とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

無観客での五輪開催はアリかも

 新型コロナウイルスの感染拡大(ちなみに、「新型肺炎」と言わず「新型コロナウイルス」という表現が増えたのは、政府が「新型インフルエンザ等対策特措法では既知の新型コロナウイルスには適用できない」という見解を広めるためかな?)に伴い、プロ野球のオープン戦が無観客で行われ、先週日曜日にはついに大相撲まで無観客で実施されることとなった。少しだけテレビで見たが、やはり歓声の沸かない大相撲はオープン戦以上に異様ではあったが、相撲が取れないわけではない。

 これらに先駆けて、競馬が無観客で開催されたが、こちらは中央競馬会収入のほとんどが馬券販売によるものなので、観客はいなくても大して問題ではない。大相撲もギャンブルさえできればいいのか、というのは悪いギャグだが、放送権料が大きな収入源になっているからこそ無観客開催に踏み切ったのかもしれない。海外のサッカーでも無観客で開催されているケースがあるが、放送権収入が大きく、またトトもあるので、無観客でも開催したいという意向が働くのかもしれない。

 日本でもJリーグDAZNによる収入が大きくなってきているので、このまま感染拡大が収まらないようなら、無観客開催に踏み切る可能性もあるだろう。もとより私は、年に数回しかスタジアム観戦をしておらず、ほとんどDAZNでの中継に頼っているので、無観客でも全く構わない。学校の休校要請以来、大人も休日や週末の外出を控え、もっぱら自宅待機している人が増えた。私もこの間、週末の度に、テレビで東京マラソンを観て、名古屋ウィメンズマラソンを観て、過ごしている。選手たちが観客の有無に関わらず一生懸命プレーしてくれたら、十分テレビだけで楽しめる。

 考えてみれば東京オリンピックだって、国民のほとんどはチケット購入抽選に外れ、自宅等でのテレビ観戦を強いられる。IOCにしてみても、オリンピック開催による収入はほとんどが放映権料やスポンサー契約収入であり、観客動員の多寡は大した問題ではないだろう。だとすれば、オリンピックだって無観客でやっても大した問題ではないはず。問題は、選手が無観客の状況で実力が発揮できるか、真剣勝負ができるかという点だろうが、そのためにも今から各種のスポーツを無観客で開催して慣れておくということも考えられる。

 また、名古屋ウィメンズマラソンでは、出場中止となってしまった一般ランナーに対して、それぞれ任意の場所、任意の時間に42.195kmを走る「オンラインマラソン」が実施された。これは走る日時も任意に設定できるようにしているが、同時刻に一斉スタートといった形で実施することも可能だったのではないか。何より、スマホアプリを使って競技に参加するという発想が面白い。競技への参加は何も一緒にプレーするばかりではない。観戦者もスマホアプリを通じて、競技に参加すればいい。

 たとえば、自宅でテレビに向かって応援するその声や姿をスマホ等で映し、それを会場の座席等に設置したモニターに送ることにより、プレーする選手にも観客が観戦し応援する姿が伝わるようにするということも可能かもしれない。国立競技場の客席一つひとつにスタジアム側に向けてモニターが設置される。その応援の声や姿が競技者に伝わるなんて光景を想像すると・・・正直、相当にシュールだけど、できないわけではない。そうすれば競技者も無観客よりはやる気が起きるだろうか。

 昨日、プロ野球は開幕の、Jリーグは中断の延期を発表した。しかし本当に再開できるのだろうか。新型コロナウイルスは暑さや湿気にも強いのではないかという情報も出ている。さらに開幕や再開にずれ込むようだと、大相撲と同様、無観客での開催も検討せざるを得なくなるだろう。その先にはオリンピックの無観客開催もあながち否定できないのではないだろうか。