とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

女子W杯 決勝トーナメント1回戦 カナダ対スイス

 日本と同グループで1-0と辛勝したスイス。対するカナダはオランダとのドローゲームを観たばかりだ。どちらも強力なFWを抱え、実力的には互角。守備力でカナダの方がやや上回るかなという印象。それよりもなによりもここはカナダ。観客の声援がカナダチームを後押しした。
 序盤から積極的に前からプレスをかけるカナダ。押し込まれたスイスはGKタールマンがボールを持ってパスの出し処を探す。なかなか中盤から前にボールが進まない両チームだったが、スイスにはFWバッハマンがいた。11分、中盤に下がったFWシンクレアからCBアッベがボールを奪うと、CHモーゼルのスルーパスにFWバッハマンが抜け出してシュート。GKマクラウドがセーブ。14分には右サイドを突破したFWバッハマンのクロスにFWディッケンマンが走り込むが、シュートは空振り。軸足に当ててチャンスを逃す。
 カナダも16分、右MFローレンスの縦パスに右サイドを抜け出したFWベランジェが大きなクロス。これがあわやポストを叩く。その後も互角の展開が続く。お互い中盤でのプレスを突破できず、ミスをしては相手にボールを渡す。中盤を飛び越える縦パスを出すが、お互いDFの身体が大きく守備が堅い。膠着した状態で時間が過ぎていく。
 40分、FWバッハマンがドリブルでCBセッセルマン、CBブキャナンと抜いてクロスを入れるが、DFがクリア。アディショナルタイムにはFWバッハマンのスルーパスにFWディッケンマンが抜け出すが、左SBチャップマンがクリアした。前半はFWバッハマンの突破が印象的なスイスだったが、結局一人だけではゴール前で仕事をする人がいない。一方のカナダはイマイチ攻撃が機能しない。膠着したまま前半を終えた。
 後半も序盤はカナダが押し込んでいく。2分、FKからFWタンクレディがヘディングで落とし、FWシンクレアが走り込むが、GKタールマンがナイス飛び出しでキャッチする。5分、右SBウィルキンソンのクロスにFWタンクレディが飛び込むが、ボールはその上を越えていく。そして7分、左サイドからFWシンクレアがクロス。DFのクリアを右SBウィルキンソンが拾ってもう一度クロス。FWシンクレアが落としたボールをFWベランジェがミドルシュート。これが決まってカナダが先制点を挙げた。左右の揺さぶりとシンクレアの落としが見事だった。
 スイスも必死に反撃する。17分、CHモーゼルのFKから左SHチェルノゴルチェビッチがヘディングシュート。カナダは23分、FWタンクレディのクロスにFWシンクレアが大迫力のダイビングヘッド。しかしこれは届かずファーに抜けると、左SBチャップマンがクロス。GKタールマンが果敢に飛び出しはね返したボールをFWベランジェがシュート。しかしライン上でCBアッベがクリアする。
 25分過ぎからはお互い選手交代をしては流れを引き込もうとする。33分、FWバッハマンのクロスのクリアをCHベルナウアがシュート。DFがブロック。37分、FWシンクレアからのクロスをCHシュミットが中につないで、途中交代フィリゲノがシュート。枠を外す。38分にはベランジェのミドルシュート。スイスもバッハマンを中心に必死に反撃を試みるが、カナダのCBは堅い。そして中盤まで下がってドリブル突破を図るバッハマンをフォローする選手がいない。結局このままカナダが守り切って、準々決勝進出を決めた。1-0。
 どちらが勝ってもおかしくない展開だったが、開催国のカナダが順当に勝ち上がった。やはり最大の武器は地元の大声援だったということか。しかし次は多分イングランド。こちらはスイス以上に強敵だ。カナダの奮闘を期待する。でもそれも日本戦までだよ。