしっかりとメンバーを代えて休養を取りたい。それよりもカメルーン対スイスが面白そうだ。たとえ3位通過となってもカメルーンは今大会の台風の目になりそうな予感がする。いいチームだった。